土地の譲渡契約後引渡し前に死亡した場合の譲渡所得及び相続税の申告について

《質問》

 母がH29年3月に亡くなりました。母は生前のH29年2月15日に所有していた土地の譲渡契約を済ませ、売却代金2,000万円のうち、400万円を受領していました。
 残金1,600万円の決済は引渡しが完了するH29年6月の予定でしたが、受取前に亡くなりましたので、相続人である私(長男)3/4と姉(長女)1/4が受け取りました(分割協議の通り)。
(1)この場合、相続財産としては、未収金1,600万円を計上予定ですが、それでいいでしょうか。なお、400万円は母の預金に入っていますので、その預金の残高証明に記載されています。
(2)この場合、母の準確定申告で譲渡所得を申告しようと思いますが、問題ないでしょうか。(母の譲渡所得、もしくは私3/4&姉1/4の譲渡所得とすべきと思いますが、母にすれば住民税がなくなると聞き、4ヶ月は経過してしまっていますが、母の準確定申告にしようと思います。)
(3)この場合、準確定申告の付表には、「相続分」=「指定」とし、各3/4と1/4の金額を納付すればよいでしょうか(法定の各1/2ではないので?)

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日当、宿泊費について

《前提》

 衣料品、小物の輸入販売の会社で、ご夫婦で経営されています。従業員はおらず年商1.5億円ほどの規模です。主に、イタリアから輸入しデパートに卸しますが、自ら仕入れる場合と仲介手数料をもらう場合があり、どちらにしても3か月に一度、約1か月間社長がイタリアに行き、現地の工場と交渉等を行います。

《質問》

 この度税務調査が入ることとなり、会計処理や各規定等を見直していたところ、出張の日当、宿泊手当てに関して不安を感じたのでご質問させていただきます。
会社には海外出張旅費規定があり、社長のヨーロッパ出張につきまして日当10,000円、宿泊費15,000円と定めております。なお、宿泊費は実費ではなく定額支給となっています。
 また、支度金として30日未満の出張は80,000円、30日を超える場合は100,000円を支給しております。日当と、宿泊費と支度金のすべてを同時に支払っており、税務調査に当たって不安を感じております。
 なお、30日間の出張となりますと、一回の出張(年数回あり)で総額850,000円を社長に支払っており、金額も大きくなるので不安に感じております。
 また、一般的な日当、宿泊費の相場はございますでしょうか?何か参考にさせて頂ければと思います。

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役員等に対する貸付利率について

《質問》

 現状、社長に対して①500万円(金利3.5%)②500万円(金利3.5%)③591万5千円(金利1.8%)の3本の貸付を行っているのですが、今回新たに600万円の貸付を行うにあたってこれらを1本化して欲しいといわれているのですが、全部まとめて2%の利息で貸し付けようと思うのですが、問題ありますでしょうか?
 また、専務に対しても同じく300万円を同時期に貸し付ける予定なのですが、こちらは社長に対する貸付の金利と同じでないと問題あるでしょうか?

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高額特定資産について

《質問》

 以前から引き続き消費税課税売上高が1,000万円以下であった3月期決算の免税事業者が、前々期(平成28年3月期)に不動産売却により初めて課税売上高が1,000万円を超えたため、当期(平成30年3月期)に課税事業者に該当することとなった。
 なお、平成29年3月期の課税売上は1,000万円を下回っている。
 当社は、住居用マンションを中心とする不動産賃貸業を営んでおり、課税売上割合はきわめて低いが、当課税期間については簡易課税の届出を行っておらず、一般課税事業者に該当する。
 また、当期に新規土地を取得し、賃貸用物件の建築を開始するにあたり、建築設計料1,200万円を支出する。
 もし、当該設計料について建設仮勘定として経理処理し、消費税法基本通達11-3-6に基づいて、当期の消費税申告においては仕入額控除の対象とせず、完成期の属する期間の課税仕入れとして扱う場合、自己建設高額特定資産の建設等に要した仕入れ等の支払対価の額の累計額1,000万円の判定において、当設計料を当期のうちに建設工事等のための課税仕入れ等の金額の中に含めなければいけないかどうかについてご教示ください。
 なお、当期の課税売上は1,000万円未満となる予定です。
当社は来期以降に不動産の売却を数件予定しているため、当該設計料を建設仮勘定に計上したうえで、来期に免税事業者とできるのであれば、平成32年3月期以降に係る簡易課税選択の届出をできないかと考えています。
 考察としては、施行令25の5において、当該累計額から免税期間および簡易課税適用期間の金額を除く旨の記載があることや、上記の建設仮勘定についての通達を鑑みると、判定の範囲内に含めないことは可能ではないかと考えておりますが、ご意見を伺えると幸いです。

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関係会社間の自己株式取得について

《前提》

 発行法人甲の発行済み株式5,200株のうち520株を有する乙法人が、その有する株式520株のすべてを発行法人甲に売却(甲法人の自社株買取)することとなりました。
 自己株式を適正に評価(法基通9-1-13及び14)し、これにより売買価格を決定すると、乙法人の売却にかかる税務仕分けは下記の通りとなります。

(現金)   14,685,453(関係会社株式)16,052,700・・・当初取得価格
(源泉税)    3,511,647   (みなし配当)17,197,100
(株式売却損)15,052,700

自己株式買取り直前の甲法人の株式保有状況は以下のとおりです。
キャプチャ

《質問》

① 100%グループである内国法人間での、所有株式を発行法人である内国法人に対して譲渡する場合には、その譲渡損益を計上しない(法法61の2⑯)とありますが、上記の株式保有状況から、甲法人・乙法人間は100%グループ関係にない(=故に売却損の計上可能)という判断でよろしいでしょうか。

② 法人が、発行法人による自己株式の取得が予定されている株式等を取得した場合において、その取得した株式等に係るみなし配当の額で、その予定されていた事由に基因して受け取るものについては、受取配当等の益金不算入の規定を適用しない(法23③)とありますが、甲法人・乙法人間の株式保有関係は本規定の創設された平成22年よりも前から(少なくとも平成18年から)しておりますので、本規定の「自己株式の取得が予定されていた」には当たらず、受取配当等の益金不算入を適用してよろしいでしょうか。

③ ②において、益金不算入の適用可となった場合、株式売却直前の株式保有割合が10%あるので、益金不算入額は「配当等の額 × 50%」(完全子会社株式、関連法人株式、非支配目的株式のいずれにも該当しない株式)でよろしいでしょうか。

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死亡後に受け取った終身医療保険の入院給付金等の課税上の取扱い

《質問》

 個人Aは肺炎で入院し、治療の甲斐なく死亡しました。
 加入していた終身医療保険から死亡後に死亡保険金、疾病入院給付金、退院給付金が支払われました。保険金・給付金の受取人はいずれも配偶者です。なお、保険料は被保険者のAが負担していました。
 死亡保険金について『みなし相続財産』として課税されることは理解していますが、相続税基本通達3-7によれば、「被保険者の疾病その他・・・・死亡を伴わないものを保険事故として支払われる保険金又は給付金は、被保険者の死亡後に支払われたものであっても、これに含まれない」と記載されています。今回のように死亡の原因となった病気に対する入院給付金や退院給付金は相続税の課税対象となるのでしょうか。また、所得税の課税はどのようになりますか。ご教示宜しくお願いします。

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住民登録上同一世帯となっている子に支払った給与は必要経費となるのか

《質問》

 個人事業を営んでいるAは、前妻との間にできた子Bに対し、事業に従事してもらった対価として給与各年100万円を支払っています。住民登録上は、AとBは同一世帯となっていますが、現実には隣町に住むAの祖父母の家に居住し、寝食を共にしています。この場合、給与はAの必要経費となり、従来から祖父(不動産所得者)の扶養親族としていませんが、更正の請求で扶養控除は認められるのでしょうか。実はAに対する調査において、給与として支払った額は必要経費として認められないと調査官から指摘されています。

《さくら税研からのアドバイス》

 税務上の『生計を一にする』とは、一般的には同一の生活共同体に属して日常生活の資を共通にしていることをいうものと解されています。したがって、必ずしも同一の家屋に起居していることを必要としません。仕事や勉学等の関係で別居していたとしても、常に生活費や学資金の送金が行われている場合は生計を一にすると取り扱っています。また、逆に同居していたとしても明らかに互いに独立した生活を営んでいれば、生計を一にしているとは言えません。しかしながら、事実上判断に迷う場合も少なくなく、所基通2-47⑵では親族が同一の家屋に起居していれば、「生計を一にする」と取り扱っています。
 質問の場合、住民登録上AとBは同一世帯となっているようですが、実際にはBと祖父は同居しているのですから、給与として支払っている金員が、勤務実態が無いなど生活費としての支払と認定がされない限り、Bは祖父の扶養親族となり扶養控除が認められますので更正の請求をすべきです。また、AとBは別生計ですので、支払った給与は所法56条(事業から対価を受ける親族がある場合の必要経費の特例)の適用を受けることなく、必要経費に算入されるべきものと考えられますので、調査官に十分に説明をする必要があります。

《参考法令》

【所得税基本通達】
(生計を一にするの意義)
2-47 法に規定する「生計を一にする」とは、必ずしも同一の家屋に起居していることをいうものではないから、次のような場合には、それぞれ次による。
(1) 勤務、修学、療養等の都合上他の親族と日常の起居を共にしていない親族がいる場合であっても、次に掲げる場合に該当するときは、これらの親族は生計を一にするものとする。
イ 当該他の親族と日常の起居を共にしていない親族が、勤務、修学等の余暇には当該他の親族のもとで起居を共にすることを常例としている場合
ロ これらの親族間において、常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合
(2) 親族が同一の家屋に起居している場合には、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、これらの親族は生計を一にするものとする。

【所得税法】
(事業から対価を受ける親族がある場合の必要経費の特例)
第五十六条 居住者と生計を一にする配偶者その他の親族がその居住者の営む不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業に従事したことその他の事由により当該事業から対価の支払を受ける場合には、その対価に相当する金額は、その居住者の当該事業に係る不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入しないものとし、かつ、その親族のその対価に係る各種所得の金額の計算上必要経費に算入されるべき金額は、その居住者の当該事業に係る不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入する。この場合において、その親族が支払を受けた対価の額及びその親族のその対価に係る各種所得の金額の計算上必要経費に算入されるべき金額は、当該各種所得の金額の計算上ないものとみなす。

公正証書遺言で全財産をユニセフに寄付する場合

《前提》

被相続人 A
相続人  Aの母、Aの兄

《質問》

Aが公正証書で全財産をユニセフに寄付との遺言を残しています。(約2億円)
Aの母には遺留分の放棄もしてもらってます。
基本的には母、兄には一切かかわりを持ちたくないということです。
遺言執行人はAの友人です。
執行人の報酬としては公正証書にて車(約300万円相当)と記されています。
そこで、まず、
① 相続税申告が必要であるか否か
② 必要な場合申告書の提出はだれが行うか
③ 遺言執行人の報酬について何らかの課税は発生するか
以上、ご教示ください。

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診療所で医療用機器を取得した場合の中小企業等経営強化法に基づく税制措置

《質問》

 私は内科医として診療所を開業しています。この度、新規に医療用機器(器具備品)を取得し、設備の刷新を図りたいと考えています。このような場合、友人から中小企業等経営強化法に基づく支援措置である特別償却や税額控除等の適用があると聞きましたが、受けられるのでしょうか。

《さくら税研からのアドバイス等》

【結論】
 医療業を行っている事業者が医療用機器を取得しても、中小企業等経営強化法に基づく優遇措置である特別償却や税額控除は受けられません。

 【制度解説】
平成29年3月31日の適用期限となった特定生産性向上設備等に係る措置に代わり、次の措置が講じられています。すなわち、青色申告書を提出する①中小企業者等が、②指定期間内に、③中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づき④適用対象資産を新規取得等して、⑤指定事業用に供した場合、即時償却又は取得価額の10%(又は7%)の税額控除を選択適用することができる措置です(措法10の5の3、42の12の4)。また、固定資産税(償却資産)については3年間にわたり1/2に軽減される措置もあります(地方税法附則15 ㊸)。
 特別控除又は税額控除を受ける条件の概要は次のとおりです。
①「中小企業者等」とは、資本金等が1億円以下の法人等や常時使用する従業員数が1,000人以下の個人です。
②「指定期間」とは、平成29年4月1日から平成31年3月31日までの期間です。
③「中小企業等経営強化法の認定」とは、経営力を向上させるための計画を事業別の主務大臣宛に原則として設備取得前(取得日から60日までの間でも可)に申請し認定を受ける必要があります。
④「適用対象資産」は、次のとおりです。
 ア【生産性向上設備 A類型】一定期間内に販売されたモデルで、経営力向上要件(生産効率、エネルギー効率、精度等の生産性指標が旧モデル比で年平均1%以上向上しているもの)を満たす減価償却資産(機械装置、工具、器具備品、建物附属設備、ソフトウェア)で、同要件を満たすことについて設備のメーカーを通じて工業会等から証明書を取得します。

減価償却資産の種類 対象となるものの用途又は細目 最低価額(1台又は一の取得価額 販売開始時期
機械装置 全て 160万円以上 10年以内
工具 測定工具及び検査工具 30万円以上 5年以内
器具備品 全て(医療機器にあっては、医療保健業を行う事業者が取得又は製作するものを除く。電子計算機については、情報通信業のうち自己の電子計算機の情報処理機能の全部又は一部の提供を行う事業を行う法人が取得又は製作するものを除く。) 30万円以上 6年以内
建物附属設備 全て(医療保健業を行う事業者が取得又は建設をするものを除く。 60万円以上 14年以内
ソフトウェア 設備の稼働状況等に係る情報収集機能及び分析・指示機能を有するもの(複写して販売するための原本・開発研究用のもの、サーバー用OSのうち一定のものは除く。) 70万円以上 5年以内

 イ【収益力向上設備 B類型】投資計画上の投資収益率が年平均5%以上となることについて経済産業大臣の確認を受けた投資計画に記載された減価償却資産(機械装置、工具、器具備品、建物附属設備、ソフトウェア)です。投資計画について所轄の経済産業局から確認書を受けます。

減価償却資産の種類  対象となるものの用途又は細目
機械装置 全て 160万円以上
工具 全て 30万円以上
器具備品 全て(医療機器にあっては、医療保健業を行う事業者が取得又は製作するものを除く。電子計算機については、情報通信業のうち自己の電子計算機の情報処理機能の全部又は一部の提供を行う事業を行う法人が取得又は製作するものを除く。) 30万円以上
建物附属設備 全て(医療保健業を行う事業者が取得又は建設をするものを除く。 60万円以上
ソフトウェア 全て(複写して販売するための原本・開発研究用のもの、サーバー用OSのうち一定のものは除く。) 70万円以上

⑤「指定事業」とは、措法42の6(中小企業投資促進税制 中小企業等が機械等を所得した場合)又は措法42の12の3(商業・サービス業・農林水産業活性化税制 特定中小企業者が経営改善設備を取得した場合)の指定事業です。

【質問に対する解説】
 上記④の【生産性向上設備 A類型と収益力向上設備 B類型】記載の表のとおり、いずれの場合も医療保健業を行う事業者が取得する器具備品は、「適用対象資産」から除外されていますので、質問の場合のように診療所を経営する者が医療用機器を取得してもこの優遇措置の適用はありません。
 また、取得する医療機器が機械装置に該当するのであれば上記各表の「対象となるものの用途又は細目」での制限はありませんので優遇措置の適用が受けられるのではないかとの疑問が生じますが、例えばCTスキャンやエコー(超音波検査装置)等の医療機器は、「器具及び備品」に該当し、「機械及び装置」には該当することはありませんので、特別償却又は税額控除の適用はできません(国税庁ホームページ 質疑応答事例『中小企業者等が取得をした医療機器の中小企業投資促進税制の適用について』、国税不服審判所裁決事例 平成19年10月30日)。

【固定資産税に係る措置
 固定資産税の特例の対象設備は上記と異なり次表のとおり、器具備品や建物附属設備の「対象となる用途又は細目」での制限はありませんが、対象業種についての地域制限があり、所在地が埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府となる場合には地域別の業種リストにおける対象業種に該当するかどうかを確認する必要がありますので注意が必要です。ちなみに、医療業が適用除外となっているのは、東京都だけです。

減価償却資産の種類 対象となるものの用途又は細目 最低価額(1台又は一の取得価額 販売開始時期
機械装置 全て 160万円以上 10年以内
工具 測定工具及び検査工具 30万円以上 5年以内
器具備品 全て 30万円以上 6年以内
建物附属設備 全て(償却資産として課税されるものに限る。) 60万円以上 14年以内

《参考条文等》

【租税特別措置法】

(中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除)
第四十二条の十二の四 中小企業者等(第四十二条の六第一項に規定する中小企業者等又は前条第一項に規定する政令で定める法人で青色申告書を提出するもののうち、中小企業等経営強化法第十三条第一項の認定(以下この項において「認定」という。)を受けた同法第二条第二項に規定する中小企業者等に該当するものをいう。以下この条において同じ。)が、平成二十九年四月一日から平成三十一年三月三十一日までの期間(次項において「指定期間」という。)内に、生産等設備を構成する機械及び装置、工具、器具及び備品、建物附属設備並びに政令で定めるソフトウエアで、同法第十三条第四項に規定する経営力向上設備等(経営の向上に著しく資するものとして財務省令で定めるもので、その中小企業者等のその認定に係る同条第一項に規定する経営力向上計画(同法第十四条第一項の規定による変更の認定があつたときは、その変更後のもの)に記載されたものに限る。)に該当するもののうち政令で定める規模のもの(以下この条において「特定経営力向上設備等」という。)でその製作若しくは建設の後事業の用に供されたことのないものを取得し、又は特定経営力向上設備等を製作し、若しくは建設して、これを国内にある当該中小企業者等の営む事業の用(第四十二条の六第一項に規定する指定事業の用又は前条第一項に規定する指定事業の用に限る。以下この条において「指定事業の用」という。)に供した場合には、その指定事業の用に供した日を含む事業年度(解散(合併による解散を除く。)の日を含む事業年度及び清算中の各事業年度を除く。次項及び第九項において「供用年度」という。)の当該特定経営力向上設備等の償却限度額は、法人税法第三十一条第一項又は第二項の規定にかかわらず、当該特定経営力向上設備等の普通償却限度額と特別償却限度額(当該特定経営力向上設備等の取得価額から普通償却限度額を控除した金額に相当する金額をいう。)との合計額とする。
2 中小企業者等が、指定期間内に、特定経営力向上設備等でその製作若しくは建設の後事業の用に供されたことのないものを取得し、又は特定経営力向上設備等を製作し、若しくは建設して、これを国内にある当該中小企業者等の営む指定事業の用に供した場合において、当該特定経営力向上設備等につき前項の規定の適用を受けないときは、供用年度の所得に対する調整前法人税額(第四十二条の四第八項第二号に規定する調整前法人税額をいう。以下第四項までにおいて同じ。)からその指定事業の用に供した当該特定経営力向上設備等の取得価額の百分の七(中小企業者等のうち政令で定める法人以外の法人がその指定事業の用に供した当該特定経営力向上設備等については、百分の十)に相当する金額の合計額(以下この項及び第四項において「税額控除限度額」という。)を控除する。この場合において、当該中小企業者等の供用年度における税額控除限度額が、当該中小企業者等の当該供用年度の所得に対する調整前法人税額の百分の二十に相当する金額(第四十二条の六第二項及び前条第二項の規定により当該供用年度の所得に対する調整前法人税額から控除される金額がある場合には、当該金額を控除した残額)を超えるときは、その控除を受ける金額は、当該百分の二十に相当する金額を限度とする。

〔国税庁ホームページ 質疑応答事例より〕

中小企業者等が取得をした医療機器の中小企業投資促進税制(租税特別措置法第42条の6)の適用について

【照会要旨】
 中小企業者等に該当する病院を経営する法人が、診療用又は治療用として取得をし、事業の用に供した超音波診断装置、人工腎臓装置、CTスキャナ装置、歯科診療用椅子などの医療機器は、租税特別措置法第42条の6(中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除)の対象資産に該当しますか。

【回答要旨】
 これらの医療機器は、「器具及び備品」に該当し、「機械及び装置」には該当しないため、中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除の規定の適用はありません。
(理由)
本制度の対象資産は次のとおりとされています。
1 機械及び装置
2 測定工具及び検査工具(電気又は電子を利用するものを含みます。)
3 特定の器具及び備品(※)
4 一定のソフトウェア
5 車両総重量3.5トン以上の貨物運送用の普通自動車
6 内航海運業の用に供される船舶

※ 電子計算機及びインターネットに接続されたデジタル複合機(いずれも一定の要件を満たすものに限ります。)並びに試験又は測定機器が対象とされています。

 照会要旨の超音波診断装置、人工腎臓装置、CTスキャナ装置、歯科診療用椅子などの医療機器は、耐用年数省令別表第一の「器具及び備品」のうち「8 医療機器」に該当し、上記1の「機械及び装置」には該当しません。また、上記26に掲げる資産のいずれにも該当しないため、この規定の適用はありません。

【関係法令通達】
租税特別措置法第42条の6
租税特別措置法施行令第27条の6
租税特別措置法施行規則第20条の3
減価償却資産の耐用年数等に関する省令別表第1
耐用年数の適用等に関する取扱通達2-7-13

平成30年 確定申告直前 誤りやすい事例の ポイント解説(消費税:個人事業者用)

【納税義務者】

チェック(1) 基準期間の課税売上高の判定
    ● 基準期間が免税事業者である場合:消基通1-4-5
    ● 基準期間中に事業用資産(賃貸用住宅)を譲渡した場合
     ⇒建物と土地等の一括譲渡のケース 消基通10-1-5
    ● 基準期間の中途で新たに事業を開始した場合:消基通1-4-9
     基準期間が1年でない法人(消法9②二)と相違する点に留意
    ● 輸出免税売上高:消基通1-4-2
    ● 非居住者が日本国内で商品販売を行う場合:消基通5-1-11
    ● 法人成り(法人に引き継いだ事業用資産の譲渡対価)

チェック(2) 相続があった場合の納税義務の免除の特例
    ● 相続があった年の前々年の課税売上高が1,000万円以下である相続人
     が、課税事業者である被相続人の事業を承継したとき
     ①相続のあった年(消法10①)
     ②相続があった年の翌年と翌々年(消法10②)
    ● 被相続人が2以上の事業場を有していた場合で、2人以上の相続人が各
     事業場ごとに分割して承継したとき(消法10③)

チェック(3) 特定期間における課税売上高による納税義務の免除の特例
    ● 特定期間の中途で開業した場合の課税売上高(消法9の2④一)
     ※前年の1月1日から6月30日まで(個人事業者の特定期間)の
     課税売上げで判定。参照法人の特定期間(消法9の2④二、三)
    ● 特定期間中に支払った給与等支払額の範囲:消基通1-5-23

チェック(4) 高額特定資産を取得した場合納税義務の免除の特例(消法12の4)
    ● 平成28年4月1日以後に高額特定資産の仕入れを行ったが、同年分の課
     税売上高が1,000万円を超えなかった場合
    ● 平成28年4月1日以後に自己建設高額特定資産について、建設等に要し
     た費用の額が税抜1,000万円以上となった日の属する課税期間の課税売
     上高が1,000万円を超えなかった場合

【非課税取引】

チェック(1) 土地の貸付け
    ● 土地の貸付けに係る期間が1月に満たない場合:消基通6-1-4
    ● 土地の貸付期間の判定:同上
    ● 土地付建物等の貸付け: 消基通6-1-5
     ⇒ 更地のままの貸付け
     ⇒ 貸付け等に係る対価を建物分と土地分とに区分しているとき

チェック(2) 土地等の譲渡又は貸付けに係る仲介手数料:消基通6-1-6

チェック(3) 郵便切手類の譲渡
    ● 購入していた印紙を、金券ショップに売却した場合:消基通6-4-1

チェック(4) 物品切手等の発行
    ● 酒類小売店において、ビール券と引き換えにビールを販売した場合
                      :消基通6-4-5 同9-1-22

チェック(5) 住宅の貸付け関係
    ● 用途変更の場合の取扱い:消基通6-13-8
     住宅以外の用途に変更することについて
      ⇒ 契約当事者間で契約変更をした場合
      ⇒ 契約変更なしに賃借人において事業の用に供した場合

チェック(6) 平成29年度改正事項
    ● 仮想通貨の譲渡に係る課税関係の見直し
      ⇒ 非課税とされる支払手段に類するものの範囲に、資金決済に
      関する法律に規定する仮想通貨を加える(消令9④、48②一)

《適用関係》
 平成29年7月1日以後に国内において事業者が行う資産の譲渡等及び課税仕入れについて適用し、施行日前に国内において事業者が行った資産の譲渡等及び課税仕入れについては従前の例による(改正消令附則2)。
 ただし、①施行日の前日に100万円以上(税抜き)の仮想通貨を有しており、かつ、②施行日前1月間の平均保有数量に比べ、施行日前日の保有数量が増加している場合には、当該増加分の課税仕入れに係る消費税額については、仕入税額控除を認めない(改正消令附則8)。

【課税の対象】

チェック(1) 事業としての意義
    ● 事業規模に達していない建物(居住用は除く。)の賃貸収入
    〈例〉建物一棟を業務用として反復、継続、独立して賃貸している場合
                            :消基通5-1-1

チェック(2) 付随行為:消基通5-1-7
    ● 事業用車両を売却(下取り)した場合

チェック(3) 自家消費等における対価:消基通10-1-18
    ● 棚卸資産を家事消費した場合

チェック(4) 法人成り
    ● 現物出資により事業用資産を法人に引き継いだ場合
             :消法2①八、消令2①二、同令45②三

チェック(5) 借家保証金、権利金等:消基通5-4-3
    ● 賃貸借契約上賃貸借の終了時に返還される保証金等を受領した場合

チェック(6) 前受金、仮受金に係る資産の譲渡等の時期:消基通9-1-27
    ● 所得税法第67条(小規模事業者の収入及び費用の帰属時期)の適用を
     受けない場合
     <参照> 課税仕入れを行った日の意義(消基通11-3-1)

チェック(7) 自家消費等における対価:消基通10-1-1、同10-1-18
    ● 棚卸資産以外の事業用資産を家事消費した場合

【課税標準】

チェック(1) 課税資産の譲渡等の対価の額:消基通10-1-1
    ● 棚卸資産を通常より安い値段で他に販売(次の場合を除く)した場合
    ● 保有する棚卸資産又は事業用資産の家事消費又は家事使用した場合

チェック(2) 課税資産の譲渡等に際しての資産の下取り:消基通10-1-17

チェック(3) 委託販売等に係る手数料:消基通10-1-12
    ● 委託販売等における委託者と受託者それぞれに係る課税標準

チェック(4) 売上げに係る対価の返還等の処理:消基通14-1-8

【課税仕入れ】

チェック(1) 費途不明の交際費等:消基通11-2-23
    ● 接待交際費勘定中に、費途が明らかでないものや、贈答用に購入
     した商品券及びビール券の購入代金が含まれている場合

チェック(2) 個人事業者と給与所得者の区分(消法2①十二)
    ● 課税仕入れに該当する(事業所得)か 否(給与所得)かの判定
    <参考>
      ⇒ 消基通1-1-1に示された事項を総合勘案して判定
      ⇒ 課税当局の資料:「法人税課速報(源泉所得税関係)【給
     与所得と事業所得との区分】東京国税局平成15年7月
     第28号」・・・情報公開法9条1項による開示情報

チェック(3) 会費、組合費等:消基通5-5-3
     ⇒ 同業者団体、組合等に対して支払う通常会費
     ⇒ 会費名目で支払われる出版物の購読料、職員研修の受講料など

チェック(4) 家事共用資産の取得:消基通11-1-4
     ⇒ 当該資産の家事消費又は家事使用に係る部分の計算方法
     ⇒ 当該資産を一時的に家事使用した場合
     <参照> 家事共用資産の譲渡(消基通10-1-19)

チェック(5) 従業員の通勤手当:消基通11-2-2
    ● 通勤に通常必要と認められる金額ではあるが、所得税法上の非課税
     限度額を超えている場合

チェック(6) 課税仕入れ等に係る消費税額の控除(消法30②)
     ⇒ 当課税期間における課税売上割合及び課税売上高の把握
     ⇒ 当課税期間が1年に満たない場合
     ⇒ 課税売上割合の端数計算(処理):消基通11-5-6

チェック(7) 一括比例配分方式の2年以上の継続適用:消基通11-2-21
    ● 一括比例配分方式を採用した課税期間の翌課税期間の課税売上高が5億
     円以下かつ課税売上割合が95%以上となった場合の「全額控除」

チェック(8) 更正の請求の可否(通則法23①)
    ● 一括比例配分方式を選択して確定申告した後の個別対応方式への変更

【控除対象仕入税額の調整】

チェック(1) 免税事業者が翌課税期間は課税事業者となる場合
    ● 棚卸資産に係る控除対象仕入税額の調整:消基通12-6-1
    ● 免税事業者時の課税売上げに係る翌課税期間中の値引・返品

チェック(2) 課税事業者が翌課税期間は免税事業者となる場合
    ● 棚卸資産に係る控除対象仕入税額の調整:消基通12-6-4

【簡易課税制度】

チェック(1) 簡易課税不適用届出書の提出時期

チェック(2) 固定資産等の売却収入の事業区分:消基通13-2-9
    ● 小売業を営む課税事業者が事業用固定資産を売却した場合
    ● みなし仕入率の計算の特例(75%ルール)の有無

チェック(3) 75%ルールの判定
    ● 酒類小売業及び卸売業を営む課税事業者のビール券売上げ
    ● 75%ルール判定時の端数処理

チェック(4) 食料品小売店舗において行う販売商品の加工等の取扱い
    ● 精肉(鮮魚)の小売業(第2種)を営む課税事業者が焼鳥、ロースト
     チキン(かつおのたたき、焼魚)等に加工販売している場合
                 :消基通13-2-2、同13-2-3

チェック(5) 小売店が販売したものの購入者が他の事業者であった場合(消令57⑥)

チェック(6) 塗装工事業の判定:消基通13-2-4
     ⇒ 塗料等の資材を自ら調達する事業形態
     ⇒ 他人が調達した塗料を塗装する(加工賃)だけの事業形態

チェック(7) 無償で譲り受けたものを事業者に販売している場合(消令57⑥)

チェック(8) 加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供の意義
    ● 農作業受託金(農業従事者が他の農業従事者の田植え、稲刈り等を
     手伝い、得た収入金):消基通13-2-7

チェック(9) 簡易課税制度適用者の基準期間の課税売上高が6,000万円となった
     場合

チェック(10) 相続があった場合の納税義務の免除の特例と簡易課税制度の適用
    ● 「簡易課税制度選択届出書」を提出している事業者が、平成27年中に
     相続により被相続人の事業を引き継いだ場合、基準期間(平成27年)
     の相続人と被相続人の課税売上高の合計額が5,000万円超のとき(相
     続人のみの課税売上高は5,000万円以下)の簡易課税制度適用の可否

チェック(11) 簡易課税制度選択届出書の効力:消基通13-1-3
    ● 簡易課税制度を適用している事業者が、免税事業者となった後、再び
     課税事業者になった場合

【その他の誤りやすいポイント】

➣ 課税事業者が、免税事業者であった課税期間に発生した売掛金等につ
  き貸倒れが生じたので、消費税額から控除している。

➣ 消費税の控除不足税額のある還付申告書が提出されたが、明細書の添
  付がないにもかかわらず、消費税の還付を行っている。

➣ 課税期間の短縮(3か月)の適用を受けていた事業者が、平成29年1月
  20日に不適用届出書を提出し、平成29年1月1日から原則的な課税期間
  に戻すこととしている。

➣ 各年分の修正申告により納付すべきこととなった消費税を、その各年
  分の所得の計算において租税公課に算入した。

➣ 小包郵便物でまとめて提出された「消費税課税事業者選択届出書」、
 「消費税簡易課税制度選択届出書」の提出日を通信日付によるとして
  いる。