居住用賃貸住宅の仕入税額控除の制限 その1

《質問》

 顧問先法人が、熱海に従業員用の保養所としてリゾートマンションの一室を購入しました。税務調査が令和6年4月にあり、控除税額は認められないとのことです。
 リゾートマンションで作りが居住用、さらに保養所の看板がついていないから居住用でしょう、と指摘されています。本件保養所が居住用でない旨の書類を提出して欲しいとのことです。
 弊社としては居住用とは年単位で住むものと認識しているので、社宅・寮はそのような使い方をすることもあるかと思いますが、保養所は継続的に住むものではないかと思いますので入り口から議論がすれ違っている感じがします。

“居住用賃貸住宅の仕入税額控除の制限 その1” の続きを読む

種類株式がある場合の使用人兼務役員の判定など

《前提》

 普通株式とA種類株式(内容は配当優先&議決権なし)を発行している会社があります。
・発行済株式数15,000株
<内訳>
・代表取締役社長                普通株式1,000株
・社長の子(取締役営業部長に就任予定)     A種類株式1,000株
・従業員持株会(民法上の組合方式で構成員は赤の他人で5名)
            A種類株式13,000株 (2,600株×5人=13,000株)

① 同族会社の判定1
1. 持ち株で判定
 民法上の組合形式の持株会は構成員5名の合計株数を1人の株主グループとするのか、各構成員を1グループとするのかどちらでしょうか。
 次頁資料を見ると議決権の不統一行使が可能なので単独で判定するとあります。

 単独判定だとすると持ち株会の上位3人×2,600 = 7,800 / 15,000 = 52%
50%超なので同族会社1人の株主と見ると、(第1グループ持株会13,000+第2グループ社長一族2,000) /  15,000=100%
50%超なので同族会社どちらが正しいでしょうか。

2. 議決権で判定1,000 / 1,000 = 100%  50%超なので同族会社

② 同族会社の判定2
 私の理解ですと、持ち株判定と議決権判定のどちらか大きい方で判定するとの理解ですが合っていますか。

③ 社長の子の使用人兼務役員の判定について
 上記判定2が正しいとすると、議決権割合で判定すると社長グループが100%になるので議決権で判定する ⇒ 同族会社 ⇒ 50%基準と10%基準は満たすが5%基準は満たさない(議決権がない)ので、使用人兼務役員になれるとの理解ですが合っていますか。

④ みなし役員の可能性
 仮に社長の子がただの部長に就任した場合みなし役員とされる可能性はありますか。

⑤ 執行役員について
 社長の子が、社内呼称及び名刺に常務執行役員と記載する(会社法の取締役ではないので登記はない)だけにした場合、役員ではないので、定期同額給与でなくてもOK&事前確定届も提出する必要ないので支払う賞与は損金算入OKだと考えますが正しいでしょうか。

〔木本税務会計事務所コラム〕

木本税務会計事務所コラム

“種類株式がある場合の使用人兼務役員の判定など” の続きを読む

国外転出時課税(相続)

《事実関係》

居住者のAが亡くなりました。相続人は妻Bと子C・Dです。
 子Cは非居住者に該当します。
 相続財産には有価証券(上場株式)があり、時価1億円は超えています。
 子Cは相続財産である上場株式を取得した後に売却することを予定しています。

《質問》

 国外転出時課税(相続)に該当するかと思いますが次の点についてご教示ください。
 NISA口座で管理する株式等がありますが、国外転出時課税(相続)の判定はどのようになりますか。また、所得税の非課税の扱いはどうなりますか。
 譲渡した場合の課税関係はどうなりますか。

“国外転出時課税(相続)” の続きを読む

個人事業主は、期限後申告が継続または無申告の場合、青色申告は取り消されるのか。

《質問》

 青色申告者である個人事業者が、事業所得の金額が発生しないため(純損失または「ゼロ」となる等)、申告をしなかったり、連年期限後申告となった場合、青色申告の承認の取消事由に該当しますか。

“個人事業主は、期限後申告が継続または無申告の場合、青色申告は取り消されるのか。” の続きを読む

相続により取得した個人年金保険の年金受給権を取得した場合の課税関係

《質問》

 夫Aが死亡しました。配偶者Bが生命保険契約に基づく年金の受取人となっていますので今後年金を受領することになります。相続税・所得税の課税関係はどのようになりますか。
契約内容は次のとおりです。
契約者(保険料負担者)A
被保険者A
年金受取人B
年金支払期間 10年5月間 月額 12万円 年金受取総額 1500万円

“相続により取得した個人年金保険の年金受給権を取得した場合の課税関係” の続きを読む