養老保険の契約者を変更後、相続が発生・満期となった場合の課税関係について

《質問》

 10年前に父が一時払いの養老保険の契約者となり保険料の払込みを行いました。被保険者と満期保険金の受取人は子、死亡保険金の受取人は父でした。
 5年経過し契約者の名義を父から子に変更しました。
 その後2年経過し父の相続が発生しましたが、この養老保険の件については、相続申告の際、相続財産として申告していません。
 この度この養老保険が満期となり、子が満期保険金を受け取りました。 この養老保険満期に伴う所得税の課税、相続税の申告はどのように処理するのがよろしいのでしょうか。

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特定遺贈がある遺言書について遺産分割協議を行った場合について

《質問》

相続人A
法定相続人B、C
受遺者D、E
相続開始日 平成28年12月
相続財産 現預金1億円のみ
遺言書の内容  Bに5,000万円、Cに1,000万円、D、Eに各2,000万円遺贈する。

上記遺言書がある場合においてBとCの相続分合計6,000万円についてのみB、C間で遺産分割協議を行い遺言書と異なる分割をすることは可能でしょうか?
例えば、Bが3,000万円、Cが3,000万円取得するといった分割協議を行う場合はいかがでしょうか?
懸念しているのは、上記遺産分割協議がそもそも有効なのかという点、遺産分割協議を行ったことにより、D、Eへの特定遺贈が無効となり贈与となったり、BからCへの贈与と扱われたりしないかという点です。

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サブリース方式等により賃貸物件を同族法人に管理運用させた場合の課税関係

《質問》

 父Aは、自身が所有している賃貸ビル(年間賃貸料収入 約1億円)を、息子Bが経営する同族法人甲に一括して貸し付け、同時に同法人が転貸し、賃借人と契約を結び管理運用する方式を検討しています。甲同族法人とAとの賃貸借契約において一般的に貸し付ける金額より低く(例えば6,000万円程度)した場合、課税上の問題はありませんか。
 また、甲同族法人に賃貸ビルを管理させ、管理料を支払う形式とした場合は、いかがでしょうか。

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相続分割後、事業的規模から事業に至らない規模となった不動産貸付業に係る青色申告特別控除

《質問》

 平成28年8月に夫(甲)が死亡しました。相続人は妻(乙)と子(丙)の2人だけです。不動産貸付に係る相続財産は、賃貸マンションA(30室)、月極駐車場B(3台)貸地C(1か所)貸家D(1棟)の各不動産です。平成29年6月1日の遺産分割の結果、賃貸マンションAは乙が、残りは全て丙が所有することに決まりました。
 平成29年分の申告においては、5月までは遺産が未分割ですから、法定相続分の1/2で各々収入を計上し、6月以降分については遺産分割協議書の所有状況どおりに不動産所得を算出することになると思います。
 その際の青色申告特別控除65万円の適用についてはどのようになりますか。乙にとって、相続した物件は事業的規模でないため、平成30年以降の確定申告では10万円の控除額となると思いますが、29年度においては事業的規模の期間と事業的規模に達しない期間があり、1年を通して事業的規模となっていませんが65万円控除は適用できますか。

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会社が損害保険料を負担し、従業員が傷害保険金を受領した際の税務上の取扱いについて

《質問》

 当社は、従業員を被保険者とする損害保険契約(1年ごとに契約)に加入していますが、先日従業員が骨折をしてしまい、700万円の傷害保険金が支払われることになりました。受取人は従業員となっていますので、直接保険会社から被保険者に支払われます。課税関係はどのようになりますか。
 また、受取人が当社となっていて、一旦当社が受け取った後、その保険金を従業員に支払った場合は如何でしょうか。

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不動産所得に係る不動産取得税の取扱いについて

《質問》

 被相続人(平成27年6月8日没)は、事業規模で不動産業を営んでいました。
 被相続人は生前(平成27年5月15日)に土地(建物付)を購入しました。購入物件については、建物を取壊し、収益物件を新しく建築することを目的としていました。
 相続人は当該土地の不動産取得税を相続後の平成27年12月10日(平成27年12月7日発布)に納税しました。
 建物を取壊した後、同族法人に賃貸し、同法人が建物を建築しましたが、建築期間中の地代のやり取りは行っていませんでした。
 当該物件の収入は平成29年1月から発生しています。
 相続税申告上は、建築途中であったため「自用地」として評価しました。
 相続人は不動産業を営んでいた被相続人の事業を相続しているため、不動産取得税を平成27年の不動産所得計算上必要経費に算入しました。
 ところが、調査で当該不動産取得税は賃料の収入が平成27年中にはなく、費用収益が対応していないため費用として認められないこと、また所得税は単年度での精算を原則としているため、翌年(平成28年)以降の費用としても認められないことからして、土地の取得費とすべきとの見解を申し渡されました。
 以上について、ご意見、アドバイスをお聞かせください。

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相続人が被相続人の個人年金を受けとることになった際の所得税の取扱いについて

《質問》

 被相続人Aは、生命保険の個人年金(契約者、保険料負担者、年金受取人いずれもA)に加入していました。年金支払開始日は平成27年8月からで年金は年1回毎年8月に支払われることになっていて、5年間の確定年金でした。
 しかし、Aは支払手続きをせず年金を一度も受け取ることなく、平成28年12月に死亡しました。
 Aの死亡後、⑴相続人BがAが受け取るはずの2回分の年金(27年8月と28年8月)の支払手続きと、⑵残りの3回分年金の支払手続きを行う予定です。なお、残りの3回分の年金については、①一時金で受け取るか②3回に分け年金で受け取るか選択できることになっていますが、①を選択する予定です。
 ⑴及び⑵の年金受取に関し所得税の課税の取扱関係を説明してください。なお、Aの相続税の申告においては、過去2回分の年金は各年8月に確定しているため未収入金で、残り3回分の年金は死亡一時金として計上します。

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建て替え中の居宅敷地にかかる小規模宅地等の特例の適用について

《質問》

相続人A,B,Cの3人での当初申告を、平成18年に未分割のまま提出していましたが、この3名が上手く分割協議できなかったために、裁判で10年ほど争われていました。
そして、昨年の12月に和解が成立し、今回更正の請求を4か月以内の4月に提出します(相談を受けたのは今年の2月)。
当時、旧自宅がありそこに被相続人と相続人Aが居住していましたが、それを取壊し建替え中に被相続人が亡くなりました。その後、新自宅が建ち、現在は相続人Aがそこに居住しています。(登記は未登記です)
この時、小規模宅地等の特例は適用可能なのでしょうか?(申告期限後3年以内の分割見込書・遺産が未分割であることについてやむをえない事由がある旨の承認申請書は提出されています)
また、適用が可能であるとして、敷地300㎡を相続人B,Cと1/3ずつ当該土地を分割することで和解調書がまとまったのですが、当時の適用限度面積240㎡のうち、そこに住み続けるAは80㎡のみしか適用は不可なのでしょうか?相続人B,Cは別のところに住居を構えています。

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「相当の地代」方式から「無償返還の届け出+通常の地代」方式に変更することについて

《前提》

現在、社会福祉法人Aとその理事長Bの間において、下記のような土地賃貸借契約を締結しています。
①土地:Bの所有
②建物(介護施設):Aの所有
③地代:相当の地代を収受する
という土地賃貸契約となっています。
なお、相当の地代の改訂方法に関する届け出を税務署に提出済みです。(平成19年)

今回この土地に関して、「相当の地代」方式から「無償返還の届け出+通常の地代」方式に変更することになりました。ただし、今回の地代の金額変更に関して、近隣の地代相場や固定資産税相場が変動したわけではありません。

《質問》

①無償返還の届け出は、法人が社会福祉法人であっても提出は可能でしょうか?
届け出の手続き上は、「法人が~」といった記載のされ方しかしていないため、法人の種類は問題ないものと思われますが、いかがでしょうか?

②この地代の支払方法を変更することに対し、何らかの税務上のリスクはありますでしょうか?借地権の権利関係は移動ないものとして問題ないと思いますが、特に、地代金額が著しく変更されることに対して、みなし贈与等のリスクがあるのかが疑問です。

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事業を廃業した際の青色申告の効力

《質問》

 個人でコンビニエンスストアの経営(青色申告)をした後、業績も伸びたことで法人を設立し10年間に渡り法人として経営をしてきましたが、この度再度個人で営業することにしました。従前どおり青色申告をしたいと考えていますが、『青色申告承認申請書』は再び提出する必要がありますか。以前法人成りした際には、『青色申告の取りやめ書』は提出していません。
 ちなみに管轄する税務署へ電話で問合せしたところ、担当者は『取りやめの書』の提出が無い限り、青色申告の効果は継続するので、再提出の必要がない旨の回答を得ました。

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