一次相続で未分割のまま申告し、二次相続を迎えた場合の二次相続の被相続人の相続財産について

《前提》

一次相続
・被相続人:父(令和4年8月死亡)
・相続人:母(被相続人の配偶者)と子4名
 未分割にて申告。母の納税額約2,000万円と聴き取り(財産額不明)

二次相続
・被相続人:母(令和6年9月死亡)
・相続人:子4名
・母固有の財産
 母名義(100%)不動産1か所、父の相続財産である不動産の内共有持分がある物件、銀行預金

《質問》

 前提に記載した状況で、二次相続の際の被相続人(母)の課税される相続財産について
1  被相続人(母)の相続財産は、次の①と②を合計したものと考えますがよろしいでしょうか。
 ① 母固有の財産
 ② 父の相続財産の法定相続分(1/2)の金額

2  上記1の金額が相続財産になる場合「②父の相続財産の法定相続分(1/2)の金額」の考え方については、父の相続財産の内不動産が令和4年の評価額ですので、これを令和6年の評価額に置き換えるのでしょうか(家屋は固定資産税評価額、土地は路線価の見直し)。

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宗教法人が行う収益事業の土地を贈与する件について

《前提》

・昭和41年頃より、収益事業(自動車学校)を行っている。
・最近、宗教法人と自動車学校を運営する側で争いが起きていて、調停が行われている。
 そこで、まとまりそうな流れにつき、税務上の問題がありそうなので、ご相談です。
 申立人 甲 (宗教法人側代表社員)
 相手方 乙・丙 (自動車学校運営側)    甲・乙・丙は、兄弟
・現在の流れは、宗教法人での経営をやめ、新会社(株式会社)を 乙・丙が立ち上げて事業譲渡を受ける。
・収益事業として申告を行っているが、土地については、昭和41年頃に取得し購入額が不明でBSには記載がない。固定資産税が法人の租税公課に計上され、建物や構築物や車両、備品などは、減価償却明細に記載がある。

《検討》

〇 法人の事業用土地は、3人個人(甲・乙・丙)に1/3ずつ贈与する
税務の処理
 法人から個人への寄付になる。
 法人は、時価により 寄付金/土地売却益 となるが寄付金は、損金限度計算により計算。
 ただ、乙・丙は、役員、従業員なので、この二人は役員賞与と給与所得になり、甲は一時所得になる。
 土地売却益は、法基通(15-2-10)により非課税

《質問1

 第三者に売却するのではありませんが、土地売却益は親族に無償譲渡でも、売却益は非課税と考えてもよいでしょうか。(逐条解説にも特に記載なし)
 また、BSに、60年前のため取得価額が不明で記載がありませんが、区分経理として非課税に問題はありますか。

〇 贈与後
 甲は、新会社に当該土地を売却する。
 乙・丙は、新会社に現物出資する。
 甲には、譲渡所得が発生。
 乙・丙も、現物出資は、譲渡所得になる。

《質問2》
 この場合の譲渡所得は、短期譲渡所得になりますが、取得費はともに課税を受けているため、その時価が取得費になると考えてよいですか。

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欠損金の繰戻しによる還付

《質問》

 当社は、令和3年3月期、令和4年3月期及び令和5年3月期の3期分について、修正申告書を令和6年7月に提出しました。
  提出した理由は、税務調査で申告漏れが把握されたためで、令和5年3月期については、当初申告は欠損申告でしたが、税務調査で有所得に転換しました。
  この場合、令和5年3月期を還付所得事業年度、令和6年3月期(既に欠損申告済みです。)を欠損事業年度として、欠損金の繰戻しによる還付請求書を直ちに提出した場合には、有効なものとして取り扱われるのでしょうか。

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転籍者に支払われる退職金について

《前提》

 A社の従業員甲は、数年前に関連会社B社に従業員として転籍しました。
 今月末、甲はB社を退職することになりました。甲に支払われる退職金は、転職前のA社の勤務期間も通算して支払われます。
 その際、A社はB社に対して、甲のA社に在職中に発生した、退職給付積立金を支払います。

《質問》

①  B社がA社より退職給付積立金を受け取って、甲に退職金を支払った場合のA社、B社双方の法人税法上の扱いについて教えてください。

②  B社が甲に対してAB通算して退職金を支払った場合の、退職所得控除額の勤続年数はどのように算出すればよろしいでしょうか。

③  上記の点に関連して、甲の退職を機会に他の在職中の転籍者数名(2021年にA社より転籍)に係る退職給付積立金もA社がB社に支払う事になりました。この場合の両社の税務上の扱いについて教えてください。

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みなし譲渡・みなし贈与について

《質問》

 下記明細のとおりの株主構成となっておりますが、この度法人のB社&個人のX氏が所有する株式会社○○の株を自己株とすることになりました。(金額はB社@50,000円、X氏は@1,000,000円)
 この場合、みなし贈与は残る株主がすべて法人のため発生せず、みなし譲渡は、売主は少数株主のため配当還元法で計算。みなし譲渡は株価の1/2以下で発生のため該当なしで問題ないのでしょうか。

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更正の請求の可否(法人税)

《質問》

 当社では、2,000千円の機械を取得し、令和5年10月期の確定申告において、中小企業者の機械等を取得した場合の法人税額の特別控除制度(措法42の6)の適用を受け、税額控除限度額140千円のうち控除しきれない金額(繰越税額控除限度超過額)40千円を翌期に繰り越しました。
 その後、令和5年10月期分で経費の計上誤りが判明し、特別控除前の法人税額が500千円から1,000千円に増加することとなったため、修正申告を提出しました。
 この場合、
① 修正申告により増加することとなる法人税額1,000千円を基礎として、繰越税額控除限度超過額(控除不足額)40千円は控除できるのでしょうか。
② 当機械の取得価格に含めるべき金額(据付費300千円)が費用計上されていたため、機械の取得価格は2,300千円となります。
 この場合、本来取得金額に含めるべきであった300千円に対する税額控除額21千円(300千円×7%)についても、控除を受けることは可能でしょうか。

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貸宅地・借地権の評価について

《前提》

・対象財産について、土地は被相続人の所有、建物は同族会社が所有している。
・被相続人から同族会社への土地賃貸条件は以下の通りである。
 地代は65,000円/月、780,000円/年で借地権設定時(H13年)より据え置きである。
 無償返還届出書の提出はしていない。
 権利金の収受は無い。
・前述の条件より、算出した通常・相当の地代は以下のとおりである。
 通常の地代の年額 : 1,295,148円
 相当の地代の年額 :  4,317,162円
・固定資産税等の年額は168,507円である。
・当該建物は4階建の貸ビルとなっており、利用状況は以下のとおりである。
 1階 :同族会社店舗/貸店舗
 2階 :自宅
 3階 :賃貸物件(1世帯)
 4階 :賃貸物件(2世帯)
・相続時点において、4階のうち1世帯で家賃の未納があった。未納だった期間は3か月ほど。
 相続後も賃貸関係が続いており、現在は家賃の支払いはある。

《質問》

①  実際の地代が通常の地代未満、固定資産税相当額超えの場合
 借地権の価格 :自用地価格 × 借地権割合
 底地の価格 :自用地価格 × (1-借地権割合)
の計算方法で妥当でしょうか。

②  同族会社の借地権について、この場合は貸家建付借地権として評価するかと思いますが、3か月間の家賃の未納があった部屋について、現在も賃貸状況が続いていることから一時的な空室として賃貸中の部屋として考え、賃貸割合に含めても問題ないでしょうか。

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土地賃貸借に係る借地権認定の可否

《質問》

 個人甲の土地を同族会社が賃借し、同族法人がアスファルトやフェンスを設置して駐車場を経営していた場合の質問です。

①  地代は相当の地代以下で、賃貸借契約書も作成しておらず、土地の無償返還の届出書を提出していない場合、駐車場でも権利金の認定課税は受けるのでしょうか。
 受ける場合には認定課税の金額はどのように計算(借地権、又は駐車場なので賃借権)するのでしょうか。

②  法人税と相続税では借地権の範囲が異なると聞いておりますが、上記①の場合で甲に相続があった場合、同族会社の株価を計算する時は借地権計上、その土地を評価する時は賃借権を控除するのでしょうか。
 (駐車場でも土地の無償返還を提出している場合には、株価評価では20%借地権計上、土地は80%評価でしょうか。)

③  上記①で権利金の認定課税を受ける場合でも、実際には更正期間をかなり徒過しているため課税は生じないのですが、この度、甲が当該土地の一部においてトランクルーム事業を営むため、同族会社から土地の一部返還を受けた場合の課税関係及びその課税金額の計算はどのようになりますでしょうか。

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交際費と福利厚生費について

《質問》

 30周年記念式典・パーティーを、温泉旅館を借り切って行いました (宿泊)。
概ね一人当たり3万円強かかりました。
 来客は取引先が20名ほど、出席役職員は500名位です。
 租税特別措置法通達(交際費)とその逐条解説には、取引先が一人でも参加した場合には、職員分を含めて全額交際費になると記載されています。しかし、別添の解説書 (『交際費の税務』大蔵財務協会)には、主に取引先を中心とした場合には交際費として、「主に」という書き方になっています。実際の判断は通達ではなく、解説書に従って「主に」で判断し、今回のケースは、従業員部分は福利厚生費、取引先は交際費として扱っても問題ないでしょうか。
 また、「通常飲食に要する費用」の範囲は、3万円位は入りますでしょうか?場所の問題は、キャパ上、 温泉やホテルの宴会場しか物理的にも無理です。さらに、1泊していることは福利厚生費に計上する上 で制限になりますでしょうか。

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完全子法人株式等に係る配当等

《質問》

 甲社は乙社の株式を100%所有しております。また、乙社も甲社の株式を20%所有しております。甲社は株主に毎期配当金を支払っており、乙社に対しても配当金の支払いを行っております。
 内国法人が完全子法人等から、令和5年10月1日以後に支払を受けるべき配当等については所得税が課されず、源泉徴収は不要となりましたが、上記のように親会社である甲社が子会社である乙社に支払う配当金についても源泉徴収は不要という認識でよろしいでしょうか。

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