自社株(非上場)を同族株主から買い取る場合の自社株の評価について

《質問》

当社は非上場会社です。
このたび役員3名(社長、長男、三男)の保有する株式を買い取ることを検討しております。当社は売上年商5,000万円、従業員は2名の小会社です。
当社は比準要素1の特定会社に該当します。
株主はすべて家族で同族会社に該当し、中心的な同族株主となります。
今回の譲渡にあたり当社の株価を算定する際、下記の①、②のどちらが適正でしょうか?

①比準要素1の特定会社に該当するので
      類似×25%+純資産×75%
②中心的な同族株主からの買取なので常に小会社方式となるので
      類似×50%+純資産×50%

なお、開業3年未満の会社や土地、株式保有会社には該当しません。

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適格合併と清算結了

《前提》

運送業を営むA会社が、下記3社をM&Aにより3社の株式をすべて100%収得しました。
3社はこれまでも相互に関連する業務を行うグループ会牡でした。
A社は、この3社のうちB社のみを残したいと思っており、
①B社を存続会社とする合併を行うか
②営業譲渡により、外部に対する営業をB社に集中させ、C社、D社を清算結了することを考えています。
                         単位:千円

 B社  C社  D社  備考
直近期年商  636,052 238,623   68,612 
直近期経常利益   -2,291   7,848   1,006
資本金   10,000   3,000   3,000
従業員数   13人   8人   3人
M&Aの際の株式取得価格   80,000   40,000   20,000
M&Aの際の退職金  120,000           0 10,000
直近試算表 BS 資産  208,922    95,160   23,530   M&Aの際の全役員に対する退職金を経費計上した後の進行期直近試算表の金額
負債  253,635  53,910  7,328
純資産  ‐44,713  41,250  16,202
PL 税引前利益  ‐95,000  5,000  ‐5,000

《事業目的及び事業内容》

・A社   一般貨物運送業                   100%
・B社   一般貨物運送業(すべて外部顧客に対するもの)   全体の 60%
     A社に対するドライバーの特定派遺業務        全体の 40%
・C社       A社に対するドライバーの特定派遣業務          100%

《質問1》
B社を存続会社とする適格合併を行う場合、B社は現状退職金の支給により債務超過ですが認められるでしょうか。

《質問2》
B社を存続会社としてC社とD社を適格合併をしようと考えていますが、現状の内容から適格合併の要件である「事業関連性は認められるでしょうか」

《質問3》
合併ではなく、営業譲渡により外部に対する営業をB社に集中させ、C社、D社を清算結了する場合、例えばC社は現状の税引き前利益5,000千円×25%=1,250千円の法人税等を支払う。
(繰越欠損金はありませんし、不動産等含み益のある資産もありません)
清算結了にあたり、純資産40,000千円(41,250千円-1,250千円)から資本金3,000千円を控除した37,000千円が100%株主であるA社に対するみなし配当となる。
A社は37,000千円全額益金不算入扱いと考えてよいでしょうか。

《質問4》
合併ではなく、営業譲渡により、外部に対する営業をB社に集中させ、C社、D社を清算結了する場合D社において発生している進行期の欠損金-5,000千円は、100%子会社の未処理欠損金としてA社において引き継ぐことができると考えてよろしいでしょうか。

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個人と法人間の借地権設定に係る課税について

《質問》

次の事例の場合の課税関係についてご教示願います。
個人Aは、法人甲(Aが株式の100%を所有する不動産賃貸を業とする法人)に土地を貸付けています。法人甲はその土地に昭和43年と昭和44年に2棟の倉庫を建設したうえで、同族関係のない運送業者乙法人へ賃貸し、現在にいたっております。
Aと甲法人は建物建設時から継続して、固定資産税程度の地代年110万円(現在年220万円)だけの授受にとどめ、権利金のやりとりもなく、無償返還届の提出もしていませんが、建物建築時において、甲法人への借地権の認定課税は行われていません。賃貸借契約書は作成していませんでしたが、平成26年1月になり、20年間の賃貸借契約書を取り交わし、地代年額を360万円に改定しました。
なお、土地面積 2770㎡ 路線価 84,000円  借地権割合D60%です。

⑴当該土地について、Aと甲法人間の借地権関係をどのように捉えればよいのでしょうか。

⑵最近になり、乙法人の経営状況が悪くなり、丙法人(小売店)に転貸することになりました。貸付に当たっては老朽化した建物を取り壊し、丙法人仕様の建物に甲法人が建設する予定にしています。この場合、更地の建設期間中を含め、当然に借地権はそのまま現存するのでしょうか。

⑶借地権が存続しているならば、その評価額(相続税の算出する場合または売買する場合)はどのように算出するのでしょうか。

⑷平成26年から地代を改定したことに対して課税上の問題はありますか。

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個人事業主の結婚披露宴費用について

《質問》

私は税理士業務を営んでおります。
このたび後継者である長男が結婚することになりました。
結婚披露宴には顧問先や同業者及び使用人を多数招待し、今後の事務所の業務運営に活かしたいと考えております。
披露宴の費用のうち業務関連者にかかる部分は事業所得の必要経費に算入可能でしょうか?

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「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」の提出を失念した場合の対処方法について

《質問》

 顧問先A社(11月決算)は、かねてより簡易課税により消費税の申告をしておりましたが、当決算期末である平成28年11月中に本社建物が完成し、消費税の還付が見込めるにもかかわらず、9月下旬の「定期訪問で、社長さんから消費税は、どのくらい還付されるのかとのお尋ねを受けるまで、『消費税簡易課税制度選択不適用届出書』の提出を失念しておりました。」と言いながら、A社担当のU君が血相を変え、飛んで帰ってきました。既に10月に入り、A社決算を目前に控えて、所員一同、途方にくれているところですが、何か打つ手はありますでしょうか。
 なお、上記建物に係る請負金額は3億円、当該請負契約の締結日は平成27年9月20日です。

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事前確定給与に関する届け出について

《質問》

事前確定届出給与に関する届出についてお教え下さい。
3月期決算企業において、役員賞与を7/31、12/25に各々1,000千円ずつ事前確定届出給与に関する事項について提出をしています。
7/31分は、予定通り支給できましたが、12/25は業況悪化に伴い支給を見送りました。
この場合、7/31支給分についても経費として認められなくなってしまう事は理解しております。
12/25に年1回のみの役員賞与を4,000千円支給する事前確定届出給与に関する事項について提出している場合、支給できなかった事に対し、何か不都合等は発生するのでしょうか?
最近の風潮として、事業年度の後半、収益状況がある程度判断できる時期に「儲かっていれば支給する」という年一回の役員賞与支給が横行していると聞いています。
ご意見等をお聞かせください。

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認定住宅新築等特別税額控除から住宅借入金等特別控除への選択替え

《質問》

私は平成27年に認定長期優良住宅を借入金で取得し、所得税の税額控除を受けることとしました。借入金の年末残高は1,000万円、床面積は120平方メートル(木造)です。税額控除を受けるに当たっては、検討もあまりせず年間控除額が大きいとの理由から控除率10%の認定住宅新築等特別税額控除を適用することにし、還付申告書を作成・提出しました。しかし、借入金の残高に応じ、税額控除額を算定する住宅借入金等特別控除を適用したほうが、最終的に控除額は大きくなり有利になると友人からアドバイスを受けました。住宅借入金等特別控除への選択適用替えはできるのでしょうか。

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税理士が死亡し、後継者の息子が自身や従業員に退職金を支給した場合の課税関係

《質問》

税理士Aは、税理士事務所を開業していましたが、先月死亡しました。その税理士事務所は、補助税理士の長男Bが後継者となり税理士事務所を承継しました。その承継した相続人Bが従業員10名と自己に対し退職金を支給しようと考えていますが、この場合退職金は被相続人の所得計算上必要経費に算入されますか。また、相続税の申告の際、債務控除の対象になりますか。なお、従業員のメンバーは変更もなく従事内容や従事状況に変更がありません。また、退職金規程はありますが、死亡した際の取り決めはありません。

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交換留学生を採用し、日本語学校に通う学資金を給付した場合の課税関係

《質問》

 新聞販売店を営む法人は、平成28年以降に海外からの交換留学生(中国、韓国)を雇用しました。雇用に当たっては、交換留学生を日本語学校に通わせることとし、入学手続き等を取り扱う委託会社に対して一人当たり60万円給付しています。また、雇用条件は、月額8万5千円の給与(一日2~3時間・週6日 週最大18時間の労働)を支給し、それに加えて無償による社宅へ入居させています。なお、給付額は、一般的な日本人の給与水準と比べて低くなっていますが、業界の慣例に従って決定しています。
 留学生は、新聞販売の集金業務、勧誘業務をするうえで必須の知識であることから学資金の負担は、業務関連性があると考えて非課税所得としてよろしいでしょうか。

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不動産業に係る営業職員の歩合給の所得区分

《質問》

不動産業を営む法人です。完全給与制を採用していますが、従業員に対する社会保険料の負担が重いため、基本給部分を給与とし、歩合給部分を報酬とすることを検討しています。
○業種 不動産業(仲介主体)
○営業社員の歩合は、四半期ごとの売上成績により、職給並びに歩合率が自動的に決定します。
○現状 基本給 営業社員 入社時 25万円
その後歩合給同様、四半期ごとの成績により変動有り
営業経費は法人負担 (ガソリン代、パーキング代、広告代、打合せ時お茶代等)

Q1 歩合給部分を報酬(事業所得)とすることに問題はないのでしょうか。
Q2 基本給を現状の25万円程度とした場合でも、歩合給を報酬とすることに問題はないでしょうか。基本給の金額によって違いがあるのですか。
Q3 営業社員の中に完全給与制の者と、報酬型の者が混在しても問題はないのでしょうか(その場合、基本給及び歩合給割合に差を設けます。)。
Q4 報酬部分は、消費税の課税仕入において、否認の可能性はありますか。
Q5 次のことを条件とすることと考えていますが、他に気をつけるべき点がありましたら、ご教示お願いします。
・ 営業経費は全て外交員負担とする
・ 報酬部分については、「委任契約(業務委任契約)」を交わす
(確定申告を契約条件に含める)
・ 報酬部分については、外交員報酬として支払時、源泉徴収する
・ 歩合給計算基準は、現状通り
(状況により、決算後改定の場合あり)

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