土地等の評価・計6回《第5回》

【土地等の評価】《第5回》

Ⅴ 貸宅地の評価

 借地権等が設定されている宅地(貸宅地)については、これらの権利の価額に相当する減価が生じていると考えられることから、評価通達では、貸宅地の評価に当たっては、その宅地の自用地としての価額から設定されている権利の価額を控除して評価することとしています。

(1)普通借地権の目的となっている宅地の評価(評価通達25(1))
 「普通借地権の目的となっている宅地」は、次の算式により評価します。

キャプチャ

相当の地代を収受している貸宅地の評価等(個別通達)
 土地を同族会社に賃貸する場合等において普通借地権の設定に当たり権利金の授受に代えて相当な地代を支払うことが約定されるなど特殊な場合の評価方法等については、以下の個別通達があります。
○ 相当の地代を収受している貸宅地の評価について(昭和42年12月5日)
○ 相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて(昭和60年6月5日)

○質疑応答事例【複数の地目の土地を一体利用している貸宅地等の評価】

(2)定期借地権の目的となっている宅地の評価(評価通達25 (2))
「定期借地権の目的となっている宅地」は、次の算式により評価します。

   キャプチャ2

一般定期借地権の目的となっている宅地の評価(簡便法)
 借地借家法第22条に規定する「一般定期借地権」の目的となっている宅地については、次の個別通達により、課税上弊害がない限り、評価通達による原則評価に代えて、「底地割合」を基として評価することとしています。
○一般定期借地権の目的となっている宅地の評価に関する取扱いについて(平成10年8月25日)

○質疑応答事例【一般定期借地権の目的となっている宅地の評価一簡便法(1)】
       【一般定期借地権の目的となっている宅地の評価一簡便法(2)】

(3)地上権の目的となっている宅地の評価(評価通達25 (3))
 「地上権の目的となっている宅地」(注)は、次の算式により評価します。

キャプチャ3

(注)建物所有を目的とする地上権の目的となっている宅地は、上記1の「普通借地権の目的となっている貸宅地」又は上記2の「定期借地権の目的となっている貸宅地」として評価することになります。

(4)区分地上権の目的となっている宅地の評価(評価通達25 (4))
 「区分地上権の目的となっている宅地」は、次の算式により評価します。

キャプチャ4

○質疑応答事例【区分地上権の目的となっている宅地の評価】

(5)区分地上権に準ずる地役権の目的となっている宅地の評価(評価通達25 (5))
 「区分地上権に準ずる地上権の目的となっている宅地」は、次の算式により評価します。

キャプチャ6

○質疑応答事例【区分地上権に準ずる地役権の目的となっている宅地の評価】

 

Ⅵ 借地権等の評価

 評価通達9に定める土地の上に存する権利のうち、宅地の上に存する権利としては、①普通借地権、②定期借地権、③地上権、④区分地上権及び⑤区分地上権に準ずる地役権の5種類があり、これらの権利の評価方法について説明します。

(1)普通借地権の評価(評価通達27)
 「普通借地権」(注1)は、次の算式により評価します。

自用地としての価額 × 借地権割合(注2) = 普通借地権の評価額

(注)1 借地借家法(平成3年法律第90号)の制定(平成4年8月1日施行)により認められた一般の借地権(借地借家法第2条)は、「普通借地権」といわれています。また、借地借家法の施行前に成立している既存の借地権については、従前の取扱いが適用されます(同法附則第4条ただし書)。
 評価通達では、これら2種類の借地権をいずれも建物の所有を目的とする地上権又は賃借権である「借地権」として取り扱っています。
2 借地権割合は、路線価地域においては路線価図でAからGまでの記号により、倍率地域においては評価倍率表でパーセントにより表示されています。

(2)定期借地権の評価(評価通達27-2)
 定期借地権制度は、その種類と設定期間との組み合わせにより多種多様な借地契約の設定が想定され、借地契約の内容も、地代額の設定から権利金・保証金の支払いの有無(多寡)にいたるまで、極めて個別性が強く、また、借地契約の更新がなく契約終了により確定的に借地関係が終了することから、借地契約の残存期間の長短によって定期借地権の価額は異なることになります。
 上記を踏まえ、評価通達では簡便法として、「定期借地権設定時において借地人に帰属する経済的利益の総額」を基に、「課税時期における残存期間」を考慮して、次の算式により定期借地権の価額を算定します。

キャプチャ7

キャプチャ8

「定期借地権設定時に借地人に帰属する経済的利益の総額」の求め方
 定期借地権設定時に借地人に帰属する経済的利益には、①借地契約終了の時に返還を要しない権利金などの一時金の支払いに伴う前払地代、②借地契約終了の時に返還を必要とするが、無利息又は低利で預託される保証金に伴う前払地代、③地代が低額で設定されたことに伴う差額地代があります。
 なお、具体的な計算方法は、評価通達27-3 に定められています。
「基準年利率」及び「複利年金現価率」
 各年月の基準年利率及び各利率に係る複利年金現価率等については、国税庁ホームページの法令解釈通達(財産評価関係:個別通達)の「平成○年分の基準年利率について」で公表されています。

(3)地上権の評価(相続税法23)
 「地上権」(注)は、次の算式により評価します。

キャプチャ9

(注)地上権は、他人の土地において工作物又は竹木を所有するためにその土地を使用する権利(民法第265条)をいいますが、建物所有を目的とする地上権は「借地権」に該当しますので、上記1の「普通借地権」又は上記2の「定期借地権」として評価することになります。

(4)区分地上権の評価(評価通達27-4)
 民法269条の2の規定による地上権は、工作物の所有を目的とし、土地の一定層を客体として設定されるものであり、「区分地上権」と呼ばれています。
 この区分地上権は、通常、鉄道や道路のためのトンネルの所有を目的とするものが多く、この場合には、国土交通省が中心となって設けている中央用地対策連絡協議会理事会が定めた「公共用地の取得に伴う損失補償基準細則」に定める「土地利用制限率算定要領」を基として補償金が支払われているのが現状です。
 このような現状を踏まえ、区分地上権は、次の算式により評価します。

キャプチャ10

 なお、設定事例が最も多い地下鉄等のトンネルの所有を目的とする場合の区分地上権の割合は、過去の補償金の支払事例等から、30%とすることができます。
【地下鉄等のトンネルの所有を目的とする区分地上権の評価(簡便法)】
キャプチャ11

(5)区分地上権に準ずる地役権の評価(評価通達27-5)
 「区分地上権に準ずる地役権」とは、特別高圧架空電線の架設等を目的として、地下又は空間について上下の範囲を定めて設定されたもので、建造物の設置を制限するものとされています(地価税法施行令第2条第1項)。
 このような地役権は、区分地上権と同じ内容(効果)をもつものであり、地役権設定に当たり支払われる保証金も、区分地上権の場合と同様に、「土地利用制限率算定要領」を基として補償金が支払われているのが実情です。
このため、「区分地上権に準ずる地役権」は、区分地上権と同様に、次の算式により評価します。
キャプチャ212
 なお、「区分地上権に準ずる地役権」は、建造物の設置を制限するものであることから、家屋に対する建築制限の強弱に着目し、①家屋の建築が全くできない場合には50%又は借地権割合のいずれか高い割合を、②家屋の建築ができるとしても、その構造、用途等に制限を受ける場合には30%の割合を、基にして評価することができます。
                        特別高圧架空電線
区分地上権に準ずる地役権が存する土地 キャプチャ13
                    鉄塔          鉄塔

【「区分地上権に準ずる地役権」の評価(簡便法)】
キャプチャ14

 

Ⅶ 貸家建付地等の評価

(1)貸家建付地の評価(評価通達26)
 貸家の借家人は家屋に対する権利を有するほか、その家屋の敷地(貸家建付地)についても、家屋の賃借権に基づいて、家屋の利用の範囲内で、ある程度の支配権を有していると認められ、逆にその範囲において、地主(貸家建付地の所有者)は、利用についての受忍義務を負うこととなります。
 そのため、借家人の有する支配権を消滅させるためには、いわゆる立退料の支払いを要する場合もあり、また、その支配権が付着したままの状態でその土地(貸家建付地)を譲渡するとした場合には、支配権が付着していないとした場合における価額より低い価額でしか譲渡できない場合もあります。
 そこで、貸家建付地の価額は、自用地としての価額から借地権割合と借家権割合(30%)の相乗積を乗じて計算した価額を控除した価額によって評価することとしています。
 また、アパートや貸ビルの一部に賃貸の用に供されていない部分がある場合には、上記の考え方に基づき、課税時期において現実に貸し付けられている部分の割合を賃貸割合と定め、次の算式により、貸家建付地の評価額を求めることとしています。
キャプチャ15
(注)1 借家権割合は、評価倍率表の「借家権割合」の欄に記載してあり、当局管内6県の借家権割合は、全て30%です。
2 賃貸アパートなど、その貸家に係る各独立部分がある場合の賃貸割合は、次の算式により計算します。
キャプチャ16

※ 賃貸割合の算定に当たって、「継続的に賃貸されてきたもので、課税時期において一時的に賃貸されていなかったと認められる各独立部分」がある場合には、その各独立部分の床面積を、賃貸されている各独立部分の床面積(B)に加えて賃貸割合を計算して差し支えありません。
 なお、「継続的に賃貸されてきたもので、課税時期において一時的に賃貸されていなかったと認められる」かどうかは、その部分が
① 各独立部分か課税時期前に継続的に賃貸されてきたものかどうか、
② 賃借人の退去後速やかに新たな賃借人の募集が行われたかどうか、
③ 空室の期間、他の用途に供されていないかどうか、
④ 空室の期間が課税時期の前後の例えば1か月程度であるなど一時的な期間であったかどうか、
⑤ 課税時期後の賃貸が一時的なものではないかどうか、
などの事実関係から総合的に判断します。

○質疑応答事例【貸家が空き家となっている場合の貸家建付地の評価】
       【貸家建付地等の評価における一時的な空室の範囲】

(2)貸家建付借地権等の評価(評価通達28~31)

キャプチャ17

土地等の評価・計6回《第4回》

【土地等の評価】《第4回》

Ⅳ 特殊な状況における宅地の評価

(1)私道の用に供されている宅地の評価(評価通達24) 
 道路は、公的な主体が設置し維持管理している道路(公道)と、私人が設置し維持管理している道路(いわゆる私道)とに分けられます。
 そして、私道には、①公共の用に供するもの(通り抜け道路のように不特定多数の通行の用に供されている道路と、②そうでないもの(袋小路のように、専ら特定の者の用に供する行き止まり道路)とがあります。
 ①の私道は、もはや私有物として勝手な処分ができるものではないので、このような私道の価額は、評価しないこととしています(評価通達24後段)。
 一方、②の私道は、その使用収益にある程度の制約はありますが、私有物として所有者の意思に基づく処分の可能性は残されています。このようなことから、②の私道の評価は、次の算式により評価することとしています。

私道でないものとした場合の価格 × 30% = ②の私道の評価額

(注)専用利用している路地状敷地については私道としての評価は行いません(下記質疑応答事例【私道の用に供されている宅地の評価】を参照してください。)。

○質疑応答事例【私道の用に供されている宅地の評価】
       【不特定多数の者の通行の用に供されている私道】

(2)土地区画整理事業施行中の宅地の評価(評価通達24-2)

イ 評価通達における評価方法
 土地区画整理事業が施行されている地域にある宅地で、仮換地の指定がされている宅地の評価方法は、次のとおりとなっています。
(イ)原則
 仮換地の価額で評価します。
(ロ)例外
 仮換地が指定されている場合であっても、次のいずれにも該当する場には、従前地の価額により評価します。
① 仮換地について使用又は収益を開始する日(仮換地の指定の効力発生日)を別に定めるとされているため、仮換地について使用又は収益を開始することができないこと
② 仮換地の造成工事が行われていないこと

ロ 路線価図及び評価倍率表への表示(関東信越国税局における取扱い)
 土地区画整理事業が施行中の区域については、路線価図及び評価倍率表に「個別評価」と表示がされています。
 相続税又は贈与税の申告に際し、「個別評価」と表示されているため評価することができない場合は、その土地等を評価するための路線価等を納税義務者からの申出に基づき回答しています。

ハ 個別評価申出書
 「個別評価申出書」に「個別評価により評価する土地等の所在地、状況等の明細書」、「個別評価申出書添付資料一覧表」及び物件案内図、地形図、道路の状況がわかる写真等の資料を添付して、評定担当署宛てに提出してください。
 したがって、路線価図等において、「個別評価」と表示されている宅地については、個別評価申出書を提出し、税務署長から回答のあった路線価や倍率に基づいて評価額を算定することとなります。
※「個別評価申出書」の様式は、関東信越国税局ホームページに掲載されています。

(3)造成中の宅地の評価(評価通達24-3)
 農地に土を盛ったり、山林を切り崩したり、池沼を埋め立てたりして宅地を造成する場合がありますが、課税時期において造成中の宅地は、次の算式により評価します。
キャプチャ4
(注)課税時期までに投下した費用の額を課税時期の価額に引き直した額の合計額です。

(4)農業用施設用地の評価(評価通達24-5)
 農業振興地域の整備に関する法律(以下「農振法」といいます。)に規定する農用地区域内又は都市計画法に規定する市街化調整区域内の「農業用施設用地(注)の価額は、次の算式により評価します。
(注)「農業用施設用地」とは、畜舎、蚕室、温室、農産物集出荷施設、農機具収納施設など農振法第3条第3号及び第4号に規定する施設の用に供されている宅地をいいます。
キャプチャ5
(注1)「農地であるとした場合の1㎡当たりの価額」は、倍率地域であれば、基準とすべき付近の農地の地目(田、畑)及びその固定資産税評価額を確認し、その固定資産税評価額にその地目の倍率を乗じて求めます。
(注2)農業用施設用地の評価に係る宅地造成費は、市街地農地等の評価に係る宅地造成費の金額を用いて算定します(具体的な金額等は、財産評価基準書「宅地造成費の金額表」を参照してください。)。

(5)セットバックを必要とする宅地の評価(評価通達24-6)

イ セットバックとは
 建築基準法第42条第1項において道路は幅員4m以上のものとされていますが、同条第2項では、その例外(幅員4m未満)として、建築基準法施行の時点で、すでに建築物が建ち並んでいるもので特定行政庁(知事又は市・町長)が指定したものも「道路」として定義しています(一般的に「2項道路」又は「みなし道路」と言われています。)。
キャプチャ6 この建築基準法第42条第2項に規定する道路に面する宅地は、その道路の中心線から2mずつ後退した線が道路の境界線とみなされ、将来、建物の建替え等の場合にはその境界線まで後退(セットバック)して「道路敷き」として提供しなければならないことになっています。

ロ セットバックを必要とする宅地の評価
 セットバックを必要とする宅地は、現在の利用には特に支障がない場合であっても、その宅地の価額は、セットバックを要しない宅地の価額に比較して減価することとなります。そのため、「2項道路」に面しており、セットバックを必要とする宅地は、次の算式により評価します。
キャプチャ7

(6)都市計画道路予定地の区域内にある宅地の評価(評価通達24-7)
 「都市計画道路予定地」となっている区域内においては、都市計画法の規定により、通常2階建ての建物しか建築できないなど建築に制限を受けることになり、その土地の利用用途、高度利用度及び地積の関係によって土地価格に影響を及ぼすことになります。
 そのため、都市計画道路予定地の区域内にある宅地は次の算式により評価します。
キャプチャ8
(注)「地積割合」とは、その宅地の総地積に対する都市計画道路予定地の部分の割合です。

(7)文化財建造物である家屋の敷地の用に供されている宅地の評価(評価通達24-8)
 文化財保護法に規定する重要文化財に指定された建造物、同法に規定する登録有形文化財である建造物及び文化財保護法施行令に規定する伝統的建造物(以下「文化財建造物」といいます。)については、文化財保護法による法的規制を受けるとともに、その保護がなされています。
 このような文化財建造物及びその敷地については、一般の売買実例はほとんどないことから、それを基に路線価等を定め、あるいは家屋の価額の算定方法を示すことは困難です。
 そのため、文化財建造物及びその敷地については、それが文化財でないものとして評価した場合の価額から、その文化財の種類に応じた法的規制の程度又は利用上の制約等に応じた一定の評価減を行うことにより評価することとしています。
(注)文化財建造物である家屋の評価は、評価通達89-2を参照してください。
文化財建造物である家屋の敷地は、次の算式により評価します。
キャプチャ10

土地等の評価・計6回《第3回》

【土地等の評価】《第3回》

Ⅲ 宅地の評価における評価方式

1 評価方式(評価通達11)
宅地の評価は、原則として、次に掲げる区分に従い、それぞれ次に掲げる方式によって行います。
(1)市街地的形態を形成する地域にある宅地
路線価方式

路線価 × 画地調整率 × 地積 = 評価額

 ※「土地及び土地の上に存する権利の評価明細書」を使用して評価します。

(2)(1)以外の宅地
倍率方式

固定資産税評価額 × 倍率 = 評価額
評価しようとする宅地が「路線価方式」と「倍率方式」とのどちらの方式により評価するかは、国税庁ホームページに掲載されている「評価倍率表」に示されています。
 具体的には、「評価倍率表」の「適用地域名」の「宅地」の欄が「路線」と表示されている地域は「路線価方式」により評価し、「0.0倍」と表示されている地域は、「倍率方式」により評価します。

〇路線価図・評価倍率表の閲覧(国税庁ホームページの使い方)
〇路線価図の説明
〇評価倍率表の説明

2 路線価方式等(評価通達13ほか)
(1)路線価方式
 路線価方式とは、その宅地の面する路線に付された路線価を基とし、奥行価格補正、側方路線影響加算、不整形地補正などの画地調整を行って評価額を算出する方式をいいます(評価通達13)。

画地調整
 路線価は、宅地の価額がおおむね同一と認められる一連の宅地が面している路線(不特定多数の者の通行の用に供されている道路をいいます。)ごとに設定されており、その路線に面する標準的な画地の1㎡当たりの標準価額です。
 したがって、路線価方式においては、実際に評価する宅地の状況、形状等が標準的なものでない場合には、路線価を基として一定の加算又は減算(これを画地調整といいます。)を行う必要があります。

(2)路線価
 路線価は、路線に接する宅地で次に掲げる全ての事項に該当するものについて、売買実例価額、地価公示価格、不動産鑑定士等による鑑定評価額、精通者意見価格等を基として評定しています(評価通達14)
① その路線のほぼ中央部にあること
② その一連の宅地に共通している地勢にあること
③ その路線だけに接していること
④ 標準的な間口距離及び奥行距離を有するく形又は正方形のものであるこ

(3)地区区分(評価通達14-2)と画地調整率
イ 路線価地域については、宅地の利用状況がおおむね同一と認められる一定の地域ごとに、①ビル街地区、②高度商業地区、⑤繁華街地区、④普通商業・併用住宅地区、⑤普通住宅地区、⑥中小工場地区及び⑦大工場地区の7地区を定めています。
 なお、路線価方式により宅地を評価する場合の画地調整率は、宅地の利用状況によって、当該宅地の形状が価格形成に影響する度合いが異なることから、これら7地区に区分して定められています。
ロ 画地調整率には、①奥行価格補正率、②側方路線影響加算率、③二方路線影響加算率、④不整形地補正率、⑤間口狭小補正率、⑥奥行長大補正率、⑦がけ地補正率及び⑧規模格差補正率があります。
※平成30年1月1日以降に相続、遺贈又は贈与により取得する宅地で一定の要件を満たすものは、「地積規模の大きな宅地の評価」の定めを適用して評価します。この改正に伴い、広大地の評価は廃止されました。具体的な補正率は、「土地及び土地の上に存する権利の調整率表」を参照してください。

(4)奥行価格補正(評価通達15)
 一方のみが路線に接する宅地の価額は、路線価にその宅地の奥行距離に応じて奥行価格補正率を乗じて求めた価格にその宅地の地積を乗じて計算した価額によって評価します。

正面路線価 × 奥行価格補正率 × 地積 = 評価額
奥行距離の求め方
 奥行距離は、原則として正面路線に対し垂線的な奥行距離によります。
 また、奥行が一定でない不整形地の奥行距離については、当該不整形地の面積を間口距離で除して求めます(ただし、想定整形地の奥行距離を限度とします。)。

○質疑応答事例【不正形地の奥行距離の求め方】
○質疑応答事例【間口距離の求め方】
○質疑応答事例【屈折路に面する宅地の間口距離の求め方】

(5)側方路線影響加算(評価通達16)
 一般的に、正面と側方に道路がある宅地(以下「角地(かどち)」といいます。)は、利用間口が大きくなって、出入りの便が良くなるほか、採光、通風にも有利になるため、側方道路の影響を受け、正面道路だけに接する宅地よりも価額が高くなります。
 このような考え方に基づいて、正面と側方に道路がある場合においては、「側方路線影響加算率」を用いた評価方法を定めており、角地は、次の①及び②に掲げる価額の合計額に、その宅地の地積を乗じて計算した価額によって評価します。
これを算式で示せば次のとおりとなります。

①正面路線価 × 正面路線の奥行価格補正率
②側方路線価 × 側方路線の奥行価格補正率 × 側方路線影響加算率
 (①十②)× 地積 = 角地の評価額

○質疑応答事例【正面路線価の判定(1)】
          路線価      奥行価格補正率
 a路線 4, 000, 000 × 0. 96 = 3, 840, 000円
          路線価     奥行価格補正率
 b路線 3, 900, 000 × 1.00 = 3, 900, 000円

 a < b よってb路線が正面路線として評価する。

《評価額の計算》
    正面路線価    奥行補正率    側方路線価     奥行補正率  側方影響加算    地積
 (3,900,000 × 1.00 十 4,000,000 × 0.96 × 0.10 ) × 1, 800㎡
    評価額
= 7,711,200, 000円

(6)二方路線影響加算(評価通達17)
 一般的に、正面と裏面に道路かおる宅地(以下「二方(にほう)路線地」といいます。)は、出入りの便が良くなるほか、採光、通風にも有利になるため、正面道路だけに接する宅地よりも価額が高くなります。
 このような考え方に基づいて、正面と裏面に道路がある場合においては、「二方路線影響加算率」を用いた評価方法を定めており、二方路線地の価額は、次の①及び②に掲げる価額の合計額に、その宅地の地積を乗じて計算した価額によって評価します。
 これを算式で示せば次のとおりとなります。

正面路線価 × 正面路線の奥行価格補正率・・・①
裏面路線価 × 裏面路線の奥行価格補正率 × 二方路線影響加算率・・・②
 (①十②)× 地積 = 二方路線地の評価額

○タックスアンサー【NO.4604路線価方式による宅地の評価】

(7)三方又は四方路線影響加算(評価通達18)
 三方又は四方に道路がある宅地の価額は、上記(5)の「側方路線影響加算」及び上記(6)の「二方路線影響加算」を併用して計算します。

(8)不整形地補正(評価通達20)
イ 不整形地の評価方法(概要)
 一般的に、不整形地は、その利用価値が、画地の全部が宅地としての機能を十分に発揮できないため、整形地に比しその価額が低くなります。
 このような考え方に基づいて、標準的な整形地としての価額である路線価を、不整形の程度に応じて補正した上で不整形地の価額を評価することとしています(この補正を「不整形地補正」といいます。)。
 評価通達20では、次の(イ)から(ニ)までのいずれかの方法により評価通達15 ((奥行価格補正))から18((三方又は四方路線影響加算))までの定めによって評価した価額に、不整形地の程度、位置及び地積の大小に応じた「不整形地補正率」を乗じて評価することとしています。また、(ホ)のように、不整形地としての評価を行わない場合もあります。
(イ)不整形地を区分して求めた整形地を基として計算する方法
(ロ)不整形地の地積を間口距離で除して算出した計算上の奥行距離を基として求めた整形地により計算する方法
(ハ)不整形地に近似する整形地(以下「近似整形地」といいます。)を求め、その設定した近似整形地を基として計算する方法
(ニ)近似整形地を求め、隣接する整形地と合わせて全体の整形地の価額の計算をしてから隣接する整形地の価額を差し引いた価額を基として計算する方法
(ホ)不整形地としての評価を行わない場合
 不整形地補正は、上記のように画地の形状が悪いことによって画地の全部が宅地としての機能を十分に発揮できないための補正であるから、画地の形状が完全な正方形又はく形でないとしても、画地の面積がおおむね適正規模か若しくはそれ以上の広さがあり、かつ、不整形の程度が小さい場合など、宅地としての利用に当たり特に支障がないものは補正は行いません。

ロ 想定整形地の取り方の具体例
 「想定整形地」とは、原則評価する不整形地の画地全体を囲む、正面路線に面するく形又は正方形の土地をいいます。

想定整形地の取り方の具体例は、次のとおりです。

キャプチャ

○質疑応答事例【屈折路に面する不整形地の想定整形地のとり方】

ハ 不整形地の評価方法(具体例)
 不整形地の評価方法は上記イ(イ)から(ニ)までのいずれかの方法により「不整形地補正率」を乗じて評価することとしています。
○質疑応答事例【不正形地の評価】

(9)地積規模の大きな宅地の評価(評価通達20-2)
 平成30年1月1日以降に相続、遺贈又は贈与により取得する宅地で一定の要件を満たすものは、「地積規模の大きな宅地の評価」の定めを適用して評価します。
この改正に伴い、広大地の評価は廃止されました。
イ 地積規模の大きな宅地の評価の趣
 地積規模の大きな宅地の評価では、新たに「規模格差補正率」を設け、「地積規模の大きな宅地」を戸建住宅用地として分割分譲する場合に発生する減価のうち、主に地積に依拠する次の①から③の減価を反映させています。
① 戸建住宅用地としての分割分譲に伴う潰れ地の負担による減価
② 戸建住宅用地としての分割分譲に伴う工事・整備費用等の負担による減価
③ 開発分譲業者の事業収益・事業リスク等の負担による減価

ロ 地積規模の大きな宅地の評価の適用対象
 上記イのとおり、「地積規模の大きな宅地の評価」は、戸建住宅用地として分割分譲する場合に発生する減価を反映させることを趣旨とするものですので、戸建住宅用地としての分割分譲が法的に可能であり、かつ、戸建住宅用地として利用されるのが標準的である地域に所在する宅地が対象となります。
 したがって、三大都市圈では500㎡以上の地積の宅地、それ以外の地域では1,000㎡以上の地積の宅地であって、次の①から④に該当するもの以外のものが「地積規模の大きな宅地」となります。
① 市街化調整区域(都市計画法第34条第10号又は第11号の規定に基づき宅地分譲に係る開発行為を行うことができる区域を除きます。)に所在する宅地
② 都市計画法の用途地域が工業専用地域に指定されている地域に所在する宅地
③ 指定容積率が400%(東京都の特別区においては300%)以上の地域に所在する宅地
④ 倍率地域に所在する評価通達22-2 ((大規模工場用地))に定める大規模工場用地
 そして、「地積規模の大きな宅地の評価」の適用対象となる宅地は、路線価地域においては、「地積規模の大きな宅地」に該当する宅地であって、普通商業・併用住宅地区及び普通住宅地区に所在するものとなり、倍率地域においては、「地積規模の大きな宅地」に該当する宅地となります。

※ 三大都市圈の具体的範囲
 「地積規模の大きな宅地の評価」は、三大都市圏では500㎡以上、それ以外の地域では1,000㎡以上の宅地という地積規模を満たすことを前提としており、次の①から③の地域をいいます。
① 首都圏整備法第2条第3項に規定する既成市街地又は同条第4項に規定する近郊整備地帯
② 近畿圏整備法第2条第3項に規定する既成都市区域又は同条第4項に規定する近郊整備区域
③ 中部圏開発整備法第2条第3項に規定する都市整備区域

《参考》平成28年4月1日現在において三大都市圈に該当する市区町村

圈 名 都道府県名         都  市  名
首都圏 東京都 全域 特別区、武蔵野市、八王子市、立川市、三鷹市、青梅市、府中市、昭島市、調布市、町田市、小金井市、小平市、日野市、東村山市、国分寺市、国立市、福生市、狛江市、東大和市、清瀬市、東久留米市.武蔵村山市、多摩市、稲城市、羽村市、あきる野市、西東京市、瑞穂町、日の出町
埼玉県 全域 さいたま市、川越市、川口市、行田市、所沢市、加須市、東松山市、春日部市、狭山市、羽生市、鴻巣市、上尾市、草加市、越谷市、蕨市、戸田市、入間市、朝霞市、志木市、和光市、新座市、桶川市、久喜市、北本市、八潮市、富士見市、三郷市、蓮田市、坂戸市、幸手市、鶴ヶ島市、日高市、吉川市、ふじみ野市、白岡市、伊奈町、三芳町、毛呂山町、越生町、滑川町、嵐山町、川島町、吉見町、鳩山町、宮代町、杉戸町、松伏町
一部 熊谷市、飯能市
千葉県 全域 千葉市、市川市、船橋市、松戸市、野田市、佐倉市、習志野市、柏市、流山市、八千代市、我孫子市、鎌ヶ谷市、浦安市、四街道市、印西市、白井市、富里市、酒々井町、栄町
一部 木更津市、成田市、市原市、君津市、富津市、袖ヶ浦市
神奈川県 全域 横浜市、川崎市、横須賀市、平塚市、鎌倉市、藤沢市、小田原市、茅ヶ崎市、逗子市、三浦市、秦野市、厚木市、大和市、伊勢原市、海老名市、座間市、南足柄市、綾瀬市、葉山町、寒川町、大磯町、二宮町、中井町、大井町、松田町、開成町、愛川町
一部 相模原市
茨城県 全域 龍ケ綺市、取手市、牛久市、守谷市、坂東市、つくぼみらい市、五霞町、境町、利根町
一部 常総市
近畿圏 京都府 全域 亀岡市、向日市、八幡市、京田辺市、木津川市、久御山町、井手町、精華町
一部 京都市、宇治市、城陽市、長岡京市、南丹市、大山崎町
大阪府 全域 大阪市、堺市、豊中市、吹田市、泉大津市、守口市、富田林市、寝屋川市、松原市、門真市、摂津市、高石市、藤井寺市、大阪狭山市、忠岡町、田尻町
一部 岸和田市、池田市、高槻市、貝塚市、枚方市、茨木市、八尾市、泉佐野市、河内長野市、大東市、和泉市、箕面市、柏原市、羽曳野市、東大阪市、泉南市、四條畷市、交野市、阪南市、島本町、豊能町、能勢町、熊取町、岬町、太子町、河南町、千早赤阪村
兵庫県 全域 尼崎市、伊丹市
一部 神戸市、西宮市、芦屋市、宝塚市、川西市、三田市、猪名川町
奈良県 全域 大和高田市、安堵町、川西町、三宅町、田原本町、上牧町、王寺町、広陵町、河合町、大淀町
一部 奈良市、大和郡山市、天理市、橿原市、桜井市、五條市、御所市、生駒市、香芝燉、葛城市、宇陀市、平群町、三郷町、斑鳩町、高取町、明日香村、吉野町、下市町
愛知県 全域 名古屋市、一宮市、瀬戸市、半田市、春日井市、津島市、碧南市、刈谷市、安城市、西尾市、犬山市、常滑市、江南市、小牧市、稲沢市、東海市、大府市、知多市、知立市、尾張旭市、高浜市、岩倉市、豊明市、日進市、愛西市、清須市、北名古屋市、弥富市、みよし市、あま市、長久手市、東郷町、豊山町、大口町、扶桑町、大治町、蟹江町、阿久比町、東浦町、南知多町、美浜町、武匐叮、幸田町、飛島村
一部 岡崎市、豊田市
三重県 全域 四日市市、桑名市、木曽岬町、東員町、朝日町、川越町
一部 いなべ市

(注)「一部」の欄に表示されている市町村は、その行政区域の一部が区域指定されているものです(市町村合併による行政区画の変更以外の軽微な変更については考慮していません。)。

「地積規模の大きな宅地の評価」の適用対象の判定のためのフローチャート
キャプチャ2

ハ 評価方法
(イ)路線価地域の場合
 「地積規模の大きな宅地の評価」に係る評価方法は、「地積規模の大きな宅地」に固有の補正率である「規模格差補正率」を乗じて評価するほかは、通常の宅地の場合と同様です。
 具体的には、普通商業・併用住宅地区及び普通住宅地区に所在する「地積規模の大きな宅地」については、正面路線価を基に、その形状・奥行距離に応じて評価通達15 ((奥行価格補正))から20((不整形地の評価))までの定めにより計算した価額に、その宅地の地積に応じた「規模格差補正率」を乗じて計算した価額によって評価します。
これを具体的な算式で表すと、次のとおりとなります。

キャプチャ3

(ロ)倍率地域の場合
 倍率地域に所在する「地積規模の大きな宅地」については、評価通達21-2((倍率方式による評価))本文の定めにより評価した価額が、その宅地が標準的な間口距離及び奥行距離を有する宅地であるとした場合の1平方メートル当たりの価額(注)を評価通達14 ((路線価))に定める路線価とし、かつ、その宅地が評価通達14- 2 ((地区))に定める普通住宅地区に所在するものとして「地積規模の大きな宅地の評価」(評価通達20- 2)の定めに準じて計算した価額を上回る場合には、「地積規模の大きな宅地の評価」(評価通達20- 2)の定めに準じて計算した価額により評価します。
 すなわち、倍率地域に所在する「地積規模の大きな宅地」の価額は、原則として、その宅地の固定資産税評価額に倍率を乗じて計算した金額によって評価することになりますが、その金額が「地積規模の大きな宅地の評価」(評価通達20-2)の定めに準じて計算した金額を上回る場合には、「地積規模の大きな宅地の評価」(評価通達20- 2)の定めに準じて計算した価額により評価します。
(注)「その宅地が標準的な間口距離及び奥行距離を有する宅地であるとした場合の1平方メートル当たりの価額」は、付近にある標準的な画地規模を有する宅地の価額との均衡を考慮して算定する必要があります。具体的には、評価対象となる宅地の近傍の固定資産税評価に係る標準宅地の1平方メートル当たりの価額を基に計算することが考えられますが、当該標準宅地が固定資産税評価に係る各種補正の適用を受ける場合には、その適用がないものとしたときの1平方メートル当たりの価額に基づき計算することに留意してください。
○質疑応答事例【地積規模の大きな宅地の評価計算例①~⑤】

(10)無道路地の評価(評価通達20-3)
 一般的に、無道路地(注)は、道路に接している宅地に比べると、その利用価値は低くなります。
 無道路地の価額は、実際に利用している道路の路線価に基づき評価通達20((不整形地の評価))又は20-2 ((地積規模の大きな宅地の評価))の定めによって評価した価額から、その価額の40%の範囲内において相当と認める金額を控除して評価することとしています。
 また、この「40%の範囲内において相当と認める金額」は、評価する無道路地について、接道義務に基づき最小限度の通路を開設する場合の、その通路に相当する部分の価額(路線価に地積を乗じた価額)としています。
 これを算式で示せば、次のとおりとなります。

キャプチャ4

(注)無道路地とは、道路に接しない宅地をいい、建築基準法その他の法令において規定されている建築物を建築するために必要な道路に接すべき最小限の間口距離の要件(「接道義務」)を満たしていない宅地を含みます。
○質疑応答事例【無道路地の評価】

(11)間口が狭小な宅地の評価(評価通達20-4)
 一般的に、宅地の価値は、道路に接する部分、すなわち、間口の広狭に影響されます。
 正面のほかに側方でも道路に接している角地や、裏側等でも道路に接している二方路線地、三方路線地、四方路線地などは、道路に接する間口が広く、宅地としての利用効率が大きいことから、側方路線影響加算や二方路線影響加算などを行って評価しています。
 一方、間口が狭小な宅地は、宅地としての利用効率が低下しているので、通常の規獏の間口を有する宅地を前提として定められている路線価を、その利用効率の低下している程度に応じて減額をする必要があります。
 このような考え方に基づいて、間口が狭小であることによる利用効率の低下の程度に応じ、間口が狭小な宅地(不整形地及び無道路地を除きます。)の価額を評価することとしています(この補正を「間口狭小補正」といいます。)。
評価通達20- 4では、間口が狭小な宅地の価額は、評価通達15 ((奥行価格補正))から評価通達18 ((三方又は四方路線影響加算))までの定めにより計算した1㎡当たりの価額に、間口狭小補正率及び地積を乗じて計算した価額によって評価すると定められています。
 これを算式で示せば、次のとおりとなります。

路線価 × 奥行価格補正率 × 間口拱小補正率 × 地積
 = 間口が狭小な宅地(不整形地及び無道路地を除く)の評価額

 なお、その宅地が評価通達20- 2((地積規模の大きな宅地の評価))に定める用件を満たす場合には、その宅地の価額は、間口狭小補正をした後の価額に同通達に定める規模格差補正率を乗じて計算した価額により評価します。

(12)奥行が長大な宅地の評価(評価通達20-4)
 例えば、道路に対して細長い宅地(奥行が長大な宅地)など、間口と奥行との均衡が取れていない宅地は、宅地としての利川効率が低下します。
 一方で、路線価は、間口と奥行とが均衡のとれたた宅地における価格として付されているものであり、奥行価格補正率も間口と奥行とが均衡のとれた宅地を前提として定められています。
 そのため、奥行が長大な宅地を評価する場合には、奥行価格補正率を乗じた後の価額に、更に、奥行長大補正率を乗じて評価することとしています。
 これを算式で示せば、次のとおりとなります。

路線価 × 奥行価格補正率 × 奥行長大柿正率 × 地積
 = 奥行が長大な宅地(不整形地及び無道路地を除く)の評価額

 なお、その宅地が評価通達20- 2((地積規模の大きな宅地の評価))に定める用件を満たす場合には、その宅地の価額は、奥行長大補正をした後の価額に同通達に定める規模格差補正率を乗じて計算した価額により評価します。

(13)がけ地等を有する宅地の評価(評価通達20-5)
 宅地の一部にがけ地など通常の用途に供することができないものと認められる部分かある宅地にあっては、相応の減額を行って評価する必要があります。
 そのため、がけ地等で通常の用途に供することができないと認められる部分を有する宅地の価額は、がけ地等の部分ががけ地等でないとした場合の価額に、その宅地の総面積に対するがけ地等で通常の用途に供することができないと認められる部分の地積の割合に応じた「がけ地補正率」を乗じて評価することとしています。
これを算式で示せば、次のとおりとなります。

キャプチャ5

(注)がけ地の方位は、次により判定します。
1 がけ地の方位は、斜面の向きによります。
2 2方位以上のがけ地がある場合は、次の算式により計算した割合をがけ地補正率とします。

キャプチャ6

3この表に定められた方位に該当しない「東南斜面」などについては、がけ地の方位の東と南に応ずるがけ地補正率を平均して求めることとして差し支えありません。

3 倍率方式(評価通達21-2)
 倍率方式とは、その宅地の固定資産税評価額に「倍率」を乗じて評価額を算出する方式(評価通達21)をいい、倍率は、地価事情の類似する地域ごとに、その地域にある宅地の売買実例価額、地価公示価格、不動産鑑定士等による鑑定評価額、精通者意見価格等を基として評定しています(評価通達21- 2)。

4 特定路線価(評価通達14-3)
 「特定路線価」とは、相続税又は贈与税の課税上、路線価地域内において、路線価が設定されていない道路のみに面している土地を評価する必要がある場合に、納税者からの申出に基づき設定された路線価です。
 特定路線価は、原則として「建築基準法上の道路等」に設定しています。
 なお、「建築基準法上の道路等」とは、建築物の建築に必要とされる道路等であり、次のものをいいます。
 「建築基準法第42条第1項1号~5号又は第2項」に規定する道路
 「建築基準法第43条第1項ただし書き」に規定する道路

(1)特定路線価による評価
 特定路線価が設定された場合、当該特定路線価を基にして、奥行価格補正、不整形地補正などの画地調整を行って評価額を算出します。

特定路線価 × 画地調整率 × 地積 = 評価額

(2)特定路線価に係る申出
 「特定路線価設定申出書」に「別紙 特定路線価により評価する土地等及び特定路線価を設定する道路の所在地、状況等の明細書」、「特定路線価設定申出書の提出チェックシート」及び物件案内図、地形図、道路の状況がわかる写真等の資料を添付して、提出してください。
※「特定路線価設定申出書」等の様式は、国税庁ホームページに掲載されています。

土地等の評価・計6回《第2回》

【土地等の評価】《第2回》

Ⅱ 評価単位等

 土地の価額は、①贈与、遺産分割等によって土地の分割が行われた場合は、原則として分割等により取得した者ごと、②地目ごと、③地目に応じた評価単位ごと(例えば、宅地、田及び山林が相続財産である場合、宅地は利用の単位となっている1画地の宅地ごとに評価し、田は耕作の単位となっている1枚の田ごとに評価し、山林は1筆の山林)に評価します。

1 土地の評価上の区分(評価通達7)
(1)原 則
土地の価額は、次に掲げる地目別に評価します。
 ①宅 地、②田、③畑、④山 林、⑤原 野
 ⑥牧 場、⑦池 沼、⑧鉱泉地、⑨雑種地

(2)例 外
イ 一体として利用されている一団の土地が2以上の地目からなる場合には、その一団の土地は、そのうちの主たる地目からなるものとして、その一団の土地ごとに評価します。
ロ 市街化調整区域以外の都市計画区域で市街地的形態を形成する地域における市街地農地、市街地山林、市街地原野又は宅地と状況が類似する雑種地のいずれか2以上の土地が隣接しており、その形状、地積の大小、位置等からみて、これらを一団として評価することが合理的と認められる場合には、その一団の土地ごとに評価します。
 (注)ロの場合、宅地と合わせたところで一団の土地としての評価はしないこと
    に留意してください。

(3)地目の判定
 地目は、課税時期(相続又は遺贈の場合は、原則として被相続人の死亡の日であり、贈与の場合は、契約その他の法律的原因に基づいて財産権を取得した日)の現況によって判定します。
 したがって、例えば、登記上の地目が畑であっても、課税時期の現況が宅地である土地は、宅地として評価します。

2 土地の評価単位(評価通達7-2)
(1)原 則
 土地の価額は、贈与、遺産分割等によって土地の分割が行われた場合は分割後の土地ごとに評価するとともに、次に掲げる評価単位ごとに評価します。
 また、土地の上に存する権利(借地権など)も同様です。
イ 宅 地
 宅地は、「1画地の宅地」(利用の単位となっている1区画の宅地)を評価単位とします(具体的な判定方法は下記3で説明します。)。
ロ 田及び畑
 田及び畑(以下「農地」といいます。)は、「1枚の農地」(耕作の単位となっている1区画の農地)を評価単位とします。
 なお、市街地周辺農地、市街地農地及び生産緑地は、それぞれを利用の単位となっている一団の農地を評価単位とします(具体的な判定方法は下記4で説明します。)。
ハ 山 林
 山林は、1筆の山林を評価単位とします。
 ただし、市街地山林は、利用の単位となっている一団の山林を評価単位とします。
ニ 原 野
 原野は、1筆の原野を評価単位とします。
 ただし、市街地原野は、利用の単位となっている一団の原野を評価単位とします。
ホ 牧場及び池沼
 牧場及び池沼は、原野に準ずる評価単位とします。
へ 鉱泉地
 鉱泉地は、1筆の鉱泉地を評価単位とします。
卜 雑種地
 雑種地は、利用の単位となっている「一団の雑種地」(同一の目的に供されている雑種地)を評価単位とします。
 なお、いずれの用にも供されていない雑種地については、その全体を「利用の単位となっている一団の雑種地」として評価します。
 また、市街化調整区域以外の都市計画区域で市街地的形態を形成する地域において、宅地と状況が類似する雑種地が2以上の評価単位となっており、その形状、地積の大小、位置等からみて、これらを一団として評価することが合理的と認められる場合には、その一団の雑種地ごとに評価します。

(2)例 外(不合理分割)
 贈与、遺産分割等による宅地の分割が親族間等で行われた場合において、例えば、分割後の画地が宅地として通常の用途に供することができないなど、その分割が著しく不合理であると認められるとき(以下「不合理分割」といいます。)は、その分割前の画地を「1画地の宅地」として評価します。
(注1)市街地農地等、市街地山林、市街地原野及び市街化調整区域以外の都市計画区域で市街地的形態を形成する地域において宅地と状況が類似する雑種地についても同様です。
(注2)この取扱いは、同族会社間等で不合理分割が行われた場合にも適用されます。

3 宅地の評価単位(1画地の判定)
 上記2(1)イで説明したとおり、宅地の価額は、「1画地の宅地」(利用の単位となっている1区画の宅地)ごとに評価します。
 この場合における「1画地の宅地」の判定は、原則として、
① 宅地の所有者による自由な使用収益を制約する他者の権利(原則として使用貸借による使用借権を除きます。)の存在の有無により判断し、
② 他者の権利が存在する場合には、その権利の種類及び権利者の異なるごとに区分します。
 なお、贈与、遺産分割等による宅地の分割が親族間等で行われた場合において、その分割が「不合理分割」であると認められるときは、その分割前の画地を「1画地の宅地」とします(上記2(2)参照)。

具体的には、次のように判定します。
(1)所有する宅地を自ら使用している場合(自用地)キャプチャ1

(答)
 居住の用か、事業の用かにかかわらず、A、B土地全体を1画地の宅地として評価する。
(理由)
 A土地、B土地ともに、他者の権利による制約がないので、その全体を一体として利用することが可能なため。

(2)所有する宅地の一部を使用貸借により貸付けている場合キャプチャ2

(答)
 A、B土地全体を1画地の宅地として評価する。
(理由)
 使用貸借による借主の権利は極めて弱く、客観的な交換価値を有するものではないため。

(3)普通借地権又は定期借地権等の目的となっている宅地(貸宅地)を評価する場合 ― 貸付先が複数であるとき ―
キャプチャ3

(答)
 A土地、B土地それぞれを1画地の宅地(貸宅地)として評価する。
(理由)
 A土地、B土地はそれぞれ異なる者の権利の対象となっている(借地権者が異なる)ため。

(4)貸家建付地を評価する場合 ― 貸家が数棟あるとき ―
キャプチャ4

(答)
 貸家の棟ごとに1画地の宅地とし、A土地、B土地それぞれを1画地の宅地(貸家建付地)として評価する。
(理由)
 A土地、B土地はそれぞれ異なる者の権利の対象となっている(借家権者が異なる)ため。

(5)2以上の者から隣接している土地を借りて、これを一体として利用している場合
キャプチャ5

(答)
 甲が有する借地権の価額を評価する場合には、A、B土地全体を1画地として評価する。
 乙及び丙の貸宅地を評価する場合には、それぞれの所有する土地ごとに1画地として評価する。

4 市街地農地等の評価単位
 上記2 (1)ロで説明したとおり、市街地農地及び市街地周辺農地の評価単位は、「利用の単位となっている一団の農地」とされており、具体的には、次のように判定します。
(1)所有している農地を自ら使用している場合 ⇒ その全体
(2)所有している農地を自ら使用している場合で、その一部が生産緑地である場合 ⇒ 生産緑地とそれ以外の部分
(3)所有する農地の一部について、永小作権又は耕作権を設定させ、他の部分を自ら使用している場合 ⇒ 永小作権又は耕作権が設定されている部分と自ら使用している部分
(4)所有する農地を区分して複数の者に対して永小作権又は耕作権を設定させている場合 ⇒ 同一人に貸し付けられている部分
(注)市街地山林及び市街地原野の評価単位についても同様の考え方により判定し
   ます。

5 地積(評価通達8)
 地積は、課税時期の実際の面積によります。
 なお、評価通達において、土地の地積を「実際の面積」によることとしているのは、固定資産税の土地課税台帳地積と実際の地積とが異なる場合には、実際の地積によることとする基本的な考え方を示したものであり、全ての土地について、実測をしなければならないというものではありません。

6 土地の上に存する権利の評価上の区分(評価通達9)
 土地の上に存する権利の価額は、次表に掲げる権利の別に評価します。

  区  分       概    要
地上権
(区分地上権及び借地借家法に規定する借地権に該当するものを除く。)
 他人の土地において工作物又は竹木を所有するためにその土地を使用する権利(民法第265条)
区分地上権  トンネル、道路、橋梁等の所有を目的として、土地の一定層(空間又は地中)のみを客体として設定される地上権(民法第269条の2)
借地権(定期借地権等を除く。)  建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権(借地借家法第2条第1号)※1
定期借地権等  借地借家法第22条の定期借地権、同法第23条の事業用定期借地権等、同法第24条の建物譲渡特約付借地権及び同法第25条の一時使用目的の借地権
賃借権(借地権・定期借地権等・耕作権・温泉権(引湯権を含む。)を除く。)  賃貸借契約に基づき、賃借人が目的物たる土地を使用収益することができる権利
永小作権  小作料を支払って他人の土地に耕作又は牧畜をする権利(民法第270条)
耕作権(永小作権に該当するものを除く。)  永小作権又は賃借権(農地法第18条第1項本文の規定(農地又は採草放牧地の賃貸借の解約等における都道府県知事の許可)の適用がある賃借に隕る=いわゆる「ヤミ小作」は含まない。)に基づく土地を耕作する権利
温泉権  鉱泉地において温泉を排他的に利用できる権利
引湯権  温泉権者から温泉を引湯することができる権利
占用権  河川法第24条((土地の占用の許可))に規定する河川区域内の土地の占用の許可に基づく権利
 ゴルフ場、自動車練習所、運動場その他の工作物(※2)の設置を目的とするもの
 道路法第32条第1項((道路の占用の許可))の規定による道路の占用の許可又は都市公園法第6条第1項((都市公園の占用の許可))の規定による都市公園の占用の許可に基づく経済的利益を生ずる権利
 駐車場、建物その他の工作物(※2)の設置を目的とするもの

※1 借地借家法の制定により認められた一般の借地権(借地借家法第2条)は、「普通借地権」と言われています。また、借地借家法の施行前に成立している既存の借地権については、従前の取扱いが適用されます(同法附則第4条ただし書)。これらの借地権は存続期間や更新、終了事由等に差異はあるものの、併存するものとなっています。
 評価通達では、これらはいずれも建物の所有を目的とする地上権又は賃借権である「借地権」として取り扱っています。
※2 対価を得て他人の利用に供するもの又は専ら特定の者の用に供するものに限ります。

土地等の評価・計6回《第1回》

さくら税研フォーラムでは、今週から6回にわたり、「土地等の評価」について解説をさせていただきます。
 解説の予定は次のとおりです。

【目次】

《第1回》
Ⅰ 財産評価基本通達の必要性
1 評価の原則
(1)評価単位
(2)時価の意義
(3)財産の評価
2 共有財産
3 区分所有財産
4 邦価換算
5 評価方法の定めのない財産の評価
6 評価通達の定めにより難い場合の評価
7 国外財産の評価

《第2回》
Ⅱ 評価単位等
1  土地の評価上の区分
(1)原則
(2)例外
(3)地目の判定
2 土地の評価単位
(1)原則
(2)例外
3 宅地の評価単位(1画地の判定)
4 市街地農地等の評価単位
5 地積
6 土地の上に存する権利の評価上の区分

《第3回》
Ⅲ 宅地の評価における評価方式

1 評価方式
2 路線価方式等
(1)路線価方式
(2)路線価
(3)地区区分と画地調整率
(4)奥行価格補正
(5)側方路線影響加算
(6)二方路線影響加算
(7)三方又は四方路線影響加算
(8)不整形地補正
(9)地積規模の大きな宅地の評価
(10)無道路地の評価
(11)間口が狭小な宅地の評価
(12)奥行が長大な宅地の評価
(13)がけ地等を有する宅地の評価
3 倍率方式
4 特定路線価
(1)特定路線価による評価
(2)特定路線価に係る申出

《第4回》
Ⅳ 特殊な状況における宅地の評価

(1)私道の用に供されている宅地の評価
(2)土地区画整理事業施行中の宅地の評価
(3)造成中の宅地の評価
(4)農業用施設用地の評価
(5)セットバックを必要とする宅地の評価
(6)都市計画道路予定地の区域内にある宅地の評価
(7)文化財建造物である家屋の敷地の用に供されている宅地の評価

《第5回》
V 貸宅地の評価

(1)普通借地権の目的となっている宅地の評価
(2)定期借地権の目的となっている宅地の評価
(3)地上権の目的となっている宅地の評価
(4)区分地上権の目的となっている宅地の評価
(5)区分地上権に準ずる地役権の目的となっている宅地の評価
Ⅵ 借地権等の評価
(1)普通借地権の評価
(2)定期借地権の評価
(3)地上権の評価
(4)区分地上権の評価
(5)区分地上権に準ずる地役権の評価
Ⅶ 貸家建付地等の評価
(1)貸家建付地の評価
(2)貸家建付借地権等の評価

《第6回》
Ⅷ 農地の評価

(1)農地の分類及び評価方法等
(2)生産緑地の評価
(3)貸し付けられている農地の評価
Ⅸ 山林・原野の評価
(1)山林の分類
(2)保安林等の評価
(3)特別緑地保全地区内にある山林の評価
(4)貸し付けられている山林の評価
(5)原野の評価
X 鉱泉地等の評価
Ⅺ 雑種地の評価
(1)雑種地の評価方法に関する基本的な考え方
(2)市街化調整区域内にある雑種地の評価
(3)貸し付けられている雑種地の評価
土地及び土地の上に存する権利の評価についての調整率表(平成30年分以降用)

【土地等の評価】《第1回》

I 財産評価基本通達の必要性

 相続税や贈与税の課税対象となる財産の価額は、相続税法第22条の規定により、「財産の取得の時における時価により評価する」こととされていますが、相続税や贈与税の課税対象となる財産は、土地、家屋などの不動産、動産、有価証券など多種多様であり、納税者の方がこれらの財産の時価を的確に把握することは必ずしも容易なことではありません。
 そのため、国税庁では、相続税法第22条に規定する「財産の取得の時における時価」に関する法令解釈通達である財産評価基本通達(以下「評価通達」といいます。)において各財産の評価方法を具体的に定めて、これを公開し納税者の申告の便宜及び課税の公平を図っているところです。

1 評価の原則(評価通達1)
(1)評価単位(評価通達1(1))
 財産の価額は、評価単位ごとに評価します。
 例えば、宅地、田及び山林が相続財産である場合、宅地は利用の単位となっている1画地の宅地ごとに評価し、田は耕作の単位となっている1枚の田ごとに評価し、山林は1筆の山林ごとに評価します。

(2)時価の意義(評価通達1(2))
 財産の価額は、時価によるものとし、時価とは、課税時期における各財産の現況に応じて、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額をいい、その価額は、評価通達の定めによって評価した価額によります。
イ 評価時点
 財産の評価時点は課税時期であり、課税時期とは相続、遺贈又は贈与により財産を取得した日です。具体的には、相続又は遺贈の場合は、原則として被相続人の死亡の日であり、贈与の場合は、契約その他の法律的原因に基づいて財産権を取得した日です。
 ロ 時価
時価とは、課税時期における各財産の現況に応じて、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額であり、具体的には、買い進みも売り急ぎもない「客観的な交換価値」を示す価額です。

(3)財産の評価(評価通達1(3))
 財産の評価に当たっては、その財産の価額に影響を及ぼすべき全ての事情を考慮します。
 なお、無道路地、間口が狭小な宅地、がけ地を有する宅地等における評価額の減額や、角地における評価額の増額など、あらかじめ類型的に想定できるものは、評価通達に増減割合等が明示してあります。

2 共有財産(評価通達2)
 共有財産の持分の価額は、その財産の価額をその共有者の持分に応じてあん分した価額によって評価します。
 例えば、評価額3,000万円の宅地をAが1/3、Bが2/3の割合で共有している場合には、Aの持分の評価額は1,000万円、Bの持分の評価額は2, 000万円となります。

3 区分所有財産(評価通達3)
 例えば、分譲マンションのように区分所有している建物の評価においては、専有部分の評価額に共用部分の共有持分に応ずる評価額を加算して評価します。

4 邦貨換算(評価通達4-3)
 外貨建てによる財産及び国外にある財産の邦貨換算は、原則として、納税義務者の取引金融機関が公表する課税時期における最終の為替相場のうち、いわゆる対顧客直物電信買相場(TTB)によります。
 (注)外貨建てによる債務を邦貨換算する場合には、いわゆる対顧客直物電信
    売相場(TTS)によります。
 なお、先物外国為替契約(課税時期において選択権を行使していない選択権付為替予約を除きます。)を締結していることにより、その財産についての為替相場が確定している場合には、当該先物外国為替契約により確定している為替相場によります。

5 評価方法の定めのない財産の評価(評価通達5)
 評価通達に評価方法の定めのない財産の価額は、評価通達に定める評価方法に準じて評価します。

6 評価通達の定めにより難い場合の評価(評価)
 評価通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価します。

7 国外財産の評価(評価通達5-2)
 国外にある財産の価額についても、評価通達に定める評価方法により評価しますが、評価通達によって評価することができない財産については、評価通達に定める評価方法に準じて、又は売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価します。
 なお、評価通達によって評価することができない財産については、課税上弊害がない限り、①その財産の取得価額を基に、その財産が所在する地域等におけるその財産と同一種類の財産の一般的な価格動向に基づき時点修正をして求めた価額、又は②課税時期後にその財産を譲渡した場合における譲渡価額を基に課税時期現在の価額として算出した価額により評価することができます。

「遺児育英基金」にかかる課税関係について

《質問》

 被相続人(小学校教諭)の死亡に伴い、遺族に対し別添目録のとおり「遺児育英基金」から300万円支払われました。
 この「遺児育英基金」にかかる課税関係についてご教示いただければと存じます。

             目 録

一、 金三百万円也
右 故 〇〇教諭遺児育英基金としてお贈りいたします。

平成三十年三月二十八日
   故  〇〇教諭遺児育英基金賛同者代表
      ○○小学校  校長

故  ○○教諭御家族  様

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死亡保険金の収益計上時期

《質問》

 A法人は3月決算(1人代表)です。
 代表取締役が平成30年2月21日に亡くなられました。
 法人契約の生命保険をかけており、死亡保険金約2億円が法人に支払われる予定です。
 検死等に時間がかかったことや、保険請求するにあたり、代表者の変更をした後の会社の謄本が必要になりますが、現在、本業を続けられるかどうかの判断をして、引継ぎ者を選定しているため、保険請求はまだしておりません。
 このような場合、死亡保険金の収益計上時期は、保険請求後の支給確定日となりますでしょうか。

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国債の購入に対するキャッシュバックに対する課税関係

《質問》

 私は金融機関からの勧めで国債を購入することになりました。キャンペーン期間中で、キャッシュバックが100万円ほどあると聞きました。そのキャッシュバックについての課税はどうなりますか。また、購入資金の一部は当該国債を担保に借入しています。その際の借入金利息はどのような取扱いとなりますか。

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給与負担金(給料及び旅費、日当の実費負担)に係る消費税の更正の請求について

《質問》

 個人A(出向元)は、関連会社X社に平成26年より人材を出向させ、X社より実質人件費と実費交通費と手数料(人件費の3%)を受け取っています。
 実費人件費は不課税売上で実費通勤費と手数料を課税売上判断したところ、A社は課税事業となったため、簡易課税届出書の提出をしました(平成26年を基準年度として平成28年より簡易課税で申告)。
 前回の税務調査においては、人件費は実費しか受領していませんでしたので人件費を不課税売上として処理することは相当でこのような実費方式がいいと指導を受けました。
 今回別件で下記の国税庁ホームページを見ました。これによりますと個人Aが受取る実費通勤費は支払側(本件ではX社)が課税仕入れだからといっても、受ける個人Aは課税売上でなくてよいということになります。そうすると個人Aは、そもそも平成26年は課税売上高が1,000万円以下となり課税事業者にはなりません。これを根拠に平成28年分消費税の更正の請求をしようと思いますがこの考えでよろしいでしょうか。

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養子の代襲相続人がいる場合の法定相続人について

《前提》

被相続人には実子がおらず、普通養子に父と本人(三女)が入っている。
父養子に入った後に長女、二女、本人(三女)が生まれている。。
父は被相続人より前に亡くなっている。

《質問》

上記の場合、
① 法定相続人の数は、2名になるのでしょうか、それとも代襲相続人が3名いるので4名になるのでしょうか。あるいは、養子と代襲相続人を本人(三女)が兼任しているので3名になるのでしょうか。
② また、この場合の法定相続分はどのようになるのでしょうか。

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