建て替え中の居宅敷地にかかる小規模宅地等の特例の適用について

《質問》

相続人A,B,Cの3人での当初申告を、平成18年に未分割のまま提出していましたが、この3名が上手く分割協議できなかったために、裁判で10年ほど争われていました。
そして、昨年の12月に和解が成立し、今回更正の請求を4か月以内の4月に提出します(相談を受けたのは今年の2月)。
当時、旧自宅がありそこに被相続人と相続人Aが居住していましたが、それを取壊し建替え中に被相続人が亡くなりました。その後、新自宅が建ち、現在は相続人Aがそこに居住しています。(登記は未登記です)
この時、小規模宅地等の特例は適用可能なのでしょうか?(申告期限後3年以内の分割見込書・遺産が未分割であることについてやむをえない事由がある旨の承認申請書は提出されています)
また、適用が可能であるとして、敷地300㎡を相続人B,Cと1/3ずつ当該土地を分割することで和解調書がまとまったのですが、当時の適用限度面積240㎡のうち、そこに住み続けるAは80㎡のみしか適用は不可なのでしょうか?相続人B,Cは別のところに住居を構えています。

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「相当の地代」方式から「無償返還の届け出+通常の地代」方式に変更することについて

《前提》

現在、社会福祉法人Aとその理事長Bの間において、下記のような土地賃貸借契約を締結しています。
①土地:Bの所有
②建物(介護施設):Aの所有
③地代:相当の地代を収受する
という土地賃貸契約となっています。
なお、相当の地代の改訂方法に関する届け出を税務署に提出済みです。(平成19年)

今回この土地に関して、「相当の地代」方式から「無償返還の届け出+通常の地代」方式に変更することになりました。ただし、今回の地代の金額変更に関して、近隣の地代相場や固定資産税相場が変動したわけではありません。

《質問》

①無償返還の届け出は、法人が社会福祉法人であっても提出は可能でしょうか?
届け出の手続き上は、「法人が~」といった記載のされ方しかしていないため、法人の種類は問題ないものと思われますが、いかがでしょうか?

②この地代の支払方法を変更することに対し、何らかの税務上のリスクはありますでしょうか?借地権の権利関係は移動ないものとして問題ないと思いますが、特に、地代金額が著しく変更されることに対して、みなし贈与等のリスクがあるのかが疑問です。

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事業を廃業した際の青色申告の効力

《質問》

 個人でコンビニエンスストアの経営(青色申告)をした後、業績も伸びたことで法人を設立し10年間に渡り法人として経営をしてきましたが、この度再度個人で営業することにしました。従前どおり青色申告をしたいと考えていますが、『青色申告承認申請書』は再び提出する必要がありますか。以前法人成りした際には、『青色申告の取りやめ書』は提出していません。
 ちなみに管轄する税務署へ電話で問合せしたところ、担当者は『取りやめの書』の提出が無い限り、青色申告の効果は継続するので、再提出の必要がない旨の回答を得ました。

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海外に単身赴任する場合の住宅借入金等特別控除の適用と申告方法

《質問》

 平成28年税制改正により住宅借入金等特別控除を非居住者でも受けられるようになりましたが、その手続きについての質問です。平成29年2月に住居を新築しましたが、その住居に住むことなく29年4月1日に2年間の予定で外国に勤務することになってしまいました。妻と子供は国内に留まり4月から新築した住まいに居住しています(住宅借入金等特別控除を受けるための他の要件は満たしています。)。
 国税庁HPによると「海外に単身赴任等する場合(平成28年4月1日以後に住宅の取得等をして海外に単身赴任等することにより、非居住者となる者に限ります。)
平成28年4月1日以後に住宅の取得等をした方が、転勤、転地療養その他のやむを得ない事情により、海外に転出し、配偶者、扶養親族その他生計を一にする親族と日常の起居を共にしない場合において、これらの親族が引き続き居住している当該住宅について住宅借入金等特別控除の適用を受けるためには、国内に納税管理人を定め、その納税管理人を通じて翌年に確定申告を行います。」と記載されています。
 これは、本人が新居に居住していなくても、家族が住んでいる等条件を満たしていれば、平成29年3月までの国内での給与所得(年末調整済)について納税管理人を定めて確定申告(還付申告)をすればよいということなのでしょうか。また、納税管理人を定めずに日本に帰国後、期限後申告(還付申告)により住宅借入金等特別控除の適用を受けることはできるのでしょうか。

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従業員のベビーシッター代の負担補助

《質問》

 当社はこの度、福利厚生の一環として幼児を持つ従業員に対し、残業時に限りベビーシッター代の一部を会社が負担するシステムの導入を検討しています。従業員に対する経済的利益の課税はどのようになるのかご教示願います。

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保証債務特例の適用について

《質問》

 以下の状況等の場合、所得税法64条2項に基づき保証債務特例が適用できますか?
 具体的には、求償権行使不能の要件である債務超過の判定において、代表者借入金の扱いはどうなるのでしょうか?

〈会社の状況〉

資産 100,000千円(時価評価額は現在精査中)
負債 200,000千円
 負債のうち金融機関借入金 50,000千円
 負債のうち代表者借入金  150,000千円
差引 △100,000千円(債務超過)

〈今後のスケジュール〉
5/31 代表者個人の不動産(土地建物)を売却(250,000千円)
   金融機関よりの督促前
6月 当該売却代金をもって金融機関借入金を返済(保証人として弁済)
   代表者が会社に対して求償権を取得
7/30 解散予定(速やかに清算結了を目指す)

〈懸念事項〉
保証債務特例の適用に当たり、求償権の行使不能が要件となりますが、「求償権を放棄してもなお債務超過であること」の条件について、以下の疑念を持っております。いかがお考えでしょうか?

・当該会社は債務超過であることは間違いありませんが、負債のうち大部分を代表者からの借入金が占めており、当該借入金の放棄を受ければ債務超過は解消することになります。代表者の意思でコントロールできる当該借入金を加味して債務超過と判定して問題ないでしょうか?
(債務超過の状況は5年以上継続しています)

・債務超過の判定は時価ベースで行うのが当然ではありますが、当然に負債も時価評価するとなれば、代表者借入金の債務超過部分は返済不能であることから、時価は相当程度低いものになります。すなわち、時価ベースでの債務超過部分は回収不能となり、純資産は理論上プラスとなるため、債務超過の要件に当てはまらないのではないかと疑念を抱いております(DESにおける債務消滅益と同様の考えになるでしょうか)。

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離婚した元妻に対し支払っていた専従者給与の必要経費性・国民年金の負担をした場合の所得控除

《質問》

 私はコンビニエンスストアを個人で営んでおり、従事(1月~5月)していた配偶者に対し専従者給与を支払っていました。また、同者が負担すべき国民年金も支払っていました。しかし、5月に離婚することとなってしまいました。これまでの専従者給与は必要経費としてよろしいでしょうか。また、支払っていた国民年金は社会保険料控除の対象としてよろしいですか。

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相続した土地の一部に建物を建て残りの土地を売却した時の3,000万円控除の適用について

《質問》

平成26年に実父の死亡により、実父の実家(戸建土地建物)を長男が相続しました。
実父は一人暮らしでした。
しばらく空き家にしていたのですが、平成27年に実家(建物)を全て取壊しました。
その後、土地については分筆を行い二等分しました。
片方は長男が家を建築し長男の自宅として現在も住んでいます。
もう片方の土地は更地で、今年(平成29年)売却を検討しております。
この場合、今年売却を検討している土地について、被相続人の居住用財産(空き家)を売った時の特例(3,000万円控除)の適用は可能でしょうか?
もともとの実父の自宅土地の「半分」の譲渡、という点が気になっています。
その他のこの規定の要件は全て満たしていると思います。

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個人事業者の少額減価償却資産の特例適用について

《質問》

平成28年11月より不動産所得に係る業務を開始し、少額減価償却資産の特例対象分を合計で約100万円程度取得しました。取得した全額を必要経費にできる適用限度額は300万円と聞いていますので全額必要経費に計上してよろしいですか?
 なお、私は以前から商売を行っているため、毎年青色申告で事業所得の確定申告をしています。 “個人事業者の少額減価償却資産の特例適用について” の続きを読む

共有地の分割後の交換について

《質問》

もともとA土地を共有して父子が持っていました。
子が2/3
父が1/3
この土地をこのたび共有物分割協議により分筆して分割取得しました。分筆は3区画で行われました。
2区画は子
1区画は父
ここまでであれば、共有物分割なので確定申告は必要なしのはずです。
ただ、土地の利用上の問題で、隣接する父の土地と分割協議により分割された子の1区画分を交換することとなりました。
面積も同じ完全な等価交換で交換差益も生じませんが、交換特例の条件で、この子の1区画は、所有期間1年以上の問題が出てくるのですが・・・
私的には、この子の1区画は、以前より何十年も共有で所有してきたことから、分筆したとはいえ、その所有期間を引き継ぐのではないかと考えております。
いかがでしょうか?

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