無償返還届出書と評価について

《概要》

◇ 第一次相続は平成28年に発生しました。
 被相続人Xの所有する土地の上に、Xが経営していた同族会社の建物が建っていました。
  土地の評価 : 2.2億、借地権割合80%
  権利金の授受 : なし
  年間地代 : 420万円
  無償返還届出 : 提出していない
 そのため、相当の地代に満たない場合の底地借地権割合により評価し、平成28年当時の相続税申告を行いました。
 結論として、土地の評価額2.2億、借地権価額1.5億(株価に加算)、底地評価0.7億でした。
 その後、この土地はXの子(次男)に相続されましたが、同族会社の株式については、Xの妻Yに相続されております。

◇ 令和6年9月に第二次相続(妻Yの死亡)が発生し、現在、被相続人Yの相続税申告を進めております。なお、現時点でも無償返還届出は提出されておりません。

《懸念点・質問事項》

①  借地権に関する認定課税リスクについて
 土地はすでに次男が所有しているため、相続税の対象ではありませんが、建物を所有する同族会社の株式は、被相続人Yの保有分が相続対象となります。
 この際、相当の地代に満たない借地権があるとして株式評価上の借地権相当額を加味する必要があると理解しておりますが、その際に認定課税を受けるリスクがあるかを懸念しております。平成28年当時の相続では認定課税はされませんでしたが、今回は問題ないでしょうか。

②  無償返還届出の提出による影響について
 無償返還届出について、すでに相続が発生している状況ではありますが、現所有者である次男の意思により今から無償返還届出を提出することは可能でしょうか。
 また、その場合、被相続人Yの相続において、相当の地代に満たない借地権の計算ではなく、借地権割合(20%)を加味した株価評価は可能になりますでしょうか。また、認定課税のリスクを回避できますでしょうか。

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居住用賃貸建物の取得・売却について

《質問》

 簡易課税を選択している法人です。
 コンサルをしている会社で、コンサルの売上は毎期1,500万円ほどです。
 今後、賃貸用不動産を購入予定です。

 購入の時に簡易課税を選択していたとします。
 翌々課税期間までに賃貸用不動産を売却した場合、簡易課税を取り下げて売却する課税期間は原則課税になっていたら、仕入税額控除は可能でしょうか。

 購入の時に簡易課税、翌々課税期間までには売却せず、それ以降に賃貸用不動産を売却した場合は、簡易課税のままのほうが有利という考えで合っていますか。

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事前確定届出書の日付で支払が行われていない場合の取扱い

《質問》

 今回、顧問先で税務調査がありました。
 事前確定通りの日付で支払いが行われていないため、役員賞与について否認の指摘を受けています。
 7月決算法人 届出支給日R5.7.23 支給日R5.7.14
 支給日が早まったのは経理担当者の出産予定日の関係です。

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措法40条の特例を適用した場合の確定申告について

《質問》

 個人Aから宗教法人Bに土地を寄付するにあたり、措法40条の特例を使って譲渡所得を非課税にする申請をしている。現状、申請書自体は税務署の受領印が押された状態であり、承認の通知を待っている状態です。
 今回、個人Aの確定申告をすることにあたり、以下の質問をさせていただきます。
 個人Aの令和6年度の所得としては、「状況」にも明示した土地の譲渡と、わずかばかりの年金の2種類です。今回、措法40条の特例を無事適用できたとすれば所得は年金のみであり、また金額も少ないことから確定申告をする必要はなくなるのではないかと考えています。
 この考え方で問題がないかどうか、また、もし措法40条の承認申請をしていることを確定申告時に明示したりする必要があるのであれば、その贈与はなかったものとみなされるので、添付書類や必要提出物としては何があるのかをご教示いただければと思います。

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