民法改正に伴い、相続税法第23条の2が規定され、令和2年4月1日以後に開始する相続により取得した財産に係る相続税について配偶者居住権が適用されることとなります。
そこで、令和2年2月12日付課評2-5ほか3課共同「相続税法基本通達の一部改正について」(法令解釈通達)により、次のとおり具休的な取扱いが定められました。
なお、この通達に関するあらましは、令和2年2月21日付「相続税法基本通達の一部改正について(法令解釈通達)のあらまし」として、国税庁から情報が発出されています。国税庁ホームページに掲載されていますので、ご覧になってください。
また、このあらましの中で、新設された「配偶者居住権等の評価明細書」が紹介されています。
未分割財産の分割と更正の請求
《質問》
不動産の貸付けを行っていた父が3年前に死亡しました。相続人はA・B・C・Dの4人の子でしたが、遺産分割を巡り争いがあり、昨年やっと賃貸不動産についてAとBが相続することで分割が確定しました。相続開始から分割までの間は、全ての相続財産をA一人で申告をしていました。Aはこの申告を是正してもらうため、更正の請求をしたいと考えていますが如何でしょうか。なお、国税庁ホームページタックスアンサー(№1376)では、分割の確定を理由とする更正の請求が行うことができない旨の記載があります。
税務調査通知後の修正申告について
《質問》
顧問先の4月決算の法人(業種:製造業)ですが、税務調査通知後、会社の帳簿に計上していない通帳に売上の入金があることが社長により判明したため、3期分(H29/4月期、H30/4月期、H31/4月期)の修正申告を提出しました。
調査中、調査官はその売上の漏れについては把握していないようでしたが、調査最終日の午後に修正申告の話をしました。
その後、調査官により申告漏れについて重加算税の話がありました。
改正後ですので、加算税については仕方がないと思うのですが、重加算税はどうなのか、アドバイスをお願い致します。
太陽光発電設備の売買に係る消費税還付について
《前提》
個人から法人(当該個人が代表者)に太陽光発電設備を負担付贈与する予定です。
負担は個人が金融機関から借り入れている借入金です。売電収入は名義の変更(個人から法人)に経済産業省の手続きがある関係で、法人の決算月である令和2年5月に間に合いそうにありません。名義の変更ができ次第、借入金の名義を個人から法人に変更することになっています。
個人は来年(令和2年)から消費税の課税事業者になる予定です。(令和1年中に売却すれば消費税は免税です。)
法人は消費税の課税事業者です。
《質問》
年内(R1年)に負担付贈与契約書を作成することで、今年の契約日に個人から法人に所有権が移転したと税務署が認めてくれるでしょうか。また、法人側では、決算期末までに名義変更が間に合わない場合でも令和2年5月期において個別対応方式で課税仕入れのみに要する課税仕入れとして太陽光発電設備に係る消費税還付を受けることはできるでしょうか。
貸倒損失の計上について
法基通9-6-3を上手く活用しましょう!
《質問》
今回製造業の顧問先に税務調査が入り、直近の事業年度で計上していた取引先に対する売掛金の貸倒損失は認められないとの指摘を受けました。法律上の貸倒損失(法基通9 -6-1)に該当せず、また事実上の貸倒損失(法基通9-6-2)の要件である取引先の資産状況等の確認も行っていないのだから、「全額が回収できないことが明らかではない」との指摘です。正直今期は利益が出たので、過去からの不良債権を処理し税金負担を軽減したいとの思惑も多少はありました。修正申告しなくてはならないでしょうか。
特定口座取引がある場合の申告における注意点
【第3回】
《質問》
[設例1]
A証券会社の源泉徴収選択口座が下記の特定口座年間取引報告書の場合、どのような申告をするのが有利となるのでしょうか。なお、報告書以外の所得は不動産所得金額 300万円、所得控除の金額は200万円です。
譲渡に係る年間取引損益 等 | 源泉徴収税額 (所得税) | 612,600 | 株式譲渡所得割額 (住民税) | 200,000 | 外国所得税の額 | |||
譲渡区分 | ①譲渡の対価の額 (収入金額) | ②取得費及び譲渡に 要した費用の額等 | ③差引金額(譲渡所得等の金額) (①-②) | |||||
上場 | 10,000,000 | 6,000,000 | 4,000,000 | |||||
信用 | ||||||||
合計 | 10,000,000 | 6,000,000 | 4,000,000 |
配当等の額及び源泉徴収税額等 | ||||
種類 | 配当等の金額 | 源泉徴収税額 (所得税額) | 配当割額 (住民税) | |
特定上場株式等の配当等 | ④株式、出資又は基金 | 500,000 | 76,575 | 25,000 |
⑤特定株式投資信託 | ||||
⑥投資信託等(⑤.⑦及び⑧以外) | ||||
⑦オープン型証券投資信託 | 100,000 | 15,315 | 5,000 | |
⑧国外株式又は国外投資信託等 | ||||
⑨合計(④+⑤+⑥+⑦+⑧) | 600,000 | 91,890 | 30,000 | |
上記以外のもの | ⑩公社債 | 70,000 | 10,720 | 3,500 |
⑪社債的受益権 | ||||
⑫投資信託等(⑬及び⑭以外) | ||||
⑬オープン型証券投資信託 | ||||
⑭国外公社債等 | ||||
⑮合計(⑩+⑪+⑫+⑬+⑭) | 70,000 | 10,720 | 3,500 | |
⑯譲渡損失の金額 | ||||
⑰差引金額(⑨∔⑮-⑯) | 670,000 | |||
⑱納付税額 | 102,610 | 33,500 | ||
⑲還付税額(⑨∔⑮-⑱) | ||||
金融商品取引業者等 | A証券 |
配当所得の確定申告における課税関係
利子・配当所得、株式等の譲渡所得等の申告に当たっての注意事項
金融資産の取扱いについては平成28年分から大幅に改正されていますが、複雑な取扱いとなっています。確定申告に当たり再度確認のため、注意事項等をとりまとめ3回にわたり連載させていただきます。
【第1回】
《質問》
個人Aさんは、上場株式の配当収入や公社債の利子収入があり、証券会社を通じて上場株式の売買も行っています。申告に当たり注意すべき事項を教えてください。
租税特別措置法(山林所得・譲渡所得等関係)の取扱いについて
被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例が一部改正になりました。これは、租税特別措置法施行令第23条第6項及び第7項が全部改正になったため、租税特別措置法(山林所得・譲渡所得関係)通達の第3 5-9の2及び第3 5-9の3が新設されたものです。以下に通達等を抜粋しましたので、参考にしてください。
「令和元年台風第19号」に係る相続税・贈与税の申告・納付等の 期限の延長等について
令和元年台風第19号による災害に係る相続税・贈与税の申告期限等について、国税庁からの告示を添付しましたので、執務の参考としてください。
なお、土地評価に当たっての「調整率」は、現時点では公表されていません。今後、国税庁ホームページにおいて公開されますのでご注意ください。