特定新規設立法人の特例(その3):「判定対象者」について

《質問》 

 特定新規設立法人の特例における判定対象者について質問します。

《概要》A個人・・B法人の株式を100%保有

 B法人・・C法人株式を100%保有、令和元年5月7日設立(4月決算)

 C法人・・令和元年8月5日設立(7月決算)

    <株式所有関係> は以下のとおりです。

    A個人⇒  100%  ⇒  B法人  ⇒  100%  ⇒  C法人

 新規設立法人B法人の納税義務の判定にあたり、特定新規設立法人の特例における判定対象者に C法人は含まれますか。

仮に、含まれるとすれば、第三判定(C法人のR1.8.5~R2.2.4の期間における課税売上高が5億円か否か) 次第では、B法人が課税事業者となることもあると考え、質問させていただくことにしました。

なお、質問者は、A個人がB法人を経由せずに、直接、C法人株式を100%保有するのであれば、C法人は「判定対象者」になると考えております。

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特定新規設立法人の特例(その2):新設1期目及び2期目の判定について

《質問》

 特定新規設立法人の特例における「他の者」(消費税法12条の3①)を個人甲とし、個人甲の特殊関係法人で消費税法施行令25条の4①の「判定対象者」をR社とした場合 新規設立法人S社が「特定新規設立法人」に該当するか否かを新設1期目及び同2期目ごとに説明してください。なお、R社及びS社の詳細は以下の通り。

・R社は甲が100%出資して令和元年10月10日設立(資本金900万円、8月決算)。令和2年8月期の課税売上高はおおよそ6億円となる見込。

・S社も甲の100%出資で令和2年10月1日設立(資本金500万円、9月決算)予定。

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特定新規設立法人の特例 (その1):「基準期間相当期間」について

《質問》

1. 個人甲は、平成30年2月14日に法人成りでA社(資本金700万円、1月決算)を立ち上げた。同社の設立1期の平成31年1月期の課税売上高は 3億円、 続く令和2年   1月期における課税売上高も4億円と順調に業績を上げ、上半期を終えたばかりの  令和  3年1月期の課税売上高(半期)は、コロナ禍の影響を受けることなく5億円超に達する見込みである。

2. 個人甲は、年号が変わる前後から、『新経営計画』の構想を練っており、その具体化の第1弾として、今秋10月1日に自らが全額出資してA社の兄弟会社となるB社(資本金500万円、9月決算)を新規設立すべく着々と準備を進めている。

3. 以上のことを前提とした場合、①B社は特定新規設立法人に該当するかどうか ②仮に、該当した場合、計画変更等により消費税の納税義務を免れることは可能かどうか についてご教示願いたい。

*質問の背景:個人甲は、イ  A社の設立に際し、基準期間のない課税期間は、問題なく免税事業者であると考えていたところ、設立2期に係る「特定期間」の関係で、想定外の納税義務が生じた(消費税法9条の2④)こと、ロ   新規設立予定のB社も、設立1期目から、億単位の課税売上高が見込まれることから、せめて、B社の設立1期目だけでも免税扱いを確保しておきたいと考え質問者が相談に及んだもの

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事前確定届出給与を無支給とした場合の問題点について

《質問》

 当社では今期業績が悪化したため、事前確定届出給与の支給を全額見送ることを検討しています。
 法人税基本通達9-2-14《事前確定届出給与の意義》において、届出額と実際支給額が異なる場合には「その支給額の全額が損金不算入になる」こととされていますが、事前確定届出給与を全額支給しない場合、税務上何か問題は生じないでしょうか。
 仮に「事前確定届出給与は決議の時点で支給が確定しているため、支給しない場合は法人側では給与債務に係る免除益が計上されるべき」とした場合、税務上は次のような仕訳が想定されます。
   (役員賞与) ××× (債務免除益) ×××
 このように考えると、届出通り支給されなかった役員賞与が損金不算入となった上に、債務免除益は益金算入され、さらに役員個人の側でも実際には受給を受けていない賞与について給与課税されてしまうなど、法人・個人双方で課税問題が生じるのではないかと懸念しています。実際はどうなのでしょうか。

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