抱き合わせ株式の処理

《質問》

 100%子会社を吸収合併した時の処理についてお伺いいたします。
子会社
 現金   100 / 買掛金  100
 売掛金  100 / 資本金   50
           / 剰余金   50
         (別途積立金 45、繰越利益金 5)
 この法人を吸収した時の親会社の会計処理について教えてください。
親会社の子会社株式は 60です。

 資産及び負債はそのまま受入処理をすればよいと考えますが、子会社の資本金及び剰余金をどうするのか、子会社株式をどのように償却するのか合併法人(親会社)の会計処理及び税務処理について教えてください。

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株式の買取価格などについて

《前提》

 自己株式33,751,200円があります(資料参照)自己株式取得時の計算は
  28,126株  ×  @1,200円  =  33,751,200
 このたび、この自己株式すべてと従業員持ち株会の社員2名の持ち株すべてを現社長の父(既存株主で前代表取締役=創業者)が買い取る事になりました。背景にコロナで急速に業績悪化 ⇒ 従業員持ち株会の社員が譲渡を希望も買い手がいない ⇒ 仕方なく自己株式化 ⇒ さらなる業績悪化で銀行から自己株式の解消の要求&持ち株会の他の社員から更なる譲渡希望 ⇒ 買い取る資金のある人が創業者しかいないという流れになっています。

(1)自己株式の処分について
◇ この株式の買い取り単価(適正な時価)の算出方法を教えてください。
◇ この会社は財産評価通達の大会社に該当するかと思います(従業員116名、うちパートアルバイト11名)。類似業種比準価額で計算すると単価は@997円になります。時価が997円であるとした場合、課税関係は下線のとおりでよろしいでしょうか。
(会社の処理)  資本等取引につき課税関係の問題は生じない
   (現金預金) 28,041,622    (自己株式) 33,751,200
  (自己株式処分差損  =  その他の資本剰余金) 5,709,578

(個人の処理)  発行会社が自社の株式を買い取った場合のみなし配当のような規定はないので課税関係なし
(投資有価証券)28,041,622  (現金預金)28,041,622  ←取得価格

◇ 時価より低い価格又は高い価格で譲渡した場合のそれぞれの課税関係を教えてください。
◇ 自己株式を処分した場合、その他の資本剰余金がなくマイナスになるので、別途積立金を減らすしかないと思いますが正しいでしょうか?

(2)従業員持ち株会の社員の株式を社長の父が買い取る場合について
 持ち株会は民法上の組合方式です。持ち株会発足時の買取価格が1,200円で、以後持ち株会内での従業員同士での価格も1,200円で動かせないという事情があります。
◇ この株式の買い取り単価(適正な時価)の算出方法を教えてください。
◇ 時価より低い価格又は高い価格で譲渡した場合のそれぞれの課税関係を教えてください。

《資料》
同族会社等の判定に関する明細書

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特定資産の買換え特例における注意点 その2

《質問》

 特定資産の買換え特例の適用になるか否か教えてください。
① 買換え物件が別荘の土地建物で、自社の従業員又は子会社の従業員へ保養所として貸し付ける目的で取得するものです。
 この別荘は、「事業用資産」に該当すると言えるでしょうか。
② また、買換え物件を法人が自社保養兼同族会社への賃貸の場合、更に、第三者へたまには賃貸の場合は「事業用資産」に該当するでしょうか。

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特定資産の買換え特例における注意点 その1

《質問》

 国内の10年超保有している遊休の土地を売却して新たに建物を建てた場合に4号(現3号)圧縮圧縮記帳を検討しています。この時
① 遊休土地を譲渡資産とすることの可否
(所得税では事業の用に供している土地と制限があるのですが法人では規定が見当たりません。)
② 土地の譲渡益に対して建物を買換資産として、圧縮記帳を適用することの可否を教えてください。

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特定資産の買換えの圧縮記帳

《質問》

 法人(資本金1千万、6月決算)は、不動産賃貸業を業務としており、約40年以上前から2棟のマンション(土地、建物)を国内に所有して、賃貸収入を得ています。
 1つの物件を今期、売却して利益を計上する予定ですが、来期中にもう1つの物件を取り壊して、建設に着手し、3年以内に完成して、賃貸募集をすれば、売却益について特定資産の買換えの圧縮記帳が認められるでしょうか(措置法65の7①表4、通達65の7(2)-1)。

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生命保険の支払者と契約者が違う場合の課税関係

《質問》

 生命保険の課税関係を教えてください。
 特にケース3・4・5がわかりません。

〈契約〉
死亡保険金       2,500万円 現在までの契約経過年数20年
契約者         B
実際の保険料負担者   A(Bの母)
被保険者           B
受取人            C(Bの子)

【ケース1】  Bが死亡した場合・・・・AからCへ2,500万円の贈与に該当し、Cへの贈与税

【ケース2】  仮に契約者を母Aにした場合・・・・ケース1と同じ

【ケース3】  保険料負担者をAがらBに変更した後、Aが3年後に死亡。その後B(被保険者)が10年後に死亡した場合

【ケース4】  Aが死亡し、その時に保険料負担者をBに変更した後、B(被保険者)が10年後に死亡した場合

【ケース5】  保険料負担者をAからBに変更した後、BがAより先に死亡し、その後Aが 死亡した場合

【ケース6】  解約して解約返戻金がBに入った場合・・・・解約返戻金が母(A)からBへの贈与としてBへの贈与税

【ケース7】  現状の契約で、保険料相当をAがBに贈与していると認められた場合
①  年間保険料が110万円を超えれば、支払保険料の金額がAからBへ贈与されたものとして、Bに対して贈与税
②  Bが死亡した場合は、Bの相続税

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加算税の基礎知識(その1) 過少申告加算税 3回のうち3回目

今回は、過少申告加算税賦課における「更正の予知」について解説いたします。

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加算税の基礎知識(その1) 過少申告加算税 3回のうち2回目

今回は、過少申告加算税賦課における「正当な理由」について解説いたします。

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加算税の基礎知識(その1) 過少申告加算税 3回のうち1回目

《質問》

 税務調査において、調査官から非違を指摘され、修正申告を提出すると、必ずや過少申告加算税がセットとなって追徴されることとなります。
 今まで、疑問を抱かずにいましたが、事案や事由によっては賦課されない場合があると聞きました。
 それは、その経理処理をしたことについて「正当な理由」がある場合や、「更正の予知」をせずに自主的に修正申告をした場合などが該当するとのことですが、身近な場面でのこのようなケースについて、教えてください。

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法人が不動産を信託し受益権を売却した場合の課税関係について

《質問》

 A法人が自己信託を行い、信託受益権を収益受益権と元本受益権に分割し、収益受益権 をB法人へ、元本受益権をC法人へ売却する場合の課税関係についての質問です。
 収益受益権および元本受益権を売却した際、信託が中途で解約された際、信託が終了し た際の課税関係は、それぞれどのようになるでしょうか。

《事実関係》

 信託財産は賃貸用建物で、信託受益権の適正な時価は6億円です。
 信託受益権の譲渡時に財産評価基本通達で計算した場合の時価は、それぞれ収益受益権 が6億円、元本受益権が0円です。また、信託期間満了時の評価額は、それぞれ収益 受益権が0円、元本受益権が5億円となる見込です。
 信託期間満了時の残余財産の帰属者はC法人です。
 なお、全ての法人にグループ法人税制の対象となる資本関係はありません。

《当方の見解》

 収益受益権の売却時は、収益受益権には賃料収益を受領する権利が帰属するため、建物 はB法人に譲渡されたものとし、A法人ではB法人へ対する建物の売却、B法人ではA 法人からの建物の購入があったものとして処理すると考えます。
 元本受益権の売却時は、財産評価基本通達上は元本受益権の評価額は0円であるため、 法人税法上の評価も0円とし、また、将来元本を受け取る権利5億円があるものの 実現しているものではないため、課税関係は発生しないと考えます。
 信託契約を終了前に解約した場合、建物を所有する権利はB法人からC法人へ移転する 事になるため、B法人からC法人へ時価で寄附が行われたものとし、B法人では寄附金 の損金不算入、C法人では受贈益に対する課税が行われるものと考えます。
 信託契約が終了した際は、B法人は賃料収益を受領する権利が消滅するため、収益受益 権譲渡時に計上していた建物の除却が発生し、C法人は建物を所有する権利が発生する ため、5億円の建物の取得と受贈益が発生すると考えます。

①  収益受益権の譲渡時は、収益受益権を取得したB法人が建物を取得したものとする処理でよろしいでしょうか。
② 元本受益権の譲渡時は、将来発生することになる5億円相当の引渡請求権をB法人においては負債、C法人においては資産として認識しなくてもよろしいでしょうか。
③ 信託契約終了時のB法人の処理は、除却損ではなくC法人への寄附として処理する必要があるのでしょうか。

tempsnip

《問題点》

 A法人から収益受益権6億円をB法人が取得した時にA法人は有償で6億円でB法人に建物を売却したことになり、簿価との差額が建物売却益となりB法人は建物6億円の取得として減価償却していく。10年間の賃料が仮に2億円と仮定しその間の減価償却費が1億円と仮定すると信託終了時のB法人の簿価は5億円となる。信託期間終了によって収益受益権は0円になるのでB法人で除却損5億円を計上すると、10年間の収入2億円に対し減価償却費1億、除却損5億円、合計6億円の損金が発生し差し引き4億円が損金過多になる。もちろんC法人は5億円の受贈益発生。
 このことによりB法人からC法人への利益移転が図れる?

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