居住用賃貸建物について その2

《前提条件》

・ 個人事業者
・ 建物の引き渡しは令和6年3月
・ 令和6年12月31日までに事務所用として賃貸借契約を締結
・ 令和6年の課税売上割合は20%と予想。この物件以外にも不動産収入があり毎年の課税売上割合に変化はないと思います。
・ 令和5年は免税事業者ですが、令和5年中に課税事業者選択届出書を出すか、令和5年12月17日までにインボイスの登録申請書を提出して令和6年から課税事業者になる事を検討しています。

《質問1》

 R6の申告にて、建物に係る消費税を、個別対応方式の課税資産の譲渡等にのみ要するものとして申告して消費税の還付を受けた場合、その後入居者が入れ替わり、R7又はR8で居住用として新たに賃貸借契約を締結した場合、課税のみ対応から非課税のみ対応になるので転用の調整(転用した日の属する課税期間で還付を受けた消費税分の納税が発生する)をしなければならないでしょうか?

《質問2》

・ 還付を受ける為、R6から課税事業者になったが、R6で課税業務用の賃貸借契約が結べず、居住用として賃貸借契約を締結し、R6で個別対応方式の非課税のみ対応として申告(それでも少し還付になりそうです)。
・その後R7又はR8に入居者が入れ替わり事務所用として賃貸借契約を締結した。
 上記の場合には、以下の理解で良いでしょうか?

◇ 仕入れ等の課税期間では居住用賃貸建物に該当するので新設された、第3年度末に保有している事を条件として、第3年度で、居住用賃貸建物に係る消費税 ×(調整期間の課税業務用賃貸収入の合計 ÷ 調整期間の賃貸収入の合計)での調整計算を行う。
◇ 従来からの規定である、非課税のみ対応から課税のみ対応への転用の調整はない。

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居住用賃貸建物について その1

《前提》

・現在不動産賃貸を行っている個人事業者が、2024年3月完成予定のー棟マンション(すべての部屋にキッチンや風呂あり。)のうち2部屋を購入予定。賃貸用で人に貸す事は決まっているが、居住用なのか事務所用なのかは現時点で不明
・引き渡しは2024年3月
・高額特定資産に該当

《質問》

参考資料「税務通信」の記事をご覧ください。
今回の場合
1 記事にある様に一棟マンション自体が居住用としての作りになっている = 居住用賃貸建物に該当するので引き渡しを受けた日の属する課税期間では仕入税額控除不可
 ⇒ ただしその後実際に3年間事務所として貸した場合には、第3年度の課税期間の末日に物件を有しているときは第3年度の課税期間において加算調整が出来ると読めると思います。
2 ただし基本通達11-7-2には次の記載になっています。

(居住用賃貸建物の判定時期)
11-7-2 居住用賃貸建物に該当するかどうかは、課税仕入れを行った日(自己建設資産にあっては、法第12条の4第1項第2号《高額特定資産を取得した場合等の納税義務の免除の特例》に定める日。以下11-7-2において同じ。)の状況により判定し、同日において住宅の貸付けの用に供しないことが明らかでない建物(高額特定資産及び調整対象自己建設高額資産に限る。)については、居住用賃貸建物に該当するのであるが、当該課税仕入れを行った日の属する課税期間の末日こおいて、住宅の貸付けの用に供しないことが明らかにされたときは、居住用賃貸建物に該当しないものとして差し支えない。(令2課消2-9により追加)

 これを見ると、たとえ一棟マンション全体が居住用賃貸建物に該当しても、以下の場合には引き渡しを受けた日の属する課税期間において仕入税額控除可能という様に読めます。引き渡しを受けた日において、事務所用として賃貸借契約書を締結している、または引き渡しを受けた日において何も決まっていない、つまりこの時点では居住用賃貸建物に該当(わからない場合は居住用賃貸建物に含まれるという理解です。)するが、引き渡しを受けた日の属する課税期間の末日において事務所用として賃貸借契約書を締結している。
 裏返すと、引き渡し課税期間の末日において何も決まっていない場合のみ引き渡しを受けた日の属する課税期間では仕入税額控除不可 ⇒ その後3年の間に課税賃貸用になった場合のみ、第3年度で調整計算という様に思えます。
 どちらが正しいでしょうか。

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遺留分侵害額請求による小規模宅地等特例の可否

《事実経過》

1 当初申告
 令和4年1月20日に本件相続開始。
 本件被相続人(父)には長男と次男の二人の相続人がいますが、被相続人は長男に全ての財産を相続させる旨の公正証書遺言を残したため、長男は全相続財産を取得したとして法定申告期限内に相続税の申告をしました。
 なお、当該相続財産は現金・預貯金、有価証券のほかにA宅地(特定事業用宅地の要件を満たすもの)、及びB宅地(貸付事業用宅地等の要件を満たすもの)の二つの宅地であり、長男はA宅地を小規模宅地等の特例対象として選択をしています。

2 遺留分侵害額請求
 相続税の申告後、本件公正証書による相続は、次男の遺留分(法定相続分の二分の一)を侵害しているとして、次男は長男に対して令和5年2月28日に遺留分侵害額請求をしました。
 長男と次男は協議の結果、令和5年4月30日に遺留分侵害額が確定し、以下の合意書を作成しました。

3 合意書の要旨
 本来であれば遺留分侵害額に相当する金銭を支払うところであるが、長男に手持ち資金がないことから、長男は金銭に替えて遺留分侵害額に見合う価値のあるA宅地を次男に渡す。

《質問》

 長男は次男からの遺留分侵害額請求を弁済するので、当初申告した相続税の税額が過大となることから更正の請求をする予定です。
①  当初申告では、長男はA土地を特定事業用宅地として小規模宅地等の特例を適用しましたが、遺留分侵害額請求の代償としてA宅地を次男に所有権を移転した後においても、更正の請求においてA土地を小規模宅地として選択したまま更正の請求ができますか。
②  それともA宅地の替わりにB宅地に選択替えして「貸付事業用宅地等」として小規模宅地等の特例は適用して更正の請求をすべきでしょうか。

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消費税還付について

《前提》

個人で不動産賃貸を行っています。
課税売上は毎期360万円、非課税売上は1,700万円です。
360万円<1,000万円なので現在免税事業者です。
令5年12月完成引き渡し予定の一棟マンションがあります。そのうちの2部屋を購入予定(購入価格は一件あたり1,000万以上)で購入後、事務所用として賃貸する予定です。

《質問》

1 申請をして令5年10月1日から適格請求書発行事業者になった場合、令5年において、消費税の還付を受けることは出来ますか。
 その場合、個別対応方式なら、仮にその建物に係る消費税が200万円の場合、200万円の控除が可能でしょうか。
 引き渡しが令6年にずれ込んだ場合でも還付を受けることが出来ますか。
2 課税事業者選択届出書は提出しないでも大丈夫でしょうか。
3 毎年の課税売上が1,000万円以下(従来360万円 + 購入マンションの事務所用としての家賃収入500万円)だとした場合、最短で免税事業者(適格請求書発行事業者の取消し)となれる年はいつからでしょうか。
4 万が一居住用として賃貸した場合、2割特例は使えますか。

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