確定申告に当たっての留意事項⑴

令和7年分の確定申告に当たっての留意事項を4回にわたり掲載させていただきます。第1回は改正税法関係です。

【7年分の主な改正事項】
1 基礎控除、給与所得控除(下記別添資料P2参照)

所得税 住民税
基礎控除 48万円⇒95万円・88万円・68万円・63万円・58万円 43万円
(変更なし)
給与所得控除 55万円⇒65万円(162.5万円以下)

2 各所得控除等の所得要件等の改正(下記別添資料P4参照)

項目 改正前 改正後
雑損控除(資産を有する親族の総所得金額等) 48万円以下 58万円以下
ひとり親控除(子の総所得金額等) 48万円以下 58万円以下
勤労学生控除(合計所得金額) 75万円以下 85万円以下
同一生計配偶者(合計所得金額) 48万円以下 58万円以下
扶養親族(合計所得金額) 48万円以下 58万円以下

3 特定親族特別控除の創設(下記別添資料P3参照)

扶養される方の合計所得金額 所得税 住民税 給与年収
改正前 改正後 改正前 改正後
扶養控除 48万円以下 63万円 63万円 45万円 45万円 103万円以下
48万円超58万円以下 123万円以下
特定親族特別控除 58万円超85万円以下 0円 63万円 0円 45万円 150万円以下
85万円超90万円以下 61万円 155万円以下
90万円超95万円以下 51万円 160万円以下
95万円超100万円以下 41万円 41万円 165万円以下
100万円超105万円以下 31万円 31万円 170万円以下
105万円超110万円以下 21万円 21万円 175万円以下
110万円超115万円以下 11万円 11万円 180万円以下
115万円超120万円以下 6万円 6万円 185万円以下
120万円超123万円以下 3万円 3万円 188万円以下

4 所得者の課税、扶養親族の判定

令和6年分 令和7年分
所得税 本人の課税 103万円
(給与所得控除)(基礎控除)
55万円  +  48万円 = 103万円
160万円
(給与所得控除)(基礎控除)
65万円  +   95万円=160万円
扶養の判定 103万円
(給与所得控除)(所得要件)
55万円  + 48万円=103万円
123万円
(給与所得控除)(所得要件)
65万円  +  58万円=123万円
住民税 本人の課税 98万円(100万円)
(給与所得控除)(基礎控除)
55万円   + 43万円=98万円
(非課税措置により100万円)
108万円(110万円)
(給与所得控除) (基礎控除)
65万円  +  43万円=108万円
(非課税措置により110万円)
扶養の判定 103万円
(給与所得控除)(所得要件)
55万円   + 48万円=103万円
123万円
(給与所得控除)(所得要件)
65万円  +  58万円=123万円

5 家内労働者等の所得計算特例

改正前 改正後
必要経費の最低保証額 55万円 65万円

6 特定の基準所得金額の課税の特例

(極めて高い水準の所得に対する負担の適正化措置)

下記別添資料参照

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外国税額控除を受ける際の明細書の提出を失念した場合

《質問》

◎前提条件
2024年2月 日本に居住しているAは、米国にある不動産を売却した。
2025年3月 日本で2024年分の確定申告を行う(不動産に係る譲渡所得だけの申告)。
2025年6月 米国で2024年分の確定申告を行い、納税をした。

◎疑問点
 日本で確定申告した際、Aは外国税額控除の明細書(以下「明細書」といいます。)の添付を忘れてしまったので、2025年分の確定申告では外国税額控除ができないのではないかと危惧しています。
 2024年分の修正申告書を提出することで同時に明細書を提出することを検討していますが、それ以外の提出方法はないのでしょうか。

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親子会社間の土地譲渡におけるグループ法人税制と買換資産の圧縮記帳について

《質問》

 顧問先のA社(資本金5,000万円、3月決算)とその完全子会社B社(資本金1,000万円、5月決算)があります。
 今回、B社が従来から所有していた土地があり、今期譲渡益が1億円発生しました。そこでA社が所有している土地をB社に譲渡して、他方B社はこの土地を買換え資産の取得として圧縮記帳を行おうと考えました。A社は土地の譲渡益が2億円発生見込みですが、グループ法人課税により課税繰延べ、B社も圧縮記帳により課税繰延べになると思いますが問題ないでしょうか。

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100%子会社の整理に伴う繰越欠損金の引継について

《質問》

 親会社A社(子会社B社の株式を100%保有)、子会社B社(A社の100%子会社)があります。
 このたび、子会社整理のため、B社を解散させることになりました。
 B社は欠損金が多額にありますが、以下の条件のもと、B社の繰越欠損金をA社に引き継ぐことは可能でしょうか
 可能であれば、法人税申告書の調理方法も併せてご教示願います。

《前提条件》

1 B社は、令和6年3月31日に株主総会の決議により解散
2 令和6年10月31日に残余財産が確定
3 A社の資本金は100,000千円(発行済株式総数2,000株)、B社の資本金は30,000千円(発行済株式総数600株)である
  ※A社は資本金500,000千円以上の大法人に支配される法人ではない。
4 A社はB社の株式100%(600株)を、令和3年10月1日に、C社(A社と資本関係はない。)から72,000千円で購入している
5 A社及びB社は、平成31年3月期以降に業績が大きく悪化しており、毎期欠損金が生じている。事業年度ごとのA社及びB社の欠損金額は次のとおり
スクリーンショット 2025-09-22 0957036 A社の令和7年3月期における欠損金控除前の所得金額は、40,000,000円である。

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合併時の繰越欠損金の引継ぎについて

《質問》

・E社(3月決算、株主 70%がB社、代表A氏)
・B社(令和2年3月設立、3月決算、株主 80%がA氏、代表A氏)

 E社は、令和8年3月期に、B社を合併会社として吸収合併されることを検討しています。
 E社は、令和3年3月期までは、A氏、及び同族が90%株を保有していましたが、令和3年3月期に上記の株主構成となりました。
 E社は、税務上、全額損金計上可能である繰延資産である開発費、及び青色欠損金を有しますが、合併後、B社に引き継ぎ可能(損金計上可能)と考えていますが、制限を受けるケースがありますでしょうか。

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 適格合併 令8年3月末
  事業年度 令7年4月1日~令8年3月31
        
      5年前の日   令6.4.1
             令5.4.1
             令4.4.1
             令3.4.1
             令2.4.1  B社設立 令2.3.31
            (5年前の日)

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法人の解散について

《質問》

 個人Aが設立時から100%保有している、B社とC社があります。
 C社の財務内容は、B社からの借入金2,000万円があるだけで、繰越欠損金が2,000万円あります。C社は、今後事業活動を行うことが困難になってきたため、解散・清算を検討しています。
 解散・清算をした場合、C社は借入金2,000万円の債務免除を受け、繰越欠損金を消していくことになると思いますが、B社の処理としては、寄付金として損金限度額の範囲で処理していくのか、解散・清算をするので、貸倒処理(損金処理)するのか、C社が解散した場合グループ法人税制が適用されC社の繰越欠損金2,000万円がB社に引き継がれるのか、どの様な処理が正しいのでしょうか。
 また、適格合併した場合には、B社はC社の繰越欠損金を引継ぐことは可能でしょうか。 “法人の解散について” の続きを読む

権利金・地代を受け取っていない土地の贈与について

《前提》

 妻名義の土地に、夫が筆頭株主である法人名義の建物が建っています。
 建物は昭和62年に建築されており、当時、法人から妻へ権利金の支払いはありませんでした。
 また、通常の地代も相当の地代の支払いもなく、無償返還の届け出も提出していません。
 この妻名義の土地について、妻から夫への贈与を検討しています。

《質問》

①  法人の受贈益課税の有無に関係なく贈与税申告の際には貸宅地として土地評価を行い、借地権割合を控除してよろしいでしょうか。
②  権利金の認定課税については贈与の時効が成立しているため、法人に申告義務はないと考えてよろしいでしょうか。
③  土地を貸宅地として評価し、夫が贈与税申告を行った場合、今後の法人税申告においては借地権の計上が必要となるでしょうか。
  また、過年度分の法人税申告に影響が生じる可能性はありますか。

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期限後申告における小規模宅地適用の可否について

《概要》

相続開始年月日       令和4年1月27日
申 告 期 限        令和5年11月27日
申告期限から3年以内  令和8年11月27日
法定相続人 2人(夫及び長女:2人とも被相続人と同居していた。令和7年3月25日現在も居住中)
基礎控除額 4,200万円
相続財産  被相続人居住用の土地のみ(建物は相続人所有) 地積330㎡
      相続税評価額
      約6,500万円⇒(措法69-4)特定居住用宅地適用により1,300万
遺産分割協議の確定 令和7年4月を予定している。長女が居住不動産取得予定
3年内分割見込み書 提出していない。
税務署からのお尋ね 「相続税申告要否検討表」やその他文書による問い合わせなし

 上記のような状況で当初、「居住用の土地なので相続税はかからないので申告しなくてよい」という誤認があったようです。
 今回、相続登記の義務化の件で司法書士に相談したところ「相続税の申告が必要なのでは?」と言われ弊社にご相談に来られました。
 私共では、小規模宅地特例を適用して相続税の期限後申告を検討しておりますが、特例適用を否認されると相続税が発生することとなりますので慎重に対応したいと考えております。
 なお、夫は財産を相続しないため配偶者税額軽減の適用ありません。
 こういったケースにおける小規模宅地特例の適用可否について教えてください。

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無償返還届出書と評価について

《概要》

◇ 第一次相続は平成28年に発生しました。
 被相続人Xの所有する土地の上に、Xが経営していた同族会社の建物が建っていました。
  土地の評価 : 2.2億、借地権割合80%
  権利金の授受 : なし
  年間地代 : 420万円
  無償返還届出 : 提出していない
 そのため、相当の地代に満たない場合の底地借地権割合により評価し、平成28年当時の相続税申告を行いました。
 結論として、土地の評価額2.2億、借地権価額1.5億(株価に加算)、底地評価0.7億でした。
 その後、この土地はXの子(次男)に相続されましたが、同族会社の株式については、Xの妻Yに相続されております。

◇ 令和6年9月に第二次相続(妻Yの死亡)が発生し、現在、被相続人Yの相続税申告を進めております。なお、現時点でも無償返還届出は提出されておりません。

《懸念点・質問事項》

①  借地権に関する認定課税リスクについて
 土地はすでに次男が所有しているため、相続税の対象ではありませんが、建物を所有する同族会社の株式は、被相続人Yの保有分が相続対象となります。
 この際、相当の地代に満たない借地権があるとして株式評価上の借地権相当額を加味する必要があると理解しておりますが、その際に認定課税を受けるリスクがあるかを懸念しております。平成28年当時の相続では認定課税はされませんでしたが、今回は問題ないでしょうか。

②  無償返還届出の提出による影響について
 無償返還届出について、すでに相続が発生している状況ではありますが、現所有者である次男の意思により今から無償返還届出を提出することは可能でしょうか。
 また、その場合、被相続人Yの相続において、相当の地代に満たない借地権の計算ではなく、借地権割合(20%)を加味した株価評価は可能になりますでしょうか。また、認定課税のリスクを回避できますでしょうか。

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居住用賃貸建物の取得・売却について

《質問》

 簡易課税を選択している法人です。
 コンサルをしている会社で、コンサルの売上は毎期1,500万円ほどです。
 今後、賃貸用不動産を購入予定です。

 購入の時に簡易課税を選択していたとします。
 翌々課税期間までに賃貸用不動産を売却した場合、簡易課税を取り下げて売却する課税期間は原則課税になっていたら、仕入税額控除は可能でしょうか。

 購入の時に簡易課税、翌々課税期間までには売却せず、それ以降に賃貸用不動産を売却した場合は、簡易課税のままのほうが有利という考えで合っていますか。

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