《質問》
カナダの現地法人に令和元年の10月から3年間の予定で出向させていた個人Aを、この度のコロナウィルス感染拡大により、令和2年9月に一旦日本に帰国させることとし、現地法人の仕事をリモートワークにて行っています。給与は帰国後においても現地法人が支払っています。課税関係はどのようになりますか。
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《質問》
カナダの現地法人に令和元年の10月から3年間の予定で出向させていた個人Aを、この度のコロナウィルス感染拡大により、令和2年9月に一旦日本に帰国させることとし、現地法人の仕事をリモートワークにて行っています。給与は帰国後においても現地法人が支払っています。課税関係はどのようになりますか。
《質問》
個人事業者が受け取った損害保険金の取り扱いについて教えてください。
自動車整備業を営む個人事業者の場合、ほぼ以下のパターンになると考えていますが、私の認識は間違えていませんでしょうか。
法人と違い、雑収入として経理されるのは、以下のホとへの場合に限定されると整理しました。(ハとニは通常の売上と同じなので売上勘定計上消費税課税売上)
イ 事業用資産や身体への損害賠償としての損害保険金=非課税 事業主借
ロ 資産の修理費用の補填として受け取る損害保険金=
修理代金>損害保険金 の場合差額が必要経費
修理代金<損害保険金 の場合差額出ても非課税
ハ お客さんの保険会社から直接振り込まれた自動車整備業の売上代金=売上(売掛金)・消費税課税
ニ 商品の損失補填の保険金=売上(売掛金)消費税課税
ホ 休業損失補填のための保険金=雑収入 消費税対象外
へ 必要経費補填のための保険金=雑収入 消費税対象外(タックスアンサーNo2201のケース)
最もよく分かっていないのが、ロの場合の経費補填のための損害保険金です。
事業用資産の場合、タックスアンサーNo.2201 個人事業者が事業所得の必要経費を補てんするための損害賠償金を受け取ったとき とみますと修繕費と雑収入の両建て経理をするように、と読み取れます。
このタックスアンサーが言っているのは、自己の資産に生じた修理費用(タックアンサーで言えば店舗の修繕費)などの場合ではなく、それとは別に新たに生じた経費(タックスアンサーの例だと補修期間に生じた仮店舗の賃借料)について受け取った損害保険金のみ課税対象(消費税対象外)だといっているのでしょうか?
また、消費税の取扱いは、保険会社から受け取るとしても、
ハはお客さんからではなく保険会社が変わりに払った売上金なので消費税課税売上
ニは商品の対価としての保険金なので消費税課税売上
ホは休業していた間の補償であり、何等かの事業対価ではないので消費税対象外
と考えていますが、合っていますでしょうか?
特にハは直接取引をしていても被保険者の側では本来
現預金/保険金収入(保険金受取)
修繕費/現預金(保険金を原資に修理代支払い)
となるところ、短縮されて
修繕費(課税仕入れ)/保険金収入(不課税)
の仕分けが成立していると考えています。
《質問》
米国居住の(日本では)非居住者Aが保有している内国法人X社の株式全部を、Aの子であるBとCに譲渡することになりました。日本での課税関係はどのようになりますか。なお、現在のX社の株式の所有状況はAが34%、BとCが33%づつです。また、Aは日本に恒久的施設は有していません。さらに、X社は不動産関連法人には該当しません。
《質問》
個人Aは昨年10月に死亡しました。昨年の所得に対する住民税の課税がどのようになるのか教えてください。昨年Aの死亡するまでの所得状況は、不動産所得が1,000万円、上場株式に係る配当所得が300万円(受取時に国税・地方税が徴収)です。
《質問》
この度中古住宅を住宅ローンにより取得しましたが、居住用に供する前に修繕を行い入居しました。住宅ローン控除の適用においてこの修繕の取扱いはどのようになりますか。
《質問》
個人Aは不動産貸付業を営んでいました。これまで所得税については青色申告で、消費税については課税事業者として簡易課税で申告してきましたが、令和2年12月7日に死亡しました。相続人は配偶者B(無職)と長男C、次男D(いずれも会社員)の計3人です。遺言は無く、遺産分割が令和3年5月に決定し、長男が賃貸不動産を全て相続し貸付業務を行うことになりました。
各人の所得税・消費税の申告書の提出、届出書・申請書等の提出をいつまでに行うかについて説明して下さい(コロナ延長考慮せず)。
《質問》
個人Aは、日本法人から給与を得ています。また、今年の2月からベトナム法人の役員となり同法人からも報酬を得ています。ベトナムでは当該役員報酬に対し20%の日本の所得税に相当する税が課税されました。Aは本来ベトナムで3年間現地での勤務を予定していましたが、コロナの影響で日本に居住したまま出国できない状況が続いています。課税関係についてご教示ください。また、ベトナムで課税された税金はどのように調整されますか。
《質問》
住居の工事請負契約を平成31年3月に契約しました。建築費は3000万円で、契約書に記載された消費税率は、8%となっています。その後追加工事が行われ、令和2年9月になり住居が完成し入居しました。追加工事費は500万円で、10%の消費税が課されています。住宅ローン控除の額はどのように計算しますか。本体工事または追加工事にどのように充てたとして控除額の算出をするのですか。なお、住宅ローンの金額は2500万円です。
十七 臨時所得の平均課税
問 確定申告において臨時所得の平均課税を失念していた場合、更正の請求はできるのか。
答 平成23年分の税制改正で、当初申告要件が廃止され、確定申告で適用せずに申告したとしても、更正の請求、修正申告において、適用受ける旨の記載と明細書の添付があれば適用ができる(所法90④)。
十八 税額控除
1 配当控除失念による更正の請求
問 確定申告において配当控除を失念した場合、更正の請求等による是正ができるのか。
答 住宅ローン控除等の他の税額控除と異なり、確定申告書への記載が要件とされておらず、更正の請求等による是正ができる(所法92)。
2 外国税額控除
⑴ 更正の請求での外国税額控除適用
問 確定申告書に外国税額控除の記載がない場合、更正の請求において外国税額控除を適用できないのか。
答 平成23年分以後の所得税における外国税額控除の適用に当たっては、当初申告要件が廃止され、従来の確定申告書に加え修正申告書又は更正の請求書に当該控除金額及びその計算に関する明細を記載した書類の添付があり、かつ、控除対象外国所得税の額を課されたことを証する書類その他財務省令で定める書類を添付すればできることとされた(所法95⑩)。
⑵ 外国税額控除の適用年度
問 令和2年分の所得に対する外国所得税を令和3年になってから支払うが、外国税額控除を適用はいつか。
答 外国税額控除を適用する年分は、外国所得税を納付することとなる日の属する年(継続適用を条件に支払った年とすることもできる。)となる(所基通95-3)。この場合、令和2年分は、控除余裕額を計算した外国税額控除の計算明細書を確定申告書に添付して申告したうえで、令和3年分でその控除余裕額の範囲内で外国税額控除を行うことになる(所法95②、122②)。
⑶ 申告しないことを選択した場合の外国税額控除
問 特定口座(源泉徴収あり)で取り扱っている国外株式の配当等について、配当所得の申告をしないことを選択した場合、外国税額控除だけを申告することができるのか。
答 国外株式の配当等について、申告不要制度(措法8の5、9の2⑤)の適用を受けること(申告しないこと)を選択した場合には、当該配当等に係る外国所得税額は、外国税額控除の計算上「外国所得税の額」に該当しないものとみなされるため、外国税額控除の計算の基礎に入れることはできない(措令4の5⑪)。
3 住宅借入金等特別控除
⑴ 相続による取得
問 相続により住宅を取得するとともに住宅ローンを継承した場合、住宅借入金等特別控除の適用はあるのか。
答 相続により住宅を取得するとともに借入金を承継しても、その借入金は相続による債務の承継であり住宅を取得するための借入金ではないので、相続により取得した住宅については、住宅借入金等特別控除の対象とならない(措法41)。
★⑵ 財産分与による取得
問 離婚による財産分与で前夫所有の住宅持分を取得し住宅ローンを引き継いだ場合、住宅借入金等特別控除の適用はあるのか。
答 贈与による取得ではなく、生計を一にする親族等からの中古家屋の取得ではないことからその他の要件を満たしていれば住宅借入金等特別控除の適用はある。
★⑶ 共有持分の追加所得
問 前夫と共有マンションを連帯債務による住宅ローンで取得し、住宅借入金等特別控除の適用を受けてきた。この度離婚による財産分与で、前夫から共有持分を追加取得し新たに金融機関から借入で連帯債務を返済した場合、住宅借入金等特別控除の適用はあるのか。
答 「家屋を2以上有する場合」には該当せず、当初持分に併せて追加取得した共 有持分についても住宅借入金等特別控除の適用を受けることができる(措令26④)。控除額の計算については、住宅借入金等特別控除の重複適用に準じて行う。
★⑷ 住宅借入金等特別控除の重複適用
問 平成25年に全額住宅ローンにより3000万円(残高2500万円)で新築した建物について、令和2年に新たに全額ローンで増改築500万円(残高500万円)を行った場合の令和2年分控除額はいくらか。
答 平成25年建物取得分 2500万円×1%=25万円(控除限度額20万円)
令和2年増改築分 500万円×1%=5万円(控除限度額40万円)
20万円+5万円=25万円(控除限度額は両者のうち多い方の40万円)
したがって25万円が控除額となる。
なお、増改築が特別特定取得に該当すれば、当該取得分については13年間の控除が受けられる。
⑸ 住宅借入金等特別控除の対象となる増改築等
問 父所有の建物を所有者でない子が増改築した場合、住宅借入金等特別控除の適用はあるのか。
答 増改築した場合の住宅借入金等特別控除の適用は、自己の所有している家屋 について増改築した場合に限られるので、例えば、父の所有する家屋について子が増改築しても住宅借入金等特別控除は適用されない(措法41⑱)。
増改築をする家屋の共有持ち分を取得している場合には住宅借入金等特別控除は適用がある。
★⑹ 中古住宅の範囲
問 中古住宅の取得で住宅借入金等特別控除の対象となるもの
答 ①耐火建築物以外の建物は建築後取得までの期間が20年、耐火建築物は25年以内であるもの
② ①以外では、地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるものに適合する一定の中古住宅に該当するもの(耐震基準に該当するもの)
⑺ 住宅ローンの繰上返済
問 住宅ローンを繰上返済した場合
答 借入金の償還期間が当初10年以上であっても、その後、繰上返済等により償還期間が10年未満となった場合には、繰上返済等をした年から住宅借入金等特別控除は適用されない(措通41-19)。
★⑻ 住宅借入金等特別控除と譲渡所得の特例
問 家屋を居住用に供した年前後における住宅借入金等特別控除と居住用財産の譲渡所得の課税の特例等との適用について
答 令和2年4月1日以降の譲渡から、個人が居住用家屋等をその者の居住用に供した年及び前2年、後3年の計6年の間においては、住宅借入金等特別控除と居住用財産の譲渡所得の課税の特例等の重複適用を受けることはできないこととなった(措法41⑳㉑)。同日前の譲渡については、居住用に供した年と前後2年ずつの計5年間について重複不可と規定されていたため、居住年から3年めは重複適用できた。
⑻ 住宅資金贈与の特例と住宅借入金等特別控除
問 住宅資金贈与の特例を受けた場合の取得対価の計算はどうなるのか。
答 個人が住宅借入金等特別控除の適用を受けている年分又は前年分において、住宅資金の贈与税の非課税の特例、又は相続時精算課税の特例とを併用した場合は、住宅借入金等特別控除額の計算上、当該特例を受けた金額を住宅等の取得価額から減算する必要がある。
また、補助金(住まい給付金等)を受け取った場合も住宅等の取得対価から減額する必要がある(措法41、70の2、70の3措令26⑤)。
⑼ 個人間売買での取得
問 令和2年に個人間売買で住宅を取得した場合は特定取得となるのか
答 個人間売買による消費税の課税対象とならない住宅取得の場合には、特定取得に該当しない(措法41⑤)ため、税額控除の上限は20万円となる。なお、個人間売買でも、売主がその住宅を業務用資産として使用していた場合には、課税取引となり特定取得の場合に該当することになる。
★⑽ 借入金の担保
問 住宅新築にあたり、預金担保の借入を行い建築資金とした場合、住宅借入金等特別控除の適用はあるのか。
答 担保物についての制約はなく、借入期間が10年以上等の条件を満たしていれば、住宅借入金等特別控除の適用はある。
4 住宅耐震改修特別控除
⑴ 所有者以外が耐震改修
問 所有者以外の居住者が耐震改修を行った場合
答 所有者以外の者の居住者が、耐震改修を行った場合でも住宅耐震改修特別控 除の適用はある。措法41の19の2については、(特定増改築等)住宅借入金等特別控除のように「(特定)個人が所有している家屋」である必要はない。
⑵ 住宅借入金等特別控除との重複適用
問 住宅借入金等特別控除と住宅耐震改修特別控除との重複適用はできるのか。
答 一の工事であっても、住宅耐震改修特別控除、住宅借入金等特別控除の各要件に該当する場合には、重複して適用することができる(措法41①⑩、措法41の19の2①)。
十九 確定申告
1 確定申告書の撤回
問 所法121条(確定申告を要しない場合)に該当する者が提出した第3期分の税額が記載された確定申告書は、撤回できるのか。
答 所法121条に該当する者が提出した確定申告書は、撤回が認められる。なお、申告書が撤回された後は、無申告となる(所基通121-2(注)1)。
2 給与所得者が20万円以下の給与を受け取った場合
問 日本の子会社から給与の支払いを受けている者(年末調整済)が、外国の親会社から20万円以下の給与等(ストックオプションを含む)の支払を受けた場合、確定申告義務はあるのか。
答 源泉徴収が行われない給与等の支払を受けている場合は、所法121条の規定(確定申告を要しない場合)の適用はなく、確定申告が必要である(所法121①、所基通121-5)。
3 源泉徴収されない公的年金が400万円以下の者の確定申告義務
⑴ 公的年金収入が源泉徴収されていない場合
問 源泉徴収の対象とならない年金を含む公的年金等の収入金額が400万円以下である場合に確定申告は不要と考えていいのか。
答 源泉徴収の対象とならない年金(例えば、公的年金として取り扱われる外国の制度に基づき国外において支払われる年金)の支給を受ける者は、公的年金等に係る確定申告不要制度を適用できない(所法121③)。
★⑵ 所得金額調整控除と年金所得者者の確定申告不要制度
問 年金所得者が給与収入も有する場合、所得金額調整控除後で確定申告不要制度を判定するのか。
答 確定申告不要制度の要件に該当するか否かの判定については、給与所得と公的年金収入を併有する場合、所得金額調整控除を適用した後の給与所得の金額を基に判定する(措法41の3の3②、⑥)。
十六 所得控除
1 医療費控除
⑴ 添付書類
問 医療費控除を受ける際の添付書類の変更について
答 平成29年分以降の確定申告書を平成30年1月1日以降に提出する場合、領収書の添付又は提示に代えて、医療費の明細書又は各保険者からの医療費通知を添付しなければならないこととされた(所法120④、所規47の2⑧⑨)。
★⑵ 医療費控除(補てん金)
問 癌と宣告されたことを保険事故として支給される保険金は、医療費控除に係る補てん金の額となるのか。
答 死亡したこと、重度障害になったことを基因として支払われる保険金は、医療費の補てんを目的とする保険金に当たらないため、医療費から差し引く必要はない(所基通73-8、73-9)。
【参考】
○医療費から控除するもの
支給先等 | 支給目的 | 種類 |
社会保険、共済、国民健康保険 | 医療費の支出事由を給付原因として支給 | 療養費、家族療養費、出産育児一時金、家族出産一時金、高額療養費 |
損害保険契約、生命保険契約等 | 医療費の補てんを目的として支払われる | 傷害費用保険金、医療保険金、入院費保険金等 |
○医療費から控除しないもの
支給先等 | 支給目的 | 種類 |
社会保険、共済、国民健康保険 | 休業補償的なもの | 傷病手当金、出産手当金 |
損害保険契約、生命保険契約等 | 死亡したこと、重度障害になったことで支払われるもの | 死亡保険金、高度障害保険金 |
★⑶ 「医療費控除の明細書」の書き方
問 次の設例の場合、「医療費控除の明細書」の記入方法について
設例 本人の所得金額 500万円
浦和一郎(本人) ○○病院 入院費 20万円 入院給付金25万円
次郎(長男・生計一) △△病院 入院費 30万円 入院給付金15万円(令和3年受取予定)
よしこ(妻) ××歯科 インプラント治療 40万円
答 次のとおり
○令和2年分医療費控除の明細書【内訳書】
⑴医療を受けた方の氏名 | ⑵病院・薬局などの支払先の名称 | ⑶支払った医療費の額 | ⑷ ⑶のうち生命保険や社会保険などで補てんされる金額 |
浦和一郎 | ○○病院 | 200,000 | 200,000 |
浦和次郎 | △△病院 | 300,000 | 150,000 |
浦和よしこ | ××歯科 | 400,000 |
⑷ 医療費控除(セルフメディケーション)
問 セルフメディケーション税制を選択して申告したが、後日従来の医療費控除を選択、更正の請求書ができるか。
答 セルフメディケーション税制は、医療費控除の特例であり、申告の際に従来の医療費控除との選択適用となる。したがって、重複適用や、一度選択した控除を更正の請求や修正申告において変更することはできない(措法41の17の2)。
2 社会保険料控除(介護保険料、後期高齢者保険料)
問 控除対象配偶者である妻の年金から差し引かれた介護保険料又は後期高齢者医療保険料を夫の社会保険料控除とすることができるか。
答 社会保険料控除は、「居住者が…支払った場合又は給与から控除される場合」控除できる旨の規定となっていることから、妻の年金から差し引かれた介護保険料又は後期高齢者医療保険料を夫の社会保険料控除とすることはできない(所法74①)。なお、後期高齢者医療保険料については、妻の後期高齢者医療保険料を夫の口座から振替により支払うことを選択できることになっていることから、その選択をして夫の口座から振替により支払った場合には、夫の社会保険料控除の計算に含めることができる。
(注)妻の介護保険料が特別徴収(年金から天引き)されている場合は、本人の申し出により、特別徴収から普通徴収(現金納付又は口座振替)への変更はできないため、妻の介護保険料を夫の口座から振替により、支払うことはできない。ただし、妻の介護保険料が普通徴収されている場合、市区町村等へ一定の手続きをすることにより、妻の介護保険料を夫の口座から振替により支払うことができる。
3 寄附金控除
⑴ 入学寄附金
問 いわゆる入学寄附金は寄附金控除の対象となるのか。
答 入学1年目の年末までに支払った学校に対する寄附は、原則として寄附金控除の対象とならない(所法78②、所基通78-2)。
⑵ 宗教法人に対する寄附
問 宗教法人に対する寄附は寄附金控除の対象となるのか。
答 宗教法人に対する寄附は、国宝、重要文化財の保護の観点等から財務大臣が指定するものを除き、寄附金控除の対象とならない(所法78②二)。なお、指定された寄附金は財務大臣により告示されることになる(所令216②)ので、官報等により確認ができる。
⑶ 税額控除と寄附金控除
問 公益社団法人等に対して寄附を複数行った場合に、一部を税額控除とし、残りを寄附金控除の対象とすることはできるのか。
答 公益社団法人等に対する寄附について、所得控除又は税額控除を選択する場合には、その全てについて、いずれか一方を選択しなければならない(措法41の18の3-1)。
★⑷ ふるさと納税
問 課税所得金額500万円の所得者が、102,000円のふるさと納税をした場合の節税額と申告書への記載方法
○ふるさと納税控除額
税額 | 対象額 | 率 | 控除額 |
所得税 | 102,000-2,000=100,000 | 20.42% | 20,420円 |
住民税所得割額 | 102,000-2,000=100,000 | 10% | 10,000円 |
住民税特例控除額 | 102,000-2,000=100,000 | 69.58% | 69,580円 |
合計 | 100% | 100,000円 |
○ 住民税特例控除の割合
(人的控除差調整額控除後>0)
課税総所得金額 | 特例控除率 |
195万円以下 | 84.895% |
330万円以下 | 79.79% |
695万円以下 | 69.58% |
900万円以下 | 66.517% |
1800万円以下 | 56.307% |
4000万円以下 | 49.16% |
4000万円超 | 44.055% |
(注)特例控除額は所得割額の20%が限度
限度額の判定(500万円×10%×20%=10万円>69,580)
申告書(第二表)
○寄附金控除に関する事項(㉘)
寄附先の名称 | ○○市 | 寄附金 | 102,000 |
○住民税・事業税に関する事項
都道府県・市町村への寄附(特例控除対象) | 共同募金、日赤その他の寄附 | 都道府県条例指定寄附 | 市町村条例指定寄附 |
102,000 | – | – | – |
4 障害者控除
⑴ 要介護認定
問 介護保険法により要介護認定を受けたことを理由に、障害者控除を適用できるのか。
答 要介護認定を受けたことのみで、障害者控除の対象とはならない。ただし、障害の程度が障害者に準ずるものとして、市町村長等*から認定を受けている者(「障害者控除対象者認定書」を交付されている者)は適用がある(所令10①七)。
*市町村長等とは、市町村長又は特別区の区長をいうが、社会福祉事務所が老人福祉法第5条の4第2項各号に掲げる業務を行っている場合には、社会福祉事務所長を指す。
⑵ 年少扶養親族の場合
問 年少扶養親族(扶養親族のうち、16歳未満の者をいう。)については、(特別)障害者控除が適用できないのか。
答 障害者控除の規定は、「居住者の同一生計配偶者又は扶養親族が障害者である場合」と規定されているので、16歳未満の扶養親族(扶養控除の適用のある控除対象扶養親族には該当しない。)が(特別)障害者に該当する場合には障害者控除の適用がある(所法79)。
⑶ 成年被後見人
問 成年被後見人は、障害者控除の対象となる特別障害者には該当しないのか。
答 成年被後見人は、「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く状況にある者」に該当し、障害者控除の対象となる特別障害者に該当する(国税庁HP平24.8.31文書回答事例)。
★⑷ 配偶者特別控除と障害者控除
問 配偶者特別控除の対象となる配偶者が、身体障害者である場合、障害者控除の適用はあるのか。
答 障害者控除の対象となるのは「同一生計配偶者」であり、配偶者特別控除の対象となる配偶者はこれに当たらないため、障害者控除の適用はない(所法79②③)。なお、配偶者自身は所得税の計算上、障害者控除の適用はある。
5 配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除
⑴ 配偶者特別控除の適用範囲
問 配偶者特別控除の所得基準
答 平成30年分の所得税から配偶者特別控除の対象となる配偶者の合計所得金額が、38万円超123万円以下となった。平成16年分から平成29年分までは、38万円超76万円未満である。いずれも合計所得金額に応じて逓減する。
⑵ 所得制限について(分離譲渡所得がある場合)
問 分離譲渡所得の金額がある場合の所得制限はどのように算定するのか。
答 同一生計配偶者や扶養親族の判定の際の合計所得金額は、分離譲渡所得がある場合特別控除前で算定する(措法31①③、32①④、所基通2-41(注))。
⑶ 所得制限について(純損失がある場合)
問 純損失(雑損失)の繰越控除がある場合の所得制限はどのように算定するのか。
答 純損失(雑損失)の繰越控除がある場合には、合計所得金額を繰越控除前で算定する(所法2①三十ロ、三十三)。
⑷ 扶養親族所属の変更
問 確定申告書において、控除対象扶養親族として申告していた者を、更正の請求や修正申告によって、別の納税者の控除対象扶養親族に変更することができるか。
答 二以上の居住者の扶養親族に該当する場合の扶養親族の所属は、①予定納税の減額申請書②確定申告書③扶養控除等申告書等に記載されたところによることから、その後の更正の請求や修正申告によって扶養親族の所属を変更することはできない(所令219①、所基通85-2)。
★⑸ 同一の者が配偶者控除と扶養控除の適用
問 年の中途で死亡した父親の準確定申告において配偶者控除の適用を受けた母親について父親が死亡した後においては子が扶養している場合には、扶養控除の適用はできないのか。
答 父親の準確定申告における同一生計配偶者の該当の有無については、死亡日の現況で判定する。子の申告において、控除対象扶養親族の該当の有無は12月31日の現況により判定する(所法85③)。したがって、母親は父親の配偶者控除の適用を受けたうえ、子は母親を控除対象扶養親族として扶養控除の適用も受けることができる。
⑹国外居住親族に係る送金関係書類
問 扶養控除の適用を受けようとする国外居住親族が複数おり、送金を代表者にまとめて行っている場合、その送金証明書を国外居住親族全員分の送金関係書類として取り扱うことができるか。
答 国外居住親族について扶養控除を適用する場合に添付する送金関係書類は、国外居住親族の生活費又は教育費に充てるための支払を、必要の都度、各人に行ったことを明らかにすることが必要である(所規47の2⑤、所基通120-8)。
6 ひとり親控除、寡婦控除
★⑴ 婚姻歴がない未婚の親
問 婚姻歴がない未婚の親は、ひとり親控除の適用があるのか。
答 「ひとり親」とは、現に婚姻していない者又は配偶者の生死が明らかでない一定の者をいい、婚姻歴の有無は問われない(所法2①三十一)。
★⑵ 寡婦控除
問 昨年まで寡婦控除の適用を受けていた者(夫と離婚した後、扶養親族があった者)が本年は扶養親族がいなくなった場合
答 扶養親族がいない者で寡婦控除が適用されるのは、夫と死別又は夫が生死不明の場合に限られているので、寡婦控除の適用はない(所法2①三十)。
★⑶ 合計所得金額が500万円超の場合
問 合計所得金額が500万円超の場合のひとり親控除、寡婦控除の適用
答 ひとり親控除、寡婦控除(令和2年分以降)については、所得者の合計所得金額が500万円以下であることが適用要件とされている(所法2①三十、三十一)。なお、令和元年分以前は、合計所得金額が500万円超であっても、離婚又は死別した場合、扶養親族や総所得金額等が38万円以下の生計を一にする子がいる場合には、寡婦控除の適用が受けることができる。
7 所得控除の計算順序
問 退職所得を有する者が、各所得控除の合計金額が総所得金額よりも多額であるため、総所得金額から差し引きき切れない場合
答 所得控除は、総所得金額、山林所得金額又は退職所得金額から順次控除する(所法87②)。したがって、所得控除の合計額が総所得金額よりも多額であり、かつ、退職所得を有する場合には、源泉徴収で申告不要の退職所得を申告することで、総所得金額から差し引ききれなかった所得控除の額を退職所得から差し引きすることができる。