租税条約に規定されている限度税率を超えて源泉徴収された外国法人税の取扱い

《質問》

 当社は、インドネシアの法人から特許権の使用料の支払いを受けました。
 我が国とインドネシア共和国との租税条約の規定では、特許権の使用料の支払いに係る限度税率は10%ととなっています。
 ところが、今回、当社が支払いを受けた特許権の使用料に係る源泉徴収税率は20%となっていました。
 インドネシアの国内法では、非居住者等に対して特許権の使用料の支払いをする場合の源泉徴収税率は20%とされていることから、国内法の規定に基づき20%の税率により源泉徴収をしたとのことです。
 このような場合、外国税額控除の適用関係において、租税条約に定める限度税率10%を超えて源泉徴収された外国法人税の額はどのように取り扱われるのでしょうか。

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100%子会社を吸収合併した時の処理について

《質問》

子会社
現金   100 / 買掛金  100
売掛金  100 / 資本金   50
             / 剰余金   50
                    (別途積立金 45、繰越利益金 5)
この法人を吸収した時の親会社の会計処理について教えてください。
親会社の子会社株式は60です。
資産、及び負債はそのまま受入処理をすればよいと考えますが、子会社の資本金、及び剰余金をどうするのか、子会社株式をどのように償却するのか合併法人(親会社)の会計処理及び税務処理についてお教えください。

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死亡保険金の収益計上時期

《質問》

 A法人は3月決算(1人代表)です。
 代表取締役が平成30年2月21日に亡くなられました。
 法人契約の生命保険をかけており、死亡保険金約2億円が法人に支払われる予定です。
 検死等に時間がかかったことや、保険請求するにあたり、代表者の変更をした後の会社の謄本が必要になりますが、現在、本業を続けられるかどうかの判断をして、引継ぎ者を選定しているため、保険請求はまだしておりません。
 このような場合、死亡保険金の収益計上時期は、保険請求後の支給確定日となりますでしょうか。

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事業承継税制において黄金株1株を残して事業承継することについて

《質問》

 H30年改正で大幅緩和となった事業承継税制の活用を考えている方がいます。
 贈与の方の制度活用を前提として、適用条件のうち持株についてなのですが、先代経営者が会社の筆頭株主であったこと、及び、承継によって後継者が会社の筆頭株主になること、というのがあるかと思います。
 これについて、現在100%普通株式を保有する先代→後継者への株式贈与の際、普通株式は全て贈与するものの、いわゆる黄金株(重要事項決議の拒否権を持つ株式)を1株発行して、先代に残すことは可能なのでしょうか?
 つまり、普通株式は100%筆頭株主になっても、種類株式を先代が保有していた場合、普通株式の贈与に対する事業承継税制の適用は否定されてしまうでしょうか?
 先代(現経営者)のご要望が、会社への影響力を手元に残したまま会社株式にかかる税金を軽減したい、ということなのですが、上記のやり方が通用するのか判断に迷いご相談させていただきます。

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日当、宿泊費について

《前提》

 衣料品、小物の輸入販売の会社で、ご夫婦で経営されています。従業員はおらず年商1.5億円ほどの規模です。主に、イタリアから輸入しデパートに卸しますが、自ら仕入れる場合と仲介手数料をもらう場合があり、どちらにしても3か月に一度、約1か月間社長がイタリアに行き、現地の工場と交渉等を行います。

《質問》

 この度税務調査が入ることとなり、会計処理や各規定等を見直していたところ、出張の日当、宿泊手当てに関して不安を感じたのでご質問させていただきます。
会社には海外出張旅費規定があり、社長のヨーロッパ出張につきまして日当10,000円、宿泊費15,000円と定めております。なお、宿泊費は実費ではなく定額支給となっています。
 また、支度金として30日未満の出張は80,000円、30日を超える場合は100,000円を支給しております。日当と、宿泊費と支度金のすべてを同時に支払っており、税務調査に当たって不安を感じております。
 なお、30日間の出張となりますと、一回の出張(年数回あり)で総額850,000円を社長に支払っており、金額も大きくなるので不安に感じております。
 また、一般的な日当、宿泊費の相場はございますでしょうか?何か参考にさせて頂ければと思います。

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役員等に対する貸付利率について

《質問》

 現状、社長に対して①500万円(金利3.5%)②500万円(金利3.5%)③591万5千円(金利1.8%)の3本の貸付を行っているのですが、今回新たに600万円の貸付を行うにあたってこれらを1本化して欲しいといわれているのですが、全部まとめて2%の利息で貸し付けようと思うのですが、問題ありますでしょうか?
 また、専務に対しても同じく300万円を同時期に貸し付ける予定なのですが、こちらは社長に対する貸付の金利と同じでないと問題あるでしょうか?

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関係会社間の自己株式取得について

《前提》

 発行法人甲の発行済み株式5,200株のうち520株を有する乙法人が、その有する株式520株のすべてを発行法人甲に売却(甲法人の自社株買取)することとなりました。
 自己株式を適正に評価(法基通9-1-13及び14)し、これにより売買価格を決定すると、乙法人の売却にかかる税務仕分けは下記の通りとなります。

(現金)   14,685,453(関係会社株式)16,052,700・・・当初取得価格
(源泉税)    3,511,647   (みなし配当)17,197,100
(株式売却損)15,052,700

自己株式買取り直前の甲法人の株式保有状況は以下のとおりです。
キャプチャ

《質問》

① 100%グループである内国法人間での、所有株式を発行法人である内国法人に対して譲渡する場合には、その譲渡損益を計上しない(法法61の2⑯)とありますが、上記の株式保有状況から、甲法人・乙法人間は100%グループ関係にない(=故に売却損の計上可能)という判断でよろしいでしょうか。

② 法人が、発行法人による自己株式の取得が予定されている株式等を取得した場合において、その取得した株式等に係るみなし配当の額で、その予定されていた事由に基因して受け取るものについては、受取配当等の益金不算入の規定を適用しない(法23③)とありますが、甲法人・乙法人間の株式保有関係は本規定の創設された平成22年よりも前から(少なくとも平成18年から)しておりますので、本規定の「自己株式の取得が予定されていた」には当たらず、受取配当等の益金不算入を適用してよろしいでしょうか。

③ ②において、益金不算入の適用可となった場合、株式売却直前の株式保有割合が10%あるので、益金不算入額は「配当等の額 × 50%」(完全子会社株式、関連法人株式、非支配目的株式のいずれにも該当しない株式)でよろしいでしょうか。

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診療所で医療用機器を取得した場合の中小企業等経営強化法に基づく税制措置

《質問》

 私は内科医として診療所を開業しています。この度、新規に医療用機器(器具備品)を取得し、設備の刷新を図りたいと考えています。このような場合、友人から中小企業等経営強化法に基づく支援措置である特別償却や税額控除等の適用があると聞きましたが、受けられるのでしょうか。

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貸地の一部を返還された場合の借地権の取扱いについて

《前提》

地主は法人、借地人は個人(個人事業用)。
借地人個人は普通借地権所有。
借地人個人は30坪の借地権を有し、ここに2棟の建物を建て事業を行っていた。
5年前に借地契約の更新に当たり、更新期間20年ということで400万円の更新料を授受した。
借地人個人は、5年経過した今になって1棟(敷地10坪分)を取壊した上で10坪分の借地権を返してきた。
同時に5年前授受した更新料のうち100万円の返還を求めてきたため、支払うことにした。
100万円の算定根拠
  400万円 × 10坪/30坪 × 15年/20年 = 100万円

《質問》

 返還した100万円は、経費として落とすことは可能ですか。それとも無償返還された借地の買取価格として土地勘定になりますか。

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個人が法人に土地の無償貸与をした時の借地権認定課税について

《事実関係》

個人Aが法人Bに土地を貸し、法人Bは借地に工場を立てて事業を営んでいます。
個人Aと法人Bの間で賃貸借契約書を交わしておりますが、賃料は無料、ただし公租公課は賃借人が負担するという内容で実質的には使用貸借契約と思われます。
賃貸契約書は、昭和57年11月1日に作成されています。
法人Bの貸借対照表に借地権は計上されていません。
無償返還届出書は未提出です。
この地域の借地権割合は50%です。

《当方の見解と質問》

① 個人Aと法人Bで結んだ契約は使用貸借契約と考えます。無償返還届出書の提出がなく、法人Bは権利金相当額を個人Bに支払っていないため、受贈益を得たことになります。このような場合の財産評価は、個人Aの土地は50%減額し、法人Bは借地権を計上することとされています。
 しかし、受贈益の処理を法人Bが行っておらず、受贈益の認定課税もされていないため、個人Aの土地は100%で評価し、法人Bに借地権は計上しないと考えますがよいでしょうか。

② 本来は借地権の認定課税がされるべきですがなされていないため、現在は認定課税について時効が成立していると考えて、個人Aの土地は50%減額し、法人Bは借地権を計上することは可能でしょうか。

③ 現在は事実上使用貸借契約ですが、今後賃料の授受を行って、無償返還届出書の提出を考えています。このような場合、個人Aの土地は20%減額し、法人に借地権20%を計上して評価することは可能でしょうか。また、現段階で無償返還届出書を提出することについて、どのような税務上のリスクが考えられるのでしょうか。

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