海外に単身赴任する場合の住宅借入金等特別控除の適用と申告方法

《質問》

 平成28年税制改正により住宅借入金等特別控除を非居住者でも受けられるようになりましたが、その手続きについての質問です。平成29年2月に住居を新築しましたが、その住居に住むことなく29年4月1日に2年間の予定で外国に勤務することになってしまいました。妻と子供は国内に留まり4月から新築した住まいに居住しています(住宅借入金等特別控除を受けるための他の要件は満たしています。)。
 国税庁HPによると「海外に単身赴任等する場合(平成28年4月1日以後に住宅の取得等をして海外に単身赴任等することにより、非居住者となる者に限ります。)
平成28年4月1日以後に住宅の取得等をした方が、転勤、転地療養その他のやむを得ない事情により、海外に転出し、配偶者、扶養親族その他生計を一にする親族と日常の起居を共にしない場合において、これらの親族が引き続き居住している当該住宅について住宅借入金等特別控除の適用を受けるためには、国内に納税管理人を定め、その納税管理人を通じて翌年に確定申告を行います。」と記載されています。
 これは、本人が新居に居住していなくても、家族が住んでいる等条件を満たしていれば、平成29年3月までの国内での給与所得(年末調整済)について納税管理人を定めて確定申告(還付申告)をすればよいということなのでしょうか。また、納税管理人を定めずに日本に帰国後、期限後申告(還付申告)により住宅借入金等特別控除の適用を受けることはできるのでしょうか。

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従業員のベビーシッター代の負担補助

《質問》

 当社はこの度、福利厚生の一環として幼児を持つ従業員に対し、残業時に限りベビーシッター代の一部を会社が負担するシステムの導入を検討しています。従業員に対する経済的利益の課税はどのようになるのかご教示願います。

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保証債務特例の適用について

《質問》

 以下の状況等の場合、所得税法64条2項に基づき保証債務特例が適用できますか?
 具体的には、求償権行使不能の要件である債務超過の判定において、代表者借入金の扱いはどうなるのでしょうか?

〈会社の状況〉

資産 100,000千円(時価評価額は現在精査中)
負債 200,000千円
 負債のうち金融機関借入金 50,000千円
 負債のうち代表者借入金  150,000千円
差引 △100,000千円(債務超過)

〈今後のスケジュール〉
5/31 代表者個人の不動産(土地建物)を売却(250,000千円)
   金融機関よりの督促前
6月 当該売却代金をもって金融機関借入金を返済(保証人として弁済)
   代表者が会社に対して求償権を取得
7/30 解散予定(速やかに清算結了を目指す)

〈懸念事項〉
保証債務特例の適用に当たり、求償権の行使不能が要件となりますが、「求償権を放棄してもなお債務超過であること」の条件について、以下の疑念を持っております。いかがお考えでしょうか?

・当該会社は債務超過であることは間違いありませんが、負債のうち大部分を代表者からの借入金が占めており、当該借入金の放棄を受ければ債務超過は解消することになります。代表者の意思でコントロールできる当該借入金を加味して債務超過と判定して問題ないでしょうか?
(債務超過の状況は5年以上継続しています)

・債務超過の判定は時価ベースで行うのが当然ではありますが、当然に負債も時価評価するとなれば、代表者借入金の債務超過部分は返済不能であることから、時価は相当程度低いものになります。すなわち、時価ベースでの債務超過部分は回収不能となり、純資産は理論上プラスとなるため、債務超過の要件に当てはまらないのではないかと疑念を抱いております(DESにおける債務消滅益と同様の考えになるでしょうか)。

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離婚した元妻に対し支払っていた専従者給与の必要経費性・国民年金の負担をした場合の所得控除

《質問》

 私はコンビニエンスストアを個人で営んでおり、従事(1月~5月)していた配偶者に対し専従者給与を支払っていました。また、同者が負担すべき国民年金も支払っていました。しかし、5月に離婚することとなってしまいました。これまでの専従者給与は必要経費としてよろしいでしょうか。また、支払っていた国民年金は社会保険料控除の対象としてよろしいですか。

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相続した土地の一部に建物を建て残りの土地を売却した時の3,000万円控除の適用について

《質問》

平成26年に実父の死亡により、実父の実家(戸建土地建物)を長男が相続しました。
実父は一人暮らしでした。
しばらく空き家にしていたのですが、平成27年に実家(建物)を全て取壊しました。
その後、土地については分筆を行い二等分しました。
片方は長男が家を建築し長男の自宅として現在も住んでいます。
もう片方の土地は更地で、今年(平成29年)売却を検討しております。
この場合、今年売却を検討している土地について、被相続人の居住用財産(空き家)を売った時の特例(3,000万円控除)の適用は可能でしょうか?
もともとの実父の自宅土地の「半分」の譲渡、という点が気になっています。
その他のこの規定の要件は全て満たしていると思います。

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個人事業者の少額減価償却資産の特例適用について

《質問》

平成28年11月より不動産所得に係る業務を開始し、少額減価償却資産の特例対象分を合計で約100万円程度取得しました。取得した全額を必要経費にできる適用限度額は300万円と聞いていますので全額必要経費に計上してよろしいですか?
 なお、私は以前から商売を行っているため、毎年青色申告で事業所得の確定申告をしています。 “個人事業者の少額減価償却資産の特例適用について” の続きを読む

共有地の分割後の交換について

《質問》

もともとA土地を共有して父子が持っていました。
子が2/3
父が1/3
この土地をこのたび共有物分割協議により分筆して分割取得しました。分筆は3区画で行われました。
2区画は子
1区画は父
ここまでであれば、共有物分割なので確定申告は必要なしのはずです。
ただ、土地の利用上の問題で、隣接する父の土地と分割協議により分割された子の1区画分を交換することとなりました。
面積も同じ完全な等価交換で交換差益も生じませんが、交換特例の条件で、この子の1区画は、所有期間1年以上の問題が出てくるのですが・・・
私的には、この子の1区画は、以前より何十年も共有で所有してきたことから、分筆したとはいえ、その所有期間を引き継ぐのではないかと考えております。
いかがでしょうか?

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道路との段差が著しい土地の評価について

《質問》

 下記図ような二方路線価の土地で、その二方路線について高低差が最大4.15m程あり、かつその高低差が斜面になっているために、使用できる地積が実際の登記簿上の地積と相違する場合、小規模宅地の特例以外に土地の課税価格を下げられる方法はありますでしょうか。

キャプチャ

写真1

写真2

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相続税の財産評価にかかる「相当の地代通達」の取扱いについて

【評価に係る土地の賃貸関係】

・被相続人 甲(A・B土地を所有)
・甲が株式を所有していた会社乙(C土地を所有)及び会社丙
・A土地は乙社が甲から賃貸借し、その上に建物を建築。当該建物の1Fは乙社が自社店舗として利用し、2Fは第三者に賃貸。
→ 「甲の相続財産としての貸宅地」 及び 「乙社株式評価の際に用いる貸家建付借地権」評価を要する。

・B土地もA土地と同じ利用状況。場所はA土地とは離れている。
→ 「甲の相続財産としての貸宅地」 及び 「乙社株式評価の際に用いる貸家建付借地権」評価を要する。

・C土地は丙社が乙社から賃貸借し、その上に建物を建築。当該建物の1Fは丙社が自社店舗として利用し、2Fは第三者に賃貸。
→ 「乙社株式評価の際の貸宅地」 及び 「丙社株式評価の際に用いる貸家建付借地権」評価を要する。

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土地の評価及び小規模宅地の適用について

《質問》

 土地と建物を被相続人が所有しております。
建物概要(参考写真)
3F 自宅100㎡ (被相続人の甥が取得)
2F 賃貸100㎡ (住宅 第3者)
1F 車庫として賃貸50㎡ (2Fの賃借人とは別人)
土地160㎡

参考写真

①評価について
3F部分(160㎡×(100㎡/250㎡)は自用地
2F部分(160㎡×(100㎡/250㎡)は貸家建付地で良いと思いますが、
1Fの車庫部分の評価‥‥‥160㎡×(50㎡/250㎡)は、自用地評価なのか、貸宅地か貸家建付地のどちらになりますでしょうか。

②小規模宅地について
1Fと2Fに対応する面積分160㎡×(100㎡+100㎡)/250㎡⇒貸付事業用宅地として、50%の評価減(事業継続承継要件と保有継続要件は満たしております。)

3F部分・・・特定居住用宅地として80%の評価減⇒相続開始前3年以内に国内にある親族(今回の場合被相続人の甥)自身所有の家屋に居住した事があれば、80%の特例は受けられないかと思いますが、今回の甥っ子さんの場合、自分名義でマンションを今でも所有しておりまして、過去に住んでいたみたいなのですが、3年以内かどうか微妙なようなのです。(光熱費の領収書も見当たらないそうです)その場合、住んでいたかどうかは水掛け論になってしまうかと思いますが、実際否認されてしまうケースはあるのでしょうか。

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