遺産分割協議後に財産を認識した場合の相続税の課税関係について

【前提】

・相続発生日27年5月9日(申告期限28年3月9日)
・被相続人:毋  相続人:息子と娘の2人。
・遺産総額128百万円。(小規模宅地考慮前は2百万多い130百万円。また、下記A社の株式含む。)
・遺産分割27年6月17日成立。(被相続人の成年後見人作成の財産目録で作成)
『遺産分割協議書内に記載されていない相続財産はすべて息子が取得する』文言が記載されております。

【経緯】

・遺産分割協議後に相続税の申告前の財産確認で妹側は非上場会社A社の株式があることを初めて認識しました(評価額として35百万、株数は13株)。
当該遺産分割協議書内にはA社の株式は含まれていません。
・妹側から弁護士を通じて、株式の法定相続分の金銭の要求があり。
ただし、再度の遺産分割は望んでおらず、単純な金銭要求。
・息子側の弁護士の考えでは当初分割時にはA社株式が共通の認識ではないため分割はされていないとの考えもあり。
・今後の交渉次第ですが。①A社株式のみの分割協議を行うか②全資産を再度分割協議するか③改めて分割協議はしないで単純にA社評価額の半額を息子から娘へ支払うかとなります。

《質問》

○小規模宅地の特例の適用の可否について
 上記の経緯の①~③の今後の交渉次第で対応が変わってくるかと存じますが申告期限までに協議が終わらない場合でのご質問となります。
①の株式のみ協議した場合には、当初分割は有効となり、小規模の適用有りで3/9までに申告してもよいでしょうか?また、③の場合には改めて分割協議はしないため、分割は確定し小規模の適用は有りで申告してもよいでしょうか?
(②の場合には未分割のため、適用無しで申告と考えております。)
 ちなみに③の場合には、分割協議後の現金の支払いのため、贈与という認識で問題ないでしょうか。株式の代償金という認識はされないでしょうか?

○未分割の場合の申告について
 仮に上記のご質問で①株式のみの分割協議の場合に小規模宅地が適用されて、当初申告で株式を半分ずつ(6.5株ずつ)で申告してその後の協議で各人の税額が変更となった場合には、改めて更正の請求等で申告すべきでしょうか?
 株式のみの配分ですと全体の税額は変わらないため、改めて税務署側へ申告書等は提出せずに相続人間での現金授受で調整しようと考えております。
 このような場合、税務署側へ提出しない場合、相続税の調整金額は贈与とみなされるリスクはありますでしょうか。

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相続直前に居宅を取壊し新居を建設中の場合の小規模宅地の適用について

《質問》

相続にかかわる、土地の小規模宅地の特例の適用の有無についての質問です。
下記のような状況で、居住要件や保有要件など、どれもとてもきわどい状況となっており果たしてこの場合特定居住用の80%を適用していいのかどうかご教授ください。
また、もし特定居住用が適用できる場合、どのような根拠資料を添付すればよいでしょうか。

相続人:2人

キャプチャ5

被相続人は、住民票では1人で住んでいることになっておりますが、実際は相続人Aが頻繁に行き来をしており、面倒を見ていました。また、生活面でも相続人Aは、家族共々頻繁に被相続人の家で寝泊まりもしていました。この土地は、相続人Aが相続します。
 元々、被相続人が居住していた家屋について、被相続人に介護の必要が出て来たことから建物を取り壊し、相続人の名義で建物を建築するも死亡の4日後に新築登記されました。(死亡日には完成はしていたと思われますが、確たる証拠はありません)なお、この建物は被相続人と同居をする前提でバリアフリー化が施されており、入浴施設も介護を考えてのものになっています。
 この建物を建築した相続人Aは、被相続人の息子で、当時は別に自宅を有していました。しかし、親に介護の必要が出たため自宅を売却し、建築後の家屋に居住する準備を進めているさなかに被相続人が死亡しました。相続人Aは、住民票は死亡の1ヶ月前に建築中の家屋の場所に移していましたが、元の自宅の売却は最終的に被相続人の死亡後2週間経った日となりました。

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特定の事業用資産の買換特例(措37)の適用に係る土地の面積要件について

《平成28年11月10日桜友第497号より引用》

        国税実務問答   (第392回)

  特定の事業用資産の買換特例(措37)の適用に係る土地の面積要件について

【質 問】
 甲は、平成28年に事業用資産(所有期間10年超)を譲渡しましたが、その買換資産として次表のとおり、土地A~Cを購入することとしています。

土地A(a町所在) 土地B(b町所在) 土地C(c町所在)  計
面積(㎡)    320    180    100  600

 甲は、平成28年分の所得税の確定申告において、租税特別措置法第37条第1項の表の第九号の規定による特定の事業用資産の買換えの場合の譲渡所得の課税の特例(以下「本件特例」といいます。)を適用して申告することを検討しているところ、本件特例の適用要件においては、買換資産が土地等である場合には300㎡以上のものに限る旨(以下「面積要件」といいます。)が規定されています。
 この面積要件における「300㎡以上のもの」については、次のいずれの面積を基準に考えるのかお尋ねします。
・案1 買換えをした土地等の面積の合計とする。
・案2 買換えをした土地等ごとの面積とする。

キャプチャ

(注)この質問は、以下の事実を前提としています。
1 土地A~Cは、互いに隣接せず、完全に別個に存しています。
2 土地A~Cはそれぞれ別個の特定施設(租税特別措置法第37条第1項の表の第九号に規定する特定施設をいいます。以下同じです。)の敷地として利用されます。
3 面積要件以外の本件特例の適用要件については、全て満たしています。

【回 答】
 本件特例に係る面積要件の判断については、ご質問の案2の考え方により行うこととなります。
 したがって、ご質問の事例では、土地Aは、その面積が300㎡以上であることから面積要件を満たして本件特例の買換資産の対象となるものの、土地B及び土地Cは、その面積がいずれも300㎡未満であり面積要件を満たさないことから、本件特例の買換資産の対象とはなりません。

【解 説】
1 本件特例は、事業の用に供している特定の資産(譲渡資産)を譲渡し、一定の資産(買換資産)を取得して、その取得の日から1年以内に事業の用に供した場合又は供する見込みである場合には、取得価額の引継ぎによる課税の繰延べを認めるものです。
2 本件特例を規定する租税特別措置法第37条第1項の表の第九号においては、譲渡資産について、「国内にある土地等、建物又は構築物で、当該個人により取得をされたこれらの資産のうちその譲渡の日の属する年の一月一日において所有期間が十年を超えるもの」と規定され、また、買換資産について、「国内にある土地等(事務所、事業所その他の政令で定める施設(以下この号において「特定施設」という。)の敷地の用に供されるもの・・・で、その面積が三百平方メートル以上のものに限る。)、建物又は構築物」と規定されています。
 このように、本件特例の規定では、買換資産である土地等の要件について「その面積が三百平方メートル以上のものに限る。」とされているところ、「その」は単数を示す文言であることから、買換資産である特定施設の敷地の用に供される土地等も単数で捉えることとなります。
3 したがって、土地等が互いに隣接せず、完全に別個に存し、また、それぞれ別個の特定施設の敷地として利用されるご質問の事例については、買換えをしたそれぞれの土地等ごとに面積要件の判断をすることとなり、その面積が300㎡以上である土地Aのみが、本件特例の買換資産の対象となることとなります。
4 なお、本件特例に係る面積要件は平成24年度税制改正により設けられたものですが、この見直しは、従来、買換資産である土地等の用途に限定がなく、政策目的が曖昧であるという指摘があったことから、より付加価値の高い資産への買換えを促進し、経済の活性化を図るとの政策目的を明確化する観点から行われたものとされています。
 仮に、ご質問の案1のように面積要件の判定を複数の土地等の面積の合計によると解すると、例えば点在する300㎡未満の土地等であっても、これらを複数取得することでその面積の合計が300㎡以上となれぼ、本件特例の対象となることとなり、買換資産について300㎡以上のものに対象を限定したという改正の趣旨が損なわれることとなります。

租税特別措置法

(特定の事業用資産の買換えの場合の譲渡所得の課税の特例)
第三十七条  個人が、昭和四十五年一月一日から平成二十九年十二月三十一日(次の表の第九号の上欄に掲げる資産にあつては、同年三月三十一日)までの間に、その有する資産(所得税法第二条第一項第十六号 に規定する棚卸資産その他これに準ずる資産で政令で定めるものを除く。以下この条、第三十七条の四及び第三十七条の五において同じ。)で同表の各号の上欄に掲げるもののうち事業(事業に準ずるものとして政令で定めるものを含む。以下第三十七条の五まで及び第三十七条の九の五において同じ。)の用に供しているものの譲渡(譲渡所得の基因となる不動産等の貸付けを含むものとし、第三十三条から第三十三条の三までの規定に該当するもの及び贈与、交換又は出資によるものその他政令で定めるものを除く。以下この条において同じ。)をした場合において、当該譲渡の日の属する年の十二月三十一日までに、当該各号の下欄に掲げる資産の取得(建設及び製作を含むものとし、贈与、交換又は法人税法第二条第十二号の六 に規定する現物分配によるもの、所有権移転外リース取引によるものその他政令で定めるものを除く。同表の第一号、第三号及び第九号の上欄を除き、以下第三十七条の三までにおいて同じ。)をし、かつ、当該取得の日から一年以内に、当該取得をした資産(以下同条までにおいて「買換資産」という。)を当該各号の下欄に規定する地域内にある当該個人の事業の用(同表の第十号の下欄に掲げる船舶については、その個人の事業の用。以下この条及び次条において同じ。)に供したとき(当該期間内に当該事業の用に供しなくなつたときを除く。)、又は供する見込みであるときは、当該譲渡による収入金額が当該買換資産の取得価額以下である場合にあつては当該譲渡に係る資産のうち当該収入金額の百分の八十に相当する金額を超える金額に相当するものとして政令で定める部分の譲渡があつたものとし、当該収入金額が当該取得価額を超える場合にあつては当該譲渡に係る資産のうち当該取得価額の百分の八十に相当する金額を超える金額に相当するものとして政令で定める部分の譲渡があつたものとして、第三十一条若しくは第三十二条又は所得税法第三十三条 の規定を適用する。

 譲渡資産  買換資産
九 国内にある土地等、建物又は構築物で、当該個人により取得をされたこれらの資産のうちその譲渡の日の属する年の一月一日において所有期間が十年を超えるもの   国内にある土地等(事務所、事業所その他の政令で定める施設(以下この号において「特定施設」という。)の敷地の用に供されるもの(当該特定施設に係る事業の遂行上必要な駐車場の用に供されるものを含む。)又は駐車場の用に供されるもの(建物又は構築物の敷地の用に供されていないことについて政令で定めるやむを得ない事情があるものに限る。)で、その面積が三百平方メートル以上のものに限る。)、建物又は構築物

 

期限後申告における「小規模宅地の特例」の取扱いについて

《平成28年11月10日桜友第497号より引用》

税務相談室№325    ちょっと一言 
              (相続税)    相談部専門委員 糸山 徹 担当

   期限後申告における「小規模宅地等の特例」の取扱いについて 

 最近、期限後申告書を提出するに際しての小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例(措法69条の4)(以下「小規模宅地等の特例」といいます。)の適用可否を尋ねられることが再三ありましたので、次の通りまとめてみました。

1 小規模宅地等の特例を受ける場合の手続き
 小規模宅地等の特例は、相続税の申告書(期限後申告書及び修正申告書を含みます。)に、この特例を受けようとする旨を記載し、①小規模宅地等についての課税価格の計算明細書(「続」及び「別表」を含みます。)、②財務省令に定める小規模宅地等に該当することを証する各書類及び財産の取得状況を証する書類並びに③未分割の場合には「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付して、その申告書を提出する場合に限り適用されます(措法69の4⑥、措規23の2⑧)。

2 小規模宅地等の特例の対象となる財産
 小規模宅地等の特例の対象となる財産は、原則として法定申告期限までに分割された財産に限定されており、未分割財産はその対象から除かれています。
 しかしながら、相続財産の分割にあっては、特に争い等がない場合であっても分割に相当の期間を要することが見受けられることから、法定申告期限から3年以内に分割された財産については、その適用を認めています(上記「1③」の書類の提出が必要です。)。
 なお、法定申告期限から3年を経過する日においても、相続に関する訴え等により分割がされていないことにやむを得ない事情がある場合には、「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」を、法定申告期限後3年を経過する日の翌日から2月を経過する日までに所轄税務署長に提出して承認を受ける必要があります(措法69の4④、措令40の2⑯)。

3 小規模宅地等の特例に係る宥恕規定
 この特例について、税務署長は、相続税の申告書の提出がなかった場合又は上記「1」の記載若しくは上記「1①から③」の書類の添付がない申告書の提出があった場合でも、やむを得ない事情があると認められるときは、後日、上記「1」の記載のある申告書及び上記「1①から③」の書類の提出があった場合には、この特例の適用を認めることができます(措法69の4⑦)。

4 結論として
 以上のとおり、小規模宅地等の特例は、期限後申告書及び修正申告書においての適用を認めていますが、最終的な適用の可否は、税務署長が申告書の提出がなかったことあるいは所定の書類の提出がなかったことについて、「やむを得ない事情」を認めるか否かによっています。
 しかしながら、実務においては、脱税や租税回避等の特殊な状況がない限りは、期限後申告においても、小規模宅地等の特例の適用を認めているようです(申告に関する手続き等について、納税者と国税の間に争いがある場合には、「やむを得ない事情」は国税通則法第11条、46条等に基づいて厳密に判定されるものと思われます。)。
 ただし、この宥恕規定の対象には、「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」の提出の有無が含まれていませんので、税務署長は、この承認申請書が法定申告期限後3年を経過する日の翌日から2月を経過する日までに提出されていなければ、宥恕規定を適用することができないことになります。
 そうすると、通常、無申告の状態にある者が、この承認申請書を提出することはないと思われますので、期限後申告書において小規模宅地等の特例の適用が認められるのは、法定申告期限後3年を経過する日までに所定の書類が添付されて提出された場合に限定されることになると考えます。

《参考法令》

租税特別措置法

(小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例)
第六十九条の四  個人が相続又は遺贈により取得した財産のうちに、当該相続の開始の直前において、当該相続若しくは遺贈に係る被相続人又は当該被相続人と生計を一にしていた当該被相続人の親族(第三項において「被相続人等」という。)の事業(事業に準ずるものとして政令で定めるものを含む。同項において同じ。)の用又は居住の用(居住の用に供することができない事由として政令で定める事由により相続の開始の直前において当該被相続人の居住の用に供されていなかつた場合(政令で定める用途に供されている場合を除く。)における当該事由により居住の用に供されなくなる直前の当該被相続人の居住の用を含む。同項第二号において同じ。)に供されていた宅地等(土地又は土地の上に存する権利をいう。同項及び次条第五項において同じ。)で財務省令で定める建物又は構築物の敷地の用に供されているもののうち政令で定めるもの(特定事業用宅地等、特定居住用宅地等、特定同族会社事業用宅地等及び貸付事業用宅地等に限る。以下この条において「特例対象宅地等」という。)がある場合には、当該相続又は遺贈により財産を取得した者に係る全ての特例対象宅地等のうち、当該個人が取得をした特例対象宅地等又はその一部でこの項の規定の適用を受けるものとして政令で定めるところにより選択をしたもの(以下この項及び次項において「選択特例対象宅地等」という。)については、限度面積要件を満たす場合の当該選択特例対象宅地等(以下この項において「小規模宅地等」という。)に限り、相続税法第十一条の二 に規定する相続税の課税価格に算入すべき価額は、当該小規模宅地等の価額に次の各号に掲げる小規模宅地等の区分に応じ当該各号に定める割合を乗じて計算した金額とする。
一  特定事業用宅地等である小規模宅地等、特定居住用宅地等である小規模宅地等及び特定同族会社事業用宅地等である小規模宅地等 百分の二十
二  貸付事業用宅地等である小規模宅地等 百分の五十

2  前項に規定する限度面積要件は、当該相続又は遺贈により特例対象宅地等を取得した者に係る次の各号に掲げる選択特例対象宅地等の区分に応じ、当該各号に定める要件とする。
一  特定事業用宅地等又は特定同族会社事業用宅地等(第三号イにおいて「特定事業用等宅地等」という。)である選択特例対象宅地等 当該選択特例対象宅地等の面積の合計が四百平方メートル以下であること。
二  特定居住用宅地等である選択特例対象宅地等 当該選択特例対象宅地等の面積の合計が三百三十平方メートル以下であること。
三  貸付事業用宅地等である選択特例対象宅地等 次のイ、ロ及びハの規定により計算した面積の合計が二百平方メートル以下であること。
イ 特定事業用等宅地等である選択特例対象宅地等がある場合の当該選択特例対象宅地等の面積を合計した面積に四百分の二百を乗じて得た面積
ロ 特定居住用宅地等である選択特例対象宅地等がある場合の当該選択特例対象宅地等の面積を合計した面積に三百三十分の二百を乗じて得た面積
ハ 貸付事業用宅地等である選択特例対象宅地等の面積を合計した面積

3  この条において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一  特定事業用宅地等 被相続人等の事業(不動産貸付業その他政令で定めるものを除く。以下この号及び第三号において同じ。)の用に供されていた宅地等で、次に掲げる要件のいずれかを満たす当該被相続人の親族(当該親族から相続又は遺贈により当該宅地等を取得した当該親族の相続人を含む。イ及び第四号(ロを除く。)において同じ。)が相続又は遺贈により取得したもの(政令で定める部分に限る。)をいう。
イ 当該親族が、相続開始時から相続税法第二十七条 、第二十九条又は第三十一条第二項の規定による申告書の提出期限(以下この項において「申告期限」という。)までの間に当該宅地等の上で営まれていた被相続人の事業を引き継ぎ、申告期限まで引き続き当該宅地等を有し、かつ、当該事業を営んでいること。
ロ 当該被相続人の親族が当該被相続人と生計を一にしていた者であつて、相続開始時から申告期限(当該親族が申告期限前に死亡した場合には、その死亡の日。第四号イを除き、以下この項において同じ。)まで引き続き当該宅地等を有し、かつ、相続開始前から申告期限まで引き続き当該宅地等を自己の事業の用に供していること。
二  特定居住用宅地等 被相続人等の居住の用に供されていた宅地等(当該宅地等が二以上ある場合には、政令で定める宅地等に限る。)で、当該被相続人の配偶者又は次に掲げる要件のいずれかを満たす当該被相続人の親族(当該被相続人の配偶者を除く。以下この号において同じ。)が相続又は遺贈により取得したもの(政令で定める部分に限る。)をいう。
イ 当該親族が相続開始の直前において当該宅地等の上に存する当該被相続人の居住の用に供されていた一棟の建物(当該被相続人、当該被相続人の配偶者又は当該親族の居住の用に供されていた部分として政令で定める部分に限る。)に居住していた者であつて、相続開始時から申告期限まで引き続き当該宅地等を有し、かつ、当該建物に居住していること。
ロ 当該親族(当該被相続人の居住の用に供されていた宅地等を取得した者に限る。)が相続開始前三年以内に相続税法 の施行地内にあるその者又はその者の配偶者の所有する家屋(当該相続開始の直前において当該被相続人の居住の用に供されていた家屋を除く。)に居住したことがない者(財務省令で定める者を除く。)であり、かつ、相続開始時から申告期限まで引き続き当該宅地等を有していること(当該被相続人の配偶者又は相続開始の直前において当該被相続人の居住の用に供されていた家屋に居住していた親族で政令で定める者がいない場合に限る。)。
ハ 当該親族が当該被相続人と生計を一にしていた者であつて、相続開始時から申告期限まで引き続き当該宅地等を有し、かつ、相続開始前から申告期限まで引き続き当該宅地等を自己の居住の用に供していること。
三  特定同族会社事業用宅地等 相続開始の直前に被相続人及び当該被相続人の親族その他当該被相続人と政令で定める特別の関係がある者が有する株式の総数又は出資の総額が当該株式又は出資に係る法人の発行済株式の総数又は出資の総額の十分の五を超える法人の事業の用に供されていた宅地等で、当該宅地等を相続又は遺贈により取得した当該被相続人の親族(財務省令で定める者に限る。)が相続開始時から申告期限まで引き続き有し、かつ、申告期限まで引き続き当該法人の事業の用に供されているもの(政令で定める部分に限る。)をいう。
四  貸付事業用宅地等 被相続人等の事業(不動産貸付業その他政令で定めるものに限る。以下この号において「貸付事業」という。)の用に供されていた宅地等で、次に掲げる要件のいずれかを満たす当該被相続人の親族が相続又は遺贈により取得したもの(特定同族会社事業用宅地等を除き、政令で定める部分に限る。)をいう。
イ 当該親族が、相続開始時から申告期限までの間に当該宅地等に係る被相続人の貸付事業を引き継ぎ、申告期限まで引き続き当該宅地等を有し、かつ、当該貸付事業の用に供していること。
ロ 当該被相続人の親族が当該被相続人と生計を一にしていた者であつて、相続開始時から申告期限まで引き続き当該宅地等を有し、かつ、相続開始前から申告期限まで引き続き当該宅地等を自己の貸付事業の用に供していること。

4  第一項の規定は、同項の相続又は遺贈に係る相続税法第二十七条 の規定による申告書の提出期限(以下この項において「申告期限」という。)までに共同相続人又は包括受遺者によつて分割されていない特例対象宅地等については、適用しない。ただし、その分割されていない特例対象宅地等が申告期限から三年以内(当該期間が経過するまでの間に当該特例対象宅地等が分割されなかつたことにつき、当該相続又は遺贈に関し訴えの提起がされたことその他の政令で定めるやむを得ない事情がある場合において、政令で定めるところにより納税地の所轄税務署長の承認を受けたときは、当該特例対象宅地等の分割ができることとなつた日として政令で定める日の翌日から四月以内)に分割された場合(当該相続又は遺贈により財産を取得した者が次条第一項の規定の適用を受けている場合を除く。)には、その分割された当該特例対象宅地等については、この限りでない。

5  相続税法第三十二条第一項 の規定は、前項ただし書の場合その他既に分割された当該特例対象宅地等について第一項の規定の適用を受けていなかつた場合として政令で定める場合について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。

6  第一項の規定は、同項の規定の適用を受けようとする者の当該相続又は遺贈に係る相続税法第二十七条 又は第二十九条 の規定による申告書(これらの申告書に係る期限後申告書及びこれらの申告書に係る修正申告書を含む。次項において「相続税の申告書」という。)に第一項 の規定の適用を受けようとする旨を記載し、同項 の規定による計算に関する明細書その他の財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。

7  税務署長は、相続税の申告書の提出がなかつた場合又は前項の記載若しくは添付がない相続税の申告書の提出があつた場合においても、その提出又は記載若しくは添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、当該記載をした書類及び同項の財務省令で定める書類の提出があつた場合に限り、第一項の規定を適用することができる。

8  第一項に規定する小規模宅地等について、同項の規定の適用を受ける場合における相続税法第四十八条の二第六項 において準用する同法第四十一条第二項 の規定の適用については、同項 中「財産を除く」とあるのは、「財産及び租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)第六十九条の四第一項(小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例)の規定の適用を受けた同項に規定する小規模宅地等を除く」とする。

9  第四項から前項までに定めるもののほか、第一項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

租税特別措置法施行規則

第二十三条の二
8  法第六十九条の四第六項 に規定する財務省令で定める書類は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める書類とする。
一  法第六十九条の四第一項第一号 に規定する特定事業用宅地等である小規模宅地等について同項 の規定の適用を受けようとする場合 次に掲げる書類
イ 法第六十九条の四第一項 に規定する小規模宅地等に係る同項 の規定による相 続税法第十一条の二 に規定する相続税の課税価格に算入すべき価額の計算に関する 明細書
ロ 施行令第四十条の二第五項 各号に掲げる書類(同項 ただし書の場合に該当するときは、同項第一号 及び第二号 に掲げる書類)
ハ 遺言書の写し、財産の分割の協議に関する書類(当該書類に当該相続に係る全ての共同相続人及び包括受遺者が自署し、自己の印を押しているものに限る。)の写し(当該自己の印に係る印鑑証明書が添付されているものに限る。)その他の財産の取得の状況を証する書類

二  法第六十九条の四第一項第一号 に規定する特定居住用宅地等である小規模宅地等(以下この号及び次号において「特定居住用宅地等である小規模宅地等」という。)について同項 の規定の適用を受けようとする場合(次号に掲げる場合を除く。) 次に掲げる書類(当該被相続人の配偶者が同項 の規定の適用を受けようとするときはイに掲げる書類とし、同条第三項第二号 イ又はハに掲げる要件を満たす同号 に規定する被相続人の親族(以下この号及び次号において「親族」という。)が同条第一項 の規定の適用を受けようとするときはイ及びロに掲げる書類とし、同条第三項第二号 ロに掲げる要件を満たす親族が同条第一項 の規定の適用を受けようとするときはイ、ハ及びニに掲げる書類とする。)
イ 前号イからハまでに掲げる書類
ロ 当該親族が個人番号(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律第二条第五項 に規定する個人番号をいう。以下この章において同じ。)を有しない場合にあつては、当該親族が当該特定居住用宅地等である小規模宅地等を自己の居住の用に供していることを明らかにする書類
ハ 法第六十九条の四第三項第二号 ロに規定する親族が個人番号を有しない場合にあつては、相続の開始の日の三年前の日から当該相続の開始の日までの間における当該親族の住所又は居所を明らかにする書類
ニ 相続の開始の日の三年前の日から当該相続の開始の直前までの間にハの親族が居住の用に供していた家屋が法第六十九条の四第三項第二号 ロに規定する家屋以外の家屋である旨を証する書類

三  特定居住用宅地等である小規模宅地等(施行令第四十条の二第二項 各号に掲げる事由により相続の開始の直前において当該相続に係る被相続人の居住の用に供されていなかつた場合における当該事由により居住の用に供されなくなる直前の当該被相続人の居住の用に供されていた宅地等(土地又は土地の上に存する権利をいう。)に限る。)について法第六十九条の四第一項 の規定の適用を受けようとする場合 次に掲げる書類
イ 前号イからニまでに掲げる書類(当該被相続人の配偶者が法第六十九条の四第一項 の規定の適用を受けようとするときは前号イに掲げる書類とし、同条第三項第二号 イ又はハに掲げる要件を満たす親族が同条第一項 の規定の適用を受けようとするときは前号イ及びロに掲げる書類とし、同条第三項第二号 ロに掲げる要件を満たす親族が同条第一項 の規定の適用を受けようとするときは前号イ、ハ及びニに掲げる書類とする。)
ロ 当該相続の開始の日以後に作成された当該被相続人の戸籍の附票の写し
ハ 介護保険の被保険者証の写し又は障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第二十二条第八項 に規定する障害福祉サービス受給者証の写しその他の書類で、当該被相続人が当該相続の開始の直前において介護保険法 (平成九年法律第百二十三号)第十九条第一項 に規定する要介護認定若しくは同条第二項 に規定する要支援認定を受けていたこと若しくは介護保険法施行規則第百四十条の六十二の四第二号 に該当していたこと又は障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第二十一条第一項 に規定する障害支援区分の認定を受けていたことを明らかにするもの
ニ 当該被相続人が当該相続の開始の直前において入居又は入所していた施行令第四十条の二第二項第一号 イからハまでに掲げる住居若しくは施設又は同項第二号 の施設若しくは住居の名称及び所在地並びにこれらの住居又は施設がこれらの規定のいずれの住居又は施設に該当するかを明らかにする書類

四  法第六十九条の四第一項第一号 に規定する特定同族会社事業用宅地等である小規模宅地等について同項 の規定の適用を受けようとする場合 次に掲げる書類
イ 第一号 イからハまでに掲げる書類
ロ 法第六十九条の四第三項第三号 に規定する法人の定款(相続の開始の時に効力を有するものに限る。)の写し
ハ 相続の開始の直前において、ロに規定する法人の発行済株式の総数又は出資の総額並びに法第六十九条の四第三項第三号 の被相続人及び当該被相続人の親族その他当該被相続人と政令で定める特別の関係がある者が有する当該法人の株式の総数又は出資の総額を記した書類(当該法人が証明したものに限る。)

五  法第六十九条の四第一項第二号 に規定する貸付事業用宅地等である小規模宅地等について同項 の規定の適用を受けようとする場合 第一号 イからハまでに掲げる書類

六  法第六十九条の四第四項 に規定する申告期限(次号において「申告期限」という。)までに同条第一項 に規定する特例対象宅地等(次号において「特例対象宅地等」という。)の全部又は一部が共同相続人又は包括受遺者によつて分割されていない当該特例対象宅地等について当該申告期限後に当該特例対象宅地等の全部又は一部が分割されることにより同項 の規定の適用を受けようとする場合 その旨並びに分割されていない事情及び分割の見込みの詳細を明らかにした書類

七  申告期限までに施行令第四十条の二第五項 に規定する特例対象山林の全部又は一部が共同相続人又は包括受遺者によつて分割されなかつたことにより法第六十九条の四第一項 の選択がされず同項 の規定の適用を受けなかつた場合で当該申告期限後に当該特例対象山林の全部又は一部が分割されることにより当該申告期限において既に分割された特例対象宅地等について同項 の規定の適用を受けようとするとき その旨並びに分割されていない事情及び分割の見込みの詳細を明らかにした書類

租税特別措置法施行令

第四十条の二
16  相続税法施行令(昭和二十五年政令第七十一号)第四条の二第一項の規定は、法第六十九条の四第四項ただし書に規定する政令で定めるやむを得ない事情がある場合及び同項ただし書に規定する分割ができることとなつた日として政令で定める日について準用し、相続税法施行令第四条の二第二項から第四項までの規定は、法第六十九条の四第四項ただし書に規定する政令で定めるところによる納税地の所轄税務署長の承認について準用する。この場合において、相続税法施行令第四条の二第一項第一号中「法第十九条の二第二項」とあるのは、「租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)第六十九条の四第四項(小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例)」と読み替えるものとする。

 

税理士が死亡し、後継者の息子が自身や従業員に退職金を支給した場合の課税関係

《質問》

税理士Aは、税理士事務所を開業していましたが、先月死亡しました。その税理士事務所は、補助税理士の長男Bが後継者となり税理士事務所を承継しました。その承継した相続人Bが従業員10名と自己に対し退職金を支給しようと考えていますが、この場合退職金は被相続人の所得計算上必要経費に算入されますか。また、相続税の申告の際、債務控除の対象になりますか。なお、従業員のメンバーは変更もなく従事内容や従事状況に変更がありません。また、退職金規程はありますが、死亡した際の取り決めはありません。

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相続財産の分割を生命保険金で代償分割した場合について

《質問》 

 被相続人Aは、居住用の不動産を所有している(相続税評価額は、土地・建物合計で5,000万円)。その他、生命保険金1億円が受取人であるBに支払われた。
相続人は長男Bと次男Cの2名である。
 この度、Aの死亡により、同居していた次男Cが土地・建物を相続し、長男Bは、受け取った生命保険金から2,500万円を代償分割として次男Cに支払うことで分割協議をしたいと考えているが、相続税課税上何か問題になることはあるか。

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がん保険の入院給付金(被保険者 夫)を配偶者が取得した場合の課税関係

《質問》

次の内容のガン保険(生命保険会社との保険契約)に加入しています。
保険契約者(保険料負担者)及び被保険者:夫
保険金受取人:妻
平成27年4月、夫にガンが見つかり、上記保険契約により平成27年11月6日、妻名義の銀行口座に「入院給付金」及び「在宅療養給付金」の名目で約550万円の保険給付金が入金されました。
その後、夫は平成27年12月25日に死亡しました。
法定相続人は、妻及び子2人です。
所基通9-20によりますと、身体に傷害を受けた者と保険金等の受取人が異なる場合であっても、その支払を受ける者がその身体に傷害を受けた者の配偶者若しくは直系血族又は生計を一にするその他の親族であるときは、非課税として取り扱う旨規定されています。
この通達をそのまま当てはめ、「入院給付金は非課税」と判断してよろしいものでしょうか。
通常は「保険金受取人:夫」とするのが一般的であり、この場合は550万円が夫の相続財産となるのに対し、質問の場合には、結果的に550万円が課税されず妻の手に渡ることになるため、疑問を持ったものです。

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タワーマンションの相続税評価額について

▼時系列
H21.10.30  相続人Aが代表を務める法人S(不動産業)がタワーマンションの一室を購
      入。
H27.5.18   被相続人Bが法人Sから時価で当該物件を購入。
H27.12.27 被相続人Bが亡くなり、相続人Aが当該物件を相続により取得。

▼価格
H27.5.18   被相続人Bが当該マンションの一室を購入した時の時価
              125,000,000円
H27年度相続税評価額
  土地             11,591,017円
  建物(固定資産税評価額)  16,224,983円
  合計           27,816,000円

▼状況
・当該マンションの一室は、被相続人が購入後、サブリース契約を結んで法人Sが一括借り上げをする予定であったが話が頓挫し、相続開始時点において空室となっていた。
・当該物件購入前から被相続人は体調を崩しがちであった。
・売買契約書は自筆ではない(印字しているもの)ものの、代理人等は挟んでおらず、被相続人の名前で契約している。

▼参考
財産評価基本通達によれば、評価の原則において財産の価格は「時価によるものとし、時価とは、課税時期(相続、遺贈若しくは贈与により財産を取得した日若しくは相続税法の規定により相続、遺贈若しくは贈与により取得したものとみなされた財産のその取得の日又は地価税法第二条(定義)第四号に規定する課税時期をいう。以下同じ)において、それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価格をいい、その価格は、この通達の定めによって評価した価格による。」とされ、「この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価格は、国税庁長官の指示を受けて評価する」とある。

国税不服審判所 平成27年7月1日裁決(タワーマンションの購入価格と相続税評価額との差額を利用した節税行為)の事例においては、マンション取得時期と相続開始時点が近接(この場合の事例は1か月)しており、基準地価格も相続開始前後において横ばいであることから、マンション取得時の価格を用いて評価することが相当であると判断している。

《質問》

  1. 相続税評価額を路線価に基づいて計算することについて
    本件では当該マンション購入から相続開始までおよそ7か月という期間で、購入価格と相続税評価額の差が1億円となっている。
    当該期間における固定資産税路線価の時点修正率は1.0で、不動産の価格の大きな変動はないと考えられることから、課税庁側からマンション購入時の価格で評価することが相当であると判断される可能性があると推察される。今回の件に関してどう判断されるか種々の可能性・ご意見を頂戴したい。またタワーマンションにおける相続税評価については今後、改正を含めた様々な検討がなされると想定されるが、相続税評価額にすべきか時価にすべきかの判断において、相続税評価額で申告することが否認されない条件(要件等)についての見解があればご教授願いたい。
  2. 相続財産が基礎控除以下である場合について
    本件不動産を仮に相続税評価額を用いて相続税を算定した場合、基礎控除内に収まる可能性が高い。今後、マンション節税に対する監視の目は厳しくなっていくものと予測されるが、基礎控除内に収まる=無申告とした場合の、課税庁側からの調査の可能性及び修正が指摘された場合の重加算税等についての意見をご教示願いたい。(尚、相続人は不動産業を生業としており、今回の取引に対して節税の目的があったと類推されてしまう可能性があるものの、一連の流れに不透明な動き(隠ぺい・仮装等)があるとは言えないと考えている。)
  3. その他、事実確認が必要な事項・税務上の盲点等について
    今回の取引・申告において失念している事項や争点・問題点が他にあればアドバイス願いたい。  

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入院給付金付き定期保険の保険料支払いと給付金受取に係る課税関係

《質問》

次の保険契約に係る保険料を法人が支払った際の取扱いと、入院給付金を受け取った際の課税関係についてどのように考えればよいかご教示お願いいたします。

契約者:法人
被保険者:個人A(法人役員)
*契約書上、死亡保険金は法人の受取りになりますが、入院給付金は個人に支払われます。
*本来、入院給付金は個人Aが受取者となっていますが、個人Aの死亡により個人Aの配偶者(法人役員)が入院給付金1,200千円受け取りました。

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老人ホームの入居金の贈与税課税の有無

《質問》

父と母は共に90歳です。
二人ともかなり高額の資産を持っているようです。
父が老人ホームに入居することになり(入居一時金2,000万円程度)私はその入居金を母に負担してもらいたいと考えています。(相続税のことを考えて)
もし母がその支払いを渋った場合私がその支払いを立て替えて、後日母より返してもらえばこの立て替えた2,000万円について贈与税の問題は起こらないと考えてよいでしょうか?

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