個人事業主が相続開始後に賦課された租税の必要経費算入について

《質問》

 個人事業主が本年3月30日に死亡しました。3月15日に前年分の所得税・消費税の確定申告を済ませました。本年分についても所得税・消費税いずれも期限(7月30日)までに(準)確定申告を済ませる必要があります。本年分の事業所に係る固定資産税、事業税については今後通知があるかと思います。また、消費税については税込処理となっています。
 このような場合、本年課税される固定資産税、事業税、消費税について被相続人、相続人いずれの必要経費となるのでしょうか。

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死亡した人の予定納税・中間申告

《質問》

 個人Aは自営業者で、毎年所得税、消費税の確定申告をしてきましたが、本年7月10日死亡しました。昨年分の所得税の確定申告額は50万円(事業所得だけの申告)、確定消費税額は60万円(年税額)で、所得税の予定納税の義務者、消費税の中間申告の提出義務者です。年の中途で死亡した個人Aの場合、予定納税、中間申告はどのようになるのでしょうか。

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生命保険の支払者と契約者が違う場合の課税関係

《質問》

 生命保険の課税関係を教えてください。
 特にケース3・4・5がわかりません。

〈契約〉
死亡保険金       2,500万円 現在までの契約経過年数20年
契約者         B
実際の保険料負担者   A(Bの母)
被保険者           B
受取人            C(Bの子)

【ケース1】  Bが死亡した場合・・・・AからCへ2,500万円の贈与に該当し、Cへの贈与税

【ケース2】  仮に契約者を母Aにした場合・・・・ケース1と同じ

【ケース3】  保険料負担者をAがらBに変更した後、Aが3年後に死亡。その後B(被保険者)が10年後に死亡した場合

【ケース4】  Aが死亡し、その時に保険料負担者をBに変更した後、B(被保険者)が10年後に死亡した場合

【ケース5】  保険料負担者をAからBに変更した後、BがAより先に死亡し、その後Aが 死亡した場合

【ケース6】  解約して解約返戻金がBに入った場合・・・・解約返戻金が母(A)からBへの贈与としてBへの贈与税

【ケース7】  現状の契約で、保険料相当をAがBに贈与していると認められた場合
①  年間保険料が110万円を超えれば、支払保険料の金額がAからBへ贈与されたものとして、Bに対して贈与税
②  Bが死亡した場合は、Bの相続税

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『iDeCo+』の所得区分

《質問》

 法人がiDeCo+(イデコプラス)を導入します。法人が従業員からイデコの掛金を差し引き、会社負担の掛金(奨励金)を加算し、まとめてイデコ実施機関に納付するシステムです。
 この会社負担の奨励金の課税関係はどのようになりますか。

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中古資産を非業務用から業務用に転用した場合の減価償却

《質問》

 個人(Aさん)が、中古で取得し、数年間、自己の居住用として使っていたマンションを貸付の用に供しました。そのマンションの建物部分について、令和5年分の減価償却費を計算しようと思うのですが、下記の算式でよいか確認をお願いします。
<目的のマンションの時系列>
①平成21年6月5日 新築(耐用年数:鉄筋コンクリート住宅用47年)
②令和3年5月25日 Aさん購入・居住開始、建物部分の取得価額23,358,890円
③令和5年3月30日 Aさん居住をやめて、賃貸開始

①~②までの期間は、居住用であったと思われます。
Aさん購入後に、目的のマンションについて、資本的支出は行われていません。

<令和5年分の減価償却費の計算>
1.業務の用に供した日における未償却残高相当額の計算
(1) 耐用年数:47年×1.5=70.5年→70年(1年未満切捨)→償却率0.015
(2) 上記②~③の経過年数:1年10か月→2年(6か月以上切上)
(3) 業務の用に供した日における未償却残高相当額
取得価額23,358,890円-23,358,890円×0.9×0.015×2年=22,728,200円

2.業務の用に供した後の減価償却費の計算
(1) 償却方法:令和3年5月取得のため、(新)定額法
(2) 業務の用に供した後の中古資産の耐用年数および償却率
・法定耐用年数:47年×12=564月
・経過年数:上記①~②の期間は、11年11か月と20日→11年11か月→143月
・耐用年数:(564-143)+143×20/100=449.6月→37.4666年→37年(1年未満切捨)
・償却率:耐用年数37年、定額法の償却率は、0.028
(3) 令和5年分の償却費の計算
取得価額23,358,890×0.028×月割り10/12=545,041円(1円未満切上)

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確定申告を要しない方から提出された確定申告書の撤回

《質問》

 個人Aはサラリーマンで、給与収入以外の所得は無く例年年末調整で課税関係が終了しています。今年は友人からの依頼により講演した報酬を20万円受領しましたので給与所得とともに確定申告をしました。納税額は6万円程ですが、申告した後、友人からの話によれば、確定申告書は提出する必要はなかったのではないかと指摘を受けました。この場合、更正の請求により税金を戻してもらうことはできませんか。

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