老人ホーム入居後の特定居住用宅地の適用について その1

《前提》

・父が所有している土地の上に父と母が 1/2 ずつの所有権の建物があります。
その建物には父と母が居住していましたが、数年前に父は要介護状態になったため、老人ホームに入居しました。
・父が施設に入居したため、しばらく母は実家で一人暮らししていましたが、高齢の母が心配になり、生計別の長女が母の面倒を見るために、1年前から実家に戻ってきています。

《確認事項》

・老人ホーム特例では、被相続人が老人ホーム入居後に、新たに被相続人等(被相続人と老人ホーム入居直前に生計を一にし、かつ引き続き居住している親族を含む)以外の者の居住の用に供した場合には特定居住用宅地の適用ができないことになるかと思います。
・一方で母については、父が老人ホームに入居する前から現在まで継続して自宅に居住しています。
・もし現状で相続が開始した場合、母が土地を相続することにより特定居住用宅地として小規模宅地の特例の適用を受けることは可能でしょうか。それとも生計別の長女が新たに同居することになったため、母が相続した場合でも特定居住用宅地の特例は適用できなくなってしまうのでしょうか。
・また仮に母が特定居住用宅地の適用を受けることができる場合、その後母が介護施設に入居してしまった場合にも、母は特定居住用宅地の適用を受けることは可能でしょうか。

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特定新規設立法人の判定

《質問》

 株主Aが新規で法人を設立したのですが、設立時に株主Aが親族とで 100%所有している法人①とその100%子会社の法人②と法人③の 2 社あります。
 この場合法人②の売上が 経常的に5 億を超える場合、新規設立法人(資本金1,000万円未満)は特定新規設立法人に該当してしまうのでしょうか。

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相続税:海外に居住していた被相続人の葬式費用等

《前提事実》

・被相続人はアメリカと日本の両国に住所を有していたところ、アメリカで死亡した。
・死後数日経過後に日本に居住する家族がアメリカに渡航し、アメリカで葬儀を行い火葬した。
・その後、家族は遺骨を持って日本に帰国した後、手続きが重なり49日以降に日本で二回目の葬儀を行った。
 なお、この二回目の葬儀については死亡日から49日を経過していたため、葬儀屋からは「葬儀として受けることはできない」と言われ、やむなく「四十九日」として執り行った。(実際の内容としては葬儀だが、領収証などには葬儀であることの記載はない。)
・その後、日本国内に墓地(集合墓地のようなもの)を建て納めた。

《質問1》
葬儀費用として相続税の申告上控除できるか
(1)アメリカでの葬儀費用
(2)日本での葬儀費用

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相続税:永代供養料は葬式費用になるか

《質問》

 国内に居住するAさんは、令和6年5月27日に死亡した父(95歳)の葬儀に際して、菩提寺であるB寺に対して読経料30万円、戒名料70万円を支払いました。また、Aさんには将来財産や祭祀を承継する相続人がいない事情もあり、B寺に永代供養料として別途200万円を支払いました。相続税の申告に当たり、この永代供養料は葬式費用として債務控除できるでしょうか。

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