【納税地等】
1 原則として申告書提出時の住所地が納税地となります(所法15①)。
申告書の書き方
『現在の住所』欄
申告書の提出日における住所地の郵便番号と住所を記入します。
住所地以外の居所・事業所等の所在地を管轄する税務署に申告をする方は、(別添資料参照)の記載例のように、当てはまる文字を○で囲んだ上、上段に居所・事業所等の所在地と下段に住所を記入します。
例(別添資料参照)
住所:越谷市南越谷1-12-10
事業所:さいたま市南区別所5-15-2
2 住民税の課税
令和8年1月1日現在の住所地で課税しますので、その前に死亡したり、海外居住となった場合には、令和8年分(7年分の所得)の住民税の課税はありません。
<参考資料>

【金融商品 利子・配当・株式譲渡】
1 上場株式の配当等の課税の概要(国税庁H/P №1331より)
上場株式等の配当等(一定の大口株主等が受ける上場株式等の配当等を除きます。以下同じです。)については、総合課税に代えて申告分離課税を選択することができます。また、申告をしないことを選択することもできます。
なお、上場株式等の配当等を申告する場合には、その申告する上場株式等の配当等の全額について、総合課税と申告分離課税のいずれかを選択することになります(総合課税を選択した場合については、コード1330「配当金を受け取ったとき(配当所得)」を参照してください。)。
確定申告において上記のいずれかを選択した場合は、その後、修正申告や更正の請求において、その選択を変更することはできません。
申告分離課税の税率は、20.315パーセント(所得税および復興特別所得税15.315パーセント、地方税5パーセント)の税率が適用されます。
(注1) 平成25年から令和19年の各年分の確定申告においては、所得税と復興特別所得税(原則として、その年分の基準所得税額の2.1パーセント)を併せて申告・納税することになります。
(注2) 平成28年以後に支払を受ける特定公社債等の利子等を申告する場合に は、その利子の金額は、すべて、上記の税率による申告分離課税の対象とされますが、確定申告不要制度により申告しないこともできます。
(注3) 大口株主等が支払いを受ける上場株式等の配当等は、総合課税の対象となり、申告分離課税や確定申告不要制度(少額配当である場合を除きき。) を選択することはできません。
なお、令和5年10月1日以後に支払われる上場株式等の配当等については、その支払いを受ける方およびその支払いを受ける方を判定の基礎となる株主として選定した場合に同族会社に該当する法人が保有する株式等の発行済株式等の総数等に占める割合(株式等保有割合)が3パーセント以上となる場合、その支払われる配当等については、大口株主等と同様、総合課税の対象となります。

〇 上場株式等の配当等(大口株主等が支払いを受ける上場株式等の配当等を除きます。)の源泉徴収
15.315パーセント(他に地方税5パーセント)の税率により所得税および復興特別所得税の源泉徴収が行われます。
なお、大口株主等が支払いを受ける上場株式等の配当等は、20.42パーセントの税率により所得税および復興特別所得税の源泉徴収が行われます。
(注) 平成25年1月1日から令和19年12月31日までの間に支払を受ける配当等については所得税とともに復興特別所得税が源泉徴収されます。
〇 配当控除の適用
申告分離課税を選択した上場株式等の配当所得については、配当控除の適用はありません。
〇 上場株式等に係る譲渡損失がある場合
上場株式等に係る譲渡損失の金額がある場合またはその年の前年以前3年内の各年に生じた上場株式等に係る譲渡損失の金額のうち、前年以前で控除されていないものがある場合には、一定の要件の下、申告分離課税を選択した上場株式等の配当所得等の金額から控除することができます(当該上場株式等の配当所得等の金額を限度とします。)。
〇 上場株式等の配当等に関する課税関係の主な部分を整理すると、次のとおりです。
| 確定申告をする | 確定申告をしない
(確定申告不要制度適用) |
||
| 総合課税を選択 | 申告分離課税を選択 | ||
| 借入金利子の控除 | あり | あり | なし |
| 税率 | 累進税率 | 所得税 15.315% 地方税 5% | |
| 配当控除 | あり(※1) | なし | なし |
| 上場株式等の譲渡損失との損益通算 | なし | あり | なし |
| 扶養控除等の判定 | 合計所得金額に含まれる | 合計所得金額に含まれる (※2) |
合計所得金額に含まれない |
※1 外国法人から受ける配当等、特定目的信託に係る配当等、特定目的会社から支払を受ける配当等、投資法人から支払を受ける配当等、特定受益証券発行信託の収益の分配に係る配当等などは、配当控除の対象となりません。詳しくは、コード1250「配当所得があるとき(配当控除)」を参照してください。
会計ソフトを使い申告書を作成する際、配当所得の10%(5%)の金額を自動的に配当控除の金額として算出してしまう場合があるので注意をしてください。
※2 上場株式等に係る譲渡損失と申告分離課税を選択した上場株式等に係る配当所得との損益通算の特例の適用を受けている場合にはその適用後の金額、上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除の適用を受けている場合にはその適用前の金額になります。
2 金融商品申告に当たっての注意事項
⑴ 課税方法選択に当たっての注意事項
確定申告を要しない利子所得、配当所得を申告した場合には、その後の修正申告や更正の請求において有利になるからといって除外することはできません(措通8の5-1)。
また、確定申告を要しない利子所得、配当所得の申告漏れまたは申告をしなかったことを選択した場合、それらを含める修正申告や更正の請求をすることはできません。
⑵ 源泉徴収選択口座内で利子、配当等を受領している場合の注意事項
① 複数の源泉徴収選択口座を有するときは、それぞれの源泉徴収選択口座ご
とに申告要・不要の選択をすることができます(措法37の11の6⑨)。
一口座内の利子・配当所得のいずれか一方だけを申告、または申告しないとする選択はできません。
なお、源泉徴収選択口座以外で受け取る利子等または配当等ついては、1回に支払いを受けるべき利子等または配当等ごとに選択することができます(措法8の5④)。
② 株式譲渡益と利子・配当所得(損益通算がされていない場合)別々に申告不要又は申告の選択をすることはできますが、譲渡損失と配当等が損益通算されている場合においては、譲渡損失を申告するときは同時に配当等・利子所得の申告が必要となります(措法37の11の6⑩)。この場合、配当等について総合課税又は申告分離課税いずれの方法も選択できますが、利子等については総合課税を選択することはできません。
⑶ 外国金融商品市場において売買される株式等について
外国金融商品市場において売買されている株式等も上場株式等に含まれますので、外国の証券会社等が管理運用している外国上場株式の配当は申告分離課税の選択ができますし、国内の金融商品取引業者を通じての上場株式に係る譲渡損失との損益通算ができます。
しかし、日本の金融商品取引法上の登録を受けていない金融商品取引業者等を通じて行う「上場株式等の譲渡」については、損益通算等が制限されています。損益通算等の関係をまとめると次のようになります(措法8の4①一、37の11②一、37の12の2①)。
① 国内の金融業者を通じて行い生じた国内上場株式等の譲渡損益と、日本に登録のない国外の金融業者を通じて行った国外上場株式等の譲渡損益については通算できます(譲渡内通算)。しかし、通算できなかった国外上場株式等の譲渡損失はなかったものとみなされ、国内の上場株式等の配当等との損益通算ができません。
② 国内の金融業者を通じて行い生じた国内上場株式等の譲渡損失と国外上場株式の配当等とは損益通算できます。
③ 国外の金融業者を通じて行い生じた国外上場株式の譲渡損失と国内の上場株式等の配当等とは損益通算できません。
④ 国外の金融業者を通じて行い生じた国外上場株式等の譲渡損失と国外の上場株式等の配当等とは損益通算できません。
3 非上場株式の配当等
少額配当(1銘柄について1回に支払いを受けるべき金額が、10万円にその配当の計算期間月数を乗じ12で割った金額以下)に該当しない限り総合課税で確定申告が必要です。
非上場株式の配当等と非上場株式の譲渡損との損益通算はできません。また、非上場株式等譲渡所得と上場株式等譲渡所得との間の損益通算(それぞれの譲渡所得内通算は可)もできません。
なお、住民税においては少額配当に該当しても申告書への記載が必要です。
【不動産所得】
1 収入計上時期
契約又は慣習により支払日が定められているものについては支払日、支払日が定められていないものについては支払を受けた日が収入計上時期です(所基通36-5⑴)。
したがって、例えば契約により3年間分を一括で受領した賃貸料収入はその全額を受け取った年分の収入として申告することになります。この場合の必要経費は賃貸期間が終了するまでの期間に通常生じると見込まれる費用を見積もって算入することができます(所基通37-3)。
また、臨時所得の平均課税の適用を検討する必要があります。
なお、帳簿書類を備えて継続的に記帳することにより、期間対応による収入計上(前受収入、未収収益の経理)も認められています(昭和48.11.6直所2-78)。
2 不動産所得者が死亡し相続が発生した場合の申告
〈所得税〉
遺産分割が行われるまでの期間は法定相続分で収入を区分し相続人が申告をします。遺産分割が行われても、未分割期間中の不動産収入の帰属に影響を及ぼすものではないので、分割の確定を理由とする更正の請求又は修正申告はできません(国税庁H/Pタックスアンサー№1376)。
〈消費税〉
⑴ 事業承継した場合の消費税の納税義務の判定
〇 相続のあった年の判定
被相続人の基準期間における課税売上高または相続人自身の基準期間の課税売上高が1,000万円超の場合 ⇒ 課税事業者となります。
〇 相続の翌年と翌々年の判定
相続人と被相続人の基準期間における課税売上高の合計が1,000万円超の場合
⇒ 課税事業者となります。
⑵ 年末までに事業承継者が確定していない場合の納税義務者の判定
ア 年末までに遺産分割が行われなかった年分
被相続人の基準期間の課税売上高を法定相続分により按分した金額を基礎として各相続人の納税義務を判定します(消基通1-5-5)。
イ 遺産分割が行われた年分
納税義務は課税期間の開始する前に判明していなければならないので、分割の前年12月31日の現況に基づいて判定します。(文書回答事例 東京国税局 平成24.9.18)。
ウ 相続があった年分に分割があった場合(遺言なし)
納税義務は課税期間の開始する前に判明していなければならないので、被相続人の基準期間の課税売上高を法定相続分により按分した金額または相続人の基準期間における課税売上高により各相続人の納税義務を判定します(文書回答事例 大阪国税局 平成27.3.24)。
3 事業規模による課税上の取扱い
| 事業的規模 | 事業的規模に至らない(小規模) | |
| 資産損失 | 損失の金額を損失の生じた年分の必要経費に算入(所法51①) | 損失の金額を損失の生じた年分の所得金額を限度として必要経費に算入(所法51④) |
| 貸倒損失 | 賃貸料等の貸倒による損失は、貸倒の生じた年分の必要経費に算入(所法51②) | 賃貸料等の回収不能による損失は、その収入が生じた年分に遡り収入がなかったものとみなす(更正の請求(所法64①)) |
| 延納に係る利子税 | 不動産所得に対応する部分は必要経費に算入 | 必要経費に算入できない |
| 青色事業専従者給与 | 青色事業専従者に支払った労務の対価である給与は必要経費に算入〖専従者給与は給与所得となる〗(所法57①) | 適用なし |
| 事業専従者控除 | 専従者1人につき50万円、配偶者は86万円を必要経費に算入〖専従者控除額は給与所得となる〗(所法57③) | 適用なし |
| 青色申告特別控除 | 一定の要件を満たせば最高額65万円の控除(措法25の2③④⑤) | 最高10万円の控除(措法25の2①) |
4 損益通算の適用
不動産所得の計算上生じた損失額は、原則損益通算の対象となりますが、次の不動産所得に係る損失額については損益通算ができません。
⑴ 生活に通常必要でない資産
貸別荘の貸付等生活に通常必要でない資産に係る所得の計算上生じた損失は生じなかったものとみなしますので、損益通算はできません(所法69②)。
⑵ 土地等の取得のための借入金利子
不動産所得の金額の計算上生じた損失のうち、土地等の取得のための借入金利子は損益通算の対象とはなりません(措法41の4、措令26の6)。
なお、個人事業税においては、土地等の取得のための借入金利子も必要経費に算入されることになっています。
⑶ 国外中古建物の貸付から生じる損失
国外中古建物の貸付から生じた不動産所得上の損失額のうち、耐用年数を『簡便法』により算定した償却額の一定のものについては損失は生じなかったものとして取り扱われ、損益通算の対象から除外されています(措法41の4の3、措令26の6の3)。したがって、新築の建物や簡便法により償却費の算定をしていないものは、損益通算の対象となります。
複数の国外中古建物を所有する場合、国外中古建物ごとに区分して不動産所得を計算します。
5 個人事業税について
個人事業税の課税対象となる「不動産貸付業」、「駐車場業」は、所得税の取扱いを参考とするとともに、東京都は以下の認定基準により課税しています。
≪不動産貸付業・駐車場業の認定基準≫
| 種類・用途等 | 貸付用不動産の規模等(空室などを含む。) | |||
| 不動産貸付業 | 建物※1 | 住宅 | ①一戸建 | 棟数が10以上 |
| ②一戸建以外 | 室数が10以上 | |||
| 住宅以外 | ③独立家屋 | 棟数が5以上 | ||
| ④独立家屋以外 | 室数が10以上 | |||
| 土地※2 | ⑤住宅用 | 契約件数が10以上又は貸付総面積が2,000㎡以上 | ||
| ⑥住宅用以外 | 契約件数が10以上 | |||
| ⑦上記①~⑥の貸付用不動産を複数種保有している場合 | ①~⑥の総合計が10以上又は①~⑥いずれかの基準を満たす場合 | |||
| ⑧上記①~⑦の基準未満であっても規模等からみて、不動産貸付業と認定される場合 | 貸付用建物の総床面積が600㎡以上であり、かつ、当該貸付用建物の賃貸料収入金額が年1,000万円以上の場合(権利金、名義書換料、更新料、礼金、共益費、管理費等は除きます。) | |||
| 競技、遊技、娯楽、集会等のために基本的設備を施した不動産(劇場、映画館、ゴルフ練習場など) | ||||
| 一定規模の旅館、ホテル、病院など特定業務の用途に供される建物 | ||||
| 駐車場業 | 寄託を受けて保管行為を行う駐車場 | 駐車可能台数が1台以上 | ||
| 建築物・機械式等である駐車場 | ||||
| 上記以外の駐車場 | 駐車可能台数が10台以上※3 | |||
| ※1独立的に区画された2以上の室を有する建物は、一棟貸しの場合でも室数により認定します。 ※2土地の貸付件数は、1つの契約において2画地以上の土地を貸し付けている場合、それぞれを1件と認定します。 ※3「駐車場業」の取扱いを一部変更いたしました。詳細につきましては、「個人事業税 の「駐車場業」に関する取扱いについて(お知らせ):東京都主税局」をご確認ください。 |
||||
【事業所得・不動産所得共通】
1 租税公課
■ 必要経費となるもの
事業税、固定資産税、自動車税、登録免許税、印紙税等
■ 必要経費とならないもの(家事費)
所得税、相続税、住民税、延滞税、加算税、罰金等
2 事業用不動産を相続した時の固定資産税・事業税の経費計上について
⑴ 相続開始前に納税通知があった場合
被相続人が次のいずれかを選択し、必要経費に算入します。
①全額 ②納期到来分 ③納付済み分
なお、②と③について被相続人が控除できなかった分については、事業を承継した相続人が必要経費に算入します(所基通37-6)。
⑵ 相続開始後に納税通知があった場合
相続開始日において、納付すべきことが確定していないので被相続人は必要経費にすることはできず、事業を承継した相続人が上記①~③いずれかを選択して必要経費に算入します。
なお、相続開始時に未払となっている固定資産税等については、相続税において債務控除の対象となります。
3 被相続人の事業用減価償却資産を引継いだ後の減価償却
事業を承継し、事業用減価償却資産を取得した相続人は、取得価額・帳簿価額・耐用年数を被相続人から引き継ぎますが、償却方法は引き継ぎません。相続した時期により届出または法定の償却方法で償却費の計算を行います。例えば、器具備品、車両運搬具について定率法を採用する場合には、届け出が必要になります(所法60①、所令126②)。
4 家事用資産を業務用に転用した後の減価償却費
〈所得税〉
車両、建物等家事用に供していた減価償却資産を業務用に転用した場合、転用時の未償却残高を算定する必要があります。未償却残高は当初取得価額を基礎として法定耐用年数×1.5の年数で旧定額法に準じて算出します(所法38,所令85,135)。
転用後の減価償却額を、取得価額は当初のもの、耐用年数は法定耐用年数(当初取得が中古資産であれば簡便法も可)で算定します(国税庁H/Pタックスアンサー№2109)。
〈消費税〉
非業務用資産を業務用に転用した場合であっても、その未償却残高を課税仕入れの金額とみなす規定はありませんので、仕入税額控除の適用できません。
なお、業務用資産を非業務用とした場合にはみなし譲渡の規定より課税売上となります(消基通5-1-2(注))。
5 アパートを取得するにあたっての借入金利子
給与所得者や事業所得者が、借入金でアパートを新たに取得し業務を開始した場合、業務を開始するまでの期間に対応する借入金利子は資産の取得価額に算入し、必要経費に算入できません(所基通37-27,38-8)。
「業務を開始」についての裁決事例
〇 太陽光発電に係る請負契約締結、契約金支払、発電を行うための申請手続き等事業を行うための準備行為を行った日を事業開始日とする(平成29.6.16裁決)
〇 賃貸アパート建設開始等確実に貸付に供されるものと判定できる客観的な状態を業務開始日とする(平成3.7.10裁決)
6 建物取壊損失、取壊費用
居住用建物を取壊し、事業用建物に建て替えた場合、取壊費用、資産損失については必要経費に算入することはできませんし(所法45①一)、新築建物の取得価額にもなりません。
事業用建物の取壊しについては、事業用に供しなくなってから速やかに建物を取壊しする場合には、取り壊し後に非業務用建物を建設することとなっても取壊費用、資産損失として必要経費に算入することができると考えます。
7 親が所有する建物を子が事業用に供した場合の必要経費
〈所得税〉
⑴ 生計を一にする親族(例えば父)の建物を借り、子が事業用に使用している場合
子が父に家賃を支払っても子は必要経費にできず、父も不動産所得の収入金額に算入する必要はありません。
子は建物所有に係る固定資産税、修繕費、減価償却費、損害保険料等を事業所得の必要経費に算入することになります(所法56)。
使用貸借の場合でも、子は固定資産税等を経費に算入することになります(所基通56-1)。
⑵ 父と子が生計を一にしていない場合
子が支払った家賃は事業所得の必要経費に算入します。父は受取家賃を不動産所得の収入金額に算入します。
〈消費税〉
所得税法56条に見合う規定は消費税法にありません。生計を一にする親族間で行った家賃の授受は、実際に支払った対価の額が資産の貸付として、子は仕入税額控除の対象とし、父は課税売上の対象となります。
使用貸借の場合、所得税と異なり、維持管理費用は子の課税仕入れとすることはできません(消基通5-1-10)。
8 車両の買換え(家事用に使用していた車両を下取りし、値引きを受け事業用車両を購入した場合)
〈所得税〉
旧車両の処分と新車両の取得は別個の取引として課税関係を判断します。
生活用動産としての車両の譲渡は非課税となります。
ただし、趣味で所有しているスポーツカーなどは譲渡所得(総合)として課税されます。損失が生じても「生活に通常必要でない資産ですので他の所得との損益通算はできません。
〈消費税〉
自家用車両の下取りについては、事業用資産の譲渡ではないため、下取り額について課税はありません。
新車両の取得は、事業上の仕入で、旧車両の下取りがあっても、下取り額の控除前の金額が課税仕入れの対価の額となります。(消基通5-1-8,10-1-17)。
9 青色申告承認申請書の提出期限
青色申告をしようとする場合、承認申請書は適用とする年分の3月15日までに提出を要します。新たに業務を開始した場合、開業の日から2月以内に提出をすればよいことになっています。
しかし、従前から小規模な不動産貸付業を営んでいる方が新規に事業を開始するような場合は、新たに業務を開始したことにはならず、3月15日までに提出する必要があります。
相続により事業を承継し業務を開始した場合の提出期限は次表のとおりです(所法144、所基通144-1)。
| (相続開始日)
被相続人 |
1/1~1/15 | 1/16~3/15 | 3/16~8/31 | 9/1~10/31 | 11/1~12/31 |
| 白色申告者 | ~3/15 | 相続開始日から2月以内 | |||
| 青色申告者 | 相続開始日から4月以内 | ~12/31 | ~翌年2/15 | ||
10 法人成り後の青色申告の効力
青色申告の承認を受けていた所得に係る業務を譲渡又は廃止した場合には、青色申告の承認の効力はその年限りで失われます(所法151②)。ただし、青色申告の承認が失効するのは、廃止した年の翌年からですので、廃止年の12月31日までは青色申告の効力は存続していることになります。法人成りに伴い事業の廃止とともに不動産所得に係る業務が発生するような場合、業務が継続していると認められますので改めて承認申請をすることはありません。
なお、廃止した年の翌年になって、事業を開始した時は改めて青色申告の承認申請をする必要(開業届出書も併せて提出)があります。
11 青色申告特別控除額(55万円または65万円)
⑴ 申告期限のない申告書を提出する事業所得者(還付申告の申告期限は無し)が、55万円または65万円の青色申告特別控除額の適用を受けるためには、3月15日の確定申告期限(令和7年分は令和8年3月16日)までに提出をしなければなりません(措法25の2④、措通25の2-5、6)。
⑵ 次の場合青色申告特別控除はどのように差し引くか
① 不動産100万円(規模小) 事業300万円 ⇒ 不動産から差し引く
② 不動産▲100万円( 〃 ) 事業300万円 ⇒ 事業から差し引く
③ 不動産100万円( 〃 ) 事業▲300万円 ⇒不動産から差し引く
引ききれない損失額は翌年分へ繰り越す
12 青色専従者給与(未払)
青色専従者給与の額は、労務の対価として相当であることが必要で、その前提として専従者給与の届出書に記載されている金額の範囲内で実際に支払われていることが求められますので、未払での専従者給与は認められません。
しかしながら、資金繰りなどの理由で月末払いが翌月払いになった場合など短期的なものであれば認められる取扱いとなっています。
13 中小企業倒産防止共済事業に係る基金に充てるための掛金(セーフティ共済)
中小企業倒産防止共済(セーフティ共済)の掛金(月額5千円~20万円)は、「特定の基金に対する負担金等の必要経費算入に関する届出書」の添付を要件に必要経費算入が認められています。
なお、令和6年10月1日以降に共済契約を解除し、再加入をした場合、解除の日から2年を経過する日までの間に支出する掛金については必要経費に算入できないことになっています(措法28②)