合併に伴い被合併法人の役員に対し退職金を支給することの是非と退職所得控除

《質問》

 A社(合併法人:平成8年1月設立)はB社(被合併法人:平成10年3月設立)を令和3年9月に吸収合併することになりました。B社では合併することを機に設立時からの代表者甲に対し、退職金を支給することを予定しています(B社は未払金処理、A社で支給)。甲はA社においても代表者であり、引続きA社の代表者に止まりますが退職金の支給についての課税上の問題はありませんか。
 なお、甲は、3年前にA社に吸収合併されたC社からも退職金の支給を受けていますが(勤続年数 8年:勤続期間 平成22年~30年)、このような場合の退職所得控除額の計算はどのようになりますか。

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生計一親族の居住用宅地に係る小規模宅地の特例について

《前提》

相続関係
A:被相続人(本人)
B:妻
C:長男

相続財産の概要
下記自宅以外に相続財産なし(借入金等なし)
区分登記されている
   キャプチャ231

自宅の概要
底地:Aが80/100、Bが20/100所有
建物
・1階及び2階の1/3と2階残りの2/3で区分登記されている
1階全てと2階の1/3がB・Cの共有(各1/2所有)
2階の2/3部分はAの所有として区分登記されており、専用玄関・バス・トイレ・キッチン等が完備
 (将来賃貸に出すことを前提に設計している)
2階の2/3部分と残りの部分は内部で自由に往来できる状態
実態として.2階の2/3部分に長男家族が生活している
ただし、日頃の食事や入浴は適宜共有しながら建物全体をA・B・Cで共同利用していた

生計状況
AとBは生計を共にしている
Cは日ごろの生活費(食事代、日常品代、水光熱等)をA・Bと明確な区別なく適宜負担していた
・AとBはともにCの所得税上の扶養親族となっていない

《質問》

上記の場合、小規模宅地の特例を適用できるか否か。
適用できる場合にはその範囲はどこまでか。

キャプチャ225

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低額家賃の場合の小規模宅地の特例の適否について

《質問》

 特定同族会社事業用宅地等においては、事業の用に供されている宅地等が該当することになっています。
 甲個人(A法人と同族関係)がA法人に、建物を賃貸している場合、賃料の支払が「相当な対価」でないと事業の用に供していないことになり、小規模宅地等の特例の適用はないと思います。なお、本件の場合は世間相場の半額程度ですが必要経費(固定資産税、減価償却費、保険料等)を回収した後においても受取家賃の40%程度の所得が生じます。
 この「相当の対価」を、どのように決めたら良いかという質問です。

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特定新規設立法人の特例 法人成り

《質問》

   次のような事実関係の下で、法人成りした「A」社は特定新規設立法人
  に該当しますか。

   ①   個人事業者「甲」は、令和3年7月20日に法人成りで法人「A」を
      設立する(資本金:500万円)。
   ②  「甲」の消費税申告状況
    ・平成30年(開業) 免税事業者
    ・令和元年 課税事業者  課税売上高  4億6千万円
    ・令和2年    課税事業者  課税売上高 7億円
   ③  「A」社について
    ・社長:「甲」
    ・株主:甲が100%出資

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特定新規設立法人の特例 親族等が支配する会社の取扱い

《質問》

  次ような事実関係の下で、新規設立予定の法人「B」社は
 特定新規設立法人に該当しますか。
 ①   A社について
  ・ 代表取締役:甲
  ・株主:甲の兄(別生計) 70%
      甲の父(同一生計) 30%
  ・課税売上高は、常に5億円超。
  
 ②  B社について
  ・代表取締役:乙(甲の妻)
  ・株主:乙  90%
      A社   10%

     ③  なお、甲、乙及び甲の父は同一生計である。

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海外の法人に出向させていた従業員を一時帰国させた場合の課税関係

《質問》

 カナダの現地法人に令和元年の10月から3年間の予定で出向させていた個人Aを、この度のコロナウィルス感染拡大により、令和2年9月に一旦日本に帰国させることとし、現地法人の仕事をリモートワークにて行っています。給与は帰国後においても現地法人が支払っています。課税関係はどのようになりますか。

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損害保険の取り扱いについて

《質問》

 個人事業者が受け取った損害保険金の取り扱いについて教えてください。
 自動車整備業を営む個人事業者の場合、ほぼ以下のパターンになると考えていますが、私の認識は間違えていませんでしょうか。
 法人と違い、雑収入として経理されるのは、以下のホとへの場合に限定されると整理しました。(ハとニは通常の売上と同じなので売上勘定計上消費税課税売上)

イ 事業用資産や身体への損害賠償としての損害保険金=非課税 事業主借
ロ 資産の修理費用の補填として受け取る損害保険金=
  修理代金>損害保険金  の場合差額が必要経費
  修理代金<損害保険金  の場合差額出ても非課税
ハ お客さんの保険会社から直接振り込まれた自動車整備業の売上代金=売上(売掛金)・消費税課税
ニ 商品の損失補填の保険金=売上(売掛金)消費税課税
ホ 休業損失補填のための保険金=雑収入  消費税対象外
へ 必要経費補填のための保険金=雑収入  消費税対象外(タックスアンサーNo2201のケース)

 最もよく分かっていないのが、ロの場合の経費補填のための損害保険金です。
 事業用資産の場合、タックスアンサーNo.2201 個人事業者が事業所得の必要経費を補てんするための損害賠償金を受け取ったとき とみますと修繕費と雑収入の両建て経理をするように、と読み取れます。
 このタックスアンサーが言っているのは、自己の資産に生じた修理費用(タックアンサーで言えば店舗の修繕費)などの場合ではなく、それとは別に新たに生じた経費(タックスアンサーの例だと補修期間に生じた仮店舗の賃借料)について受け取った損害保険金のみ課税対象(消費税対象外)だといっているのでしょうか?
 また、消費税の取扱いは、保険会社から受け取るとしても、
ハはお客さんからではなく保険会社が変わりに払った売上金なので消費税課税売上
ニは商品の対価としての保険金なので消費税課税売上
ホは休業していた間の補償であり、何等かの事業対価ではないので消費税対象外
と考えていますが、合っていますでしょうか?
特にハは直接取引をしていても被保険者の側では本来
  現預金/保険金収入(保険金受取)
  修繕費/現預金(保険金を原資に修理代支払い)
となるところ、短縮されて
  修繕費(課税仕入れ)/保険金収入(不課税)
の仕分けが成立していると考えています。

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米国居住の非居住者が内国法人の株式を譲渡した場合の課税関係

《質問》

 米国居住の(日本では)非居住者Aが保有している内国法人X社の株式全部を、Aの子であるBとCに譲渡することになりました。日本での課税関係はどのようになりますか。なお、現在のX社の株式の所有状況はAが34%、BとCが33%づつです。また、Aは日本に恒久的施設は有していません。さらに、X社は不動産関連法人には該当しません。

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死亡した者の住民税の課税(不動産所得と配当所得)

《質問》

 個人Aは昨年10月に死亡しました。昨年の所得に対する住民税の課税がどのようになるのか教えてください。昨年Aの死亡するまでの所得状況は、不動産所得が1,000万円、上場株式に係る配当所得が300万円(受取時に国税・地方税が徴収)です。

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住宅ローン控除(入居する前に修繕を行った場合)

《質問》

 この度中古住宅を住宅ローンにより取得しましたが、居住用に供する前に修繕を行い入居しました。住宅ローン控除の適用においてこの修繕の取扱いはどのようになりますか。

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