《質問》
50%部分が自宅、残り50%が賃貸用物件として使用している不動産(現在、夫が100%所有)の1/2を妻に贈与した場合、贈与税の配偶者控除の適用はどのようになりますか。
また、その後この不動産から生ずる不動産所得はすべて、夫に帰属することになるのでしょうか。または、それぞれの持分が1/2であるため、妻にも不動産所得が帰属することになるのでしょうか。
「さくら税研フォーラム」は会員制の税務・会計情報サービスです。法人課税・個人課税・資産課税・消費税等税務全般に渡るポイント、毎年の税制改正の動向など、最新の税務情報を詳しく解説しています。
《質問》
50%部分が自宅、残り50%が賃貸用物件として使用している不動産(現在、夫が100%所有)の1/2を妻に贈与した場合、贈与税の配偶者控除の適用はどのようになりますか。
また、その後この不動産から生ずる不動産所得はすべて、夫に帰属することになるのでしょうか。または、それぞれの持分が1/2であるため、妻にも不動産所得が帰属することになるのでしょうか。
【前提】
・相続発生日27年5月9日(申告期限28年3月9日)
・被相続人:毋 相続人:息子と娘の2人。
・遺産総額128百万円。(小規模宅地考慮前は2百万多い130百万円。また、下記A社の株式含む。)
・遺産分割27年6月17日成立。(被相続人の成年後見人作成の財産目録で作成)
『遺産分割協議書内に記載されていない相続財産はすべて息子が取得する』文言が記載されております。
【経緯】
・遺産分割協議後に相続税の申告前の財産確認で妹側は非上場会社A社の株式があることを初めて認識しました(評価額として35百万、株数は13株)。
当該遺産分割協議書内にはA社の株式は含まれていません。
・妹側から弁護士を通じて、株式の法定相続分の金銭の要求があり。
ただし、再度の遺産分割は望んでおらず、単純な金銭要求。
・息子側の弁護士の考えでは当初分割時にはA社株式が共通の認識ではないため分割はされていないとの考えもあり。
・今後の交渉次第ですが。①A社株式のみの分割協議を行うか②全資産を再度分割協議するか③改めて分割協議はしないで単純にA社評価額の半額を息子から娘へ支払うかとなります。
《質問》
○小規模宅地の特例の適用の可否について
上記の経緯の①~③の今後の交渉次第で対応が変わってくるかと存じますが申告期限までに協議が終わらない場合でのご質問となります。
①の株式のみ協議した場合には、当初分割は有効となり、小規模の適用有りで3/9までに申告してもよいでしょうか?また、③の場合には改めて分割協議はしないため、分割は確定し小規模の適用は有りで申告してもよいでしょうか?
(②の場合には未分割のため、適用無しで申告と考えております。)
ちなみに③の場合には、分割協議後の現金の支払いのため、贈与という認識で問題ないでしょうか。株式の代償金という認識はされないでしょうか?
○未分割の場合の申告について
仮に上記のご質問で①株式のみの分割協議の場合に小規模宅地が適用されて、当初申告で株式を半分ずつ(6.5株ずつ)で申告してその後の協議で各人の税額が変更となった場合には、改めて更正の請求等で申告すべきでしょうか?
株式のみの配分ですと全体の税額は変わらないため、改めて税務署側へ申告書等は提出せずに相続人間での現金授受で調整しようと考えております。
このような場合、税務署側へ提出しない場合、相続税の調整金額は贈与とみなされるリスクはありますでしょうか。
《質問》
マイホームが手狭になってきましたので、新たに住まいをローンで購入しようと考えています。譲渡した場合の特例や住宅ローン控除の適用関係について教えていただきたいと思います。
《質問》
個人Aは、不動産を信託財産とし、受益者A本人、受託者子Bとする信託契約を締結しました。信託期間中の次の点について、取扱がどのようになるのかご教示お願いします。なお、個人Aは青色申告の承認を受けています。
⑴ 信託財産に係る不動産所得に損失が生じた場合に、他の所得(例えば、給与所得)から差引く損益通算や純損失の繰越控除ができないことは承知していますが、次のような場合損益通算や純損失の繰越控除はどのようになりますか。
① 給与所得 500万円、 信託不動産 200万円 一般不動産 ▲400万円
② 事業所得 ▲600万円 信託不動産 200万円
③ 仮に信託財産が事業所得を生じるものの場合
信託事業所得 ▲500万円 給与所得 300万円
⑵ 所得税における事業的規模の判定では、受益者個人の不動産(信託以外)と信託不動産とを合わせて事業的規模の判定をしてもよいのでしょうか。
⑶ 信託を組成するうえで、コンサルティング料、契約作成料、公正証書作成費用、信託登記に係る登録免許税等については、信託財産に係る不動産所得の計算上必要経費に算入してもよろしいでしょうか。
《質問》
平成28年4月に、個人で不動産貸付業を営んでいた父親Aが亡くなりました。貸付物件を長男Bが相続し不動産貸付業を継続することになりましたが、申告に当たり注意すべき事項をご教示ください。また、事前の届出書類の関係についても教えてください。
《質問》
会社代表者であるAは65歳で退職し、その際退職金として生命保険の受取る権利を取得する予定です。退職時解約返戻金相当額は、1億6,500万円ですが、その権利を70歳までそのまま解約せずにしておくと解約金は2億4,800万円程になります。その際の所得税は、下記のとおり1,376万円程になります。
【2億4,800万円―1億6,500万円-50万円)×1/2×45%-4,796,000
=13,766,500円】
65歳 1億6500万円 66歳 2億3,800万円 67歳 2億4,000万円
68歳 2億4300万円 69歳 2億4,500万円 70歳 2億4,800万円 ・・・・
もし、これを1年ずつ部分解約することができるので、納税額は解約の都度下記のとおりかなり少なくなり、節税になると思われますがいかがでしょうか。
66歳 2億3,800万円 × 8%(解約割合 以下同じ) =19,040,000円
67歳 (2億4,000万円-19,040,000円)×9%=19,886,400円
68歳 (2億4,000万円-19,040,000円-19,886,400円)×9%=18,096,624円
・
・
一時所得の計算
66歳 〔19,040,000円-(165,000,000×8%)-50万円〕×1/2
所得税額 2,670,000×10%-97,500=169,500円
67歳 〔19,886,400円-(165,000,000×9%)-50万円〕×1/2
所得税額 2,268,000×10%-97,500=129,300円
《質問》
私の妻は個人で鍼灸院を開業しており、月1度は妻から施術を受けています。一回当たりの費用として8,000円支払っていますが、妻は当該金額を収入計上し、私は医療費控除を受けようと考えていますがいかがでしょうか。なお、所得税法56条の規定は、対象外と考えてよろしいですか。
《質問》
相続にかかわる、土地の小規模宅地の特例の適用の有無についての質問です。
下記のような状況で、居住要件や保有要件など、どれもとてもきわどい状況となっており果たしてこの場合特定居住用の80%を適用していいのかどうかご教授ください。
また、もし特定居住用が適用できる場合、どのような根拠資料を添付すればよいでしょうか。
相続人:2人
被相続人は、住民票では1人で住んでいることになっておりますが、実際は相続人Aが頻繁に行き来をしており、面倒を見ていました。また、生活面でも相続人Aは、家族共々頻繁に被相続人の家で寝泊まりもしていました。この土地は、相続人Aが相続します。
元々、被相続人が居住していた家屋について、被相続人に介護の必要が出て来たことから建物を取り壊し、相続人の名義で建物を建築するも死亡の4日後に新築登記されました。(死亡日には完成はしていたと思われますが、確たる証拠はありません)なお、この建物は被相続人と同居をする前提でバリアフリー化が施されており、入浴施設も介護を考えてのものになっています。
この建物を建築した相続人Aは、被相続人の息子で、当時は別に自宅を有していました。しかし、親に介護の必要が出たため自宅を売却し、建築後の家屋に居住する準備を進めているさなかに被相続人が死亡しました。相続人Aは、住民票は死亡の1ヶ月前に建築中の家屋の場所に移していましたが、元の自宅の売却は最終的に被相続人の死亡後2週間経った日となりました。
《質問》
脳梗塞で入院した父が病院を退院しましたが、半身不随となってしまったため、退院後も継続して家政婦紹介所に依頼し家政婦に来てもらい、療養上の世話をしてもらっています。療養の世話の費用を支払ったところ、領収書には家政婦の紹介手数料、日勤の賃金、受付事務費、消費税と記載されていますが、これらは医療費控除の対象になりますか。
《平成28年11月10日桜友第497号より引用》
国税実務問答 (第392回)
特定の事業用資産の買換特例(措37)の適用に係る土地の面積要件について
【質 問】
甲は、平成28年に事業用資産(所有期間10年超)を譲渡しましたが、その買換資産として次表のとおり、土地A~Cを購入することとしています。
土地A(a町所在) | 土地B(b町所在) | 土地C(c町所在) | 計 | |
面積(㎡) | 320 | 180 | 100 | 600 |
甲は、平成28年分の所得税の確定申告において、租税特別措置法第37条第1項の表の第九号の規定による特定の事業用資産の買換えの場合の譲渡所得の課税の特例(以下「本件特例」といいます。)を適用して申告することを検討しているところ、本件特例の適用要件においては、買換資産が土地等である場合には300㎡以上のものに限る旨(以下「面積要件」といいます。)が規定されています。
この面積要件における「300㎡以上のもの」については、次のいずれの面積を基準に考えるのかお尋ねします。
・案1 買換えをした土地等の面積の合計とする。
・案2 買換えをした土地等ごとの面積とする。
(注)この質問は、以下の事実を前提としています。
1 土地A~Cは、互いに隣接せず、完全に別個に存しています。
2 土地A~Cはそれぞれ別個の特定施設(租税特別措置法第37条第1項の表の第九号に規定する特定施設をいいます。以下同じです。)の敷地として利用されます。
3 面積要件以外の本件特例の適用要件については、全て満たしています。
【回 答】
本件特例に係る面積要件の判断については、ご質問の案2の考え方により行うこととなります。
したがって、ご質問の事例では、土地Aは、その面積が300㎡以上であることから面積要件を満たして本件特例の買換資産の対象となるものの、土地B及び土地Cは、その面積がいずれも300㎡未満であり面積要件を満たさないことから、本件特例の買換資産の対象とはなりません。
【解 説】
1 本件特例は、事業の用に供している特定の資産(譲渡資産)を譲渡し、一定の資産(買換資産)を取得して、その取得の日から1年以内に事業の用に供した場合又は供する見込みである場合には、取得価額の引継ぎによる課税の繰延べを認めるものです。
2 本件特例を規定する租税特別措置法第37条第1項の表の第九号においては、譲渡資産について、「国内にある土地等、建物又は構築物で、当該個人により取得をされたこれらの資産のうちその譲渡の日の属する年の一月一日において所有期間が十年を超えるもの」と規定され、また、買換資産について、「国内にある土地等(事務所、事業所その他の政令で定める施設(以下この号において「特定施設」という。)の敷地の用に供されるもの・・・で、その面積が三百平方メートル以上のものに限る。)、建物又は構築物」と規定されています。
このように、本件特例の規定では、買換資産である土地等の要件について「その面積が三百平方メートル以上のものに限る。」とされているところ、「その」は単数を示す文言であることから、買換資産である特定施設の敷地の用に供される土地等も単数で捉えることとなります。
3 したがって、土地等が互いに隣接せず、完全に別個に存し、また、それぞれ別個の特定施設の敷地として利用されるご質問の事例については、買換えをしたそれぞれの土地等ごとに面積要件の判断をすることとなり、その面積が300㎡以上である土地Aのみが、本件特例の買換資産の対象となることとなります。
4 なお、本件特例に係る面積要件は平成24年度税制改正により設けられたものですが、この見直しは、従来、買換資産である土地等の用途に限定がなく、政策目的が曖昧であるという指摘があったことから、より付加価値の高い資産への買換えを促進し、経済の活性化を図るとの政策目的を明確化する観点から行われたものとされています。
仮に、ご質問の案1のように面積要件の判定を複数の土地等の面積の合計によると解すると、例えば点在する300㎡未満の土地等であっても、これらを複数取得することでその面積の合計が300㎡以上となれぼ、本件特例の対象となることとなり、買換資産について300㎡以上のものに対象を限定したという改正の趣旨が損なわれることとなります。
租税特別措置法
(特定の事業用資産の買換えの場合の譲渡所得の課税の特例)
第三十七条 個人が、昭和四十五年一月一日から平成二十九年十二月三十一日(次の表の第九号の上欄に掲げる資産にあつては、同年三月三十一日)までの間に、その有する資産(所得税法第二条第一項第十六号 に規定する棚卸資産その他これに準ずる資産で政令で定めるものを除く。以下この条、第三十七条の四及び第三十七条の五において同じ。)で同表の各号の上欄に掲げるもののうち事業(事業に準ずるものとして政令で定めるものを含む。以下第三十七条の五まで及び第三十七条の九の五において同じ。)の用に供しているものの譲渡(譲渡所得の基因となる不動産等の貸付けを含むものとし、第三十三条から第三十三条の三までの規定に該当するもの及び贈与、交換又は出資によるものその他政令で定めるものを除く。以下この条において同じ。)をした場合において、当該譲渡の日の属する年の十二月三十一日までに、当該各号の下欄に掲げる資産の取得(建設及び製作を含むものとし、贈与、交換又は法人税法第二条第十二号の六 に規定する現物分配によるもの、所有権移転外リース取引によるものその他政令で定めるものを除く。同表の第一号、第三号及び第九号の上欄を除き、以下第三十七条の三までにおいて同じ。)をし、かつ、当該取得の日から一年以内に、当該取得をした資産(以下同条までにおいて「買換資産」という。)を当該各号の下欄に規定する地域内にある当該個人の事業の用(同表の第十号の下欄に掲げる船舶については、その個人の事業の用。以下この条及び次条において同じ。)に供したとき(当該期間内に当該事業の用に供しなくなつたときを除く。)、又は供する見込みであるときは、当該譲渡による収入金額が当該買換資産の取得価額以下である場合にあつては当該譲渡に係る資産のうち当該収入金額の百分の八十に相当する金額を超える金額に相当するものとして政令で定める部分の譲渡があつたものとし、当該収入金額が当該取得価額を超える場合にあつては当該譲渡に係る資産のうち当該取得価額の百分の八十に相当する金額を超える金額に相当するものとして政令で定める部分の譲渡があつたものとして、第三十一条若しくは第三十二条又は所得税法第三十三条 の規定を適用する。
譲渡資産 | 買換資産 |
九 国内にある土地等、建物又は構築物で、当該個人により取得をされたこれらの資産のうちその譲渡の日の属する年の一月一日において所有期間が十年を超えるもの | 国内にある土地等(事務所、事業所その他の政令で定める施設(以下この号において「特定施設」という。)の敷地の用に供されるもの(当該特定施設に係る事業の遂行上必要な駐車場の用に供されるものを含む。)又は駐車場の用に供されるもの(建物又は構築物の敷地の用に供されていないことについて政令で定めるやむを得ない事情があるものに限る。)で、その面積が三百平方メートル以上のものに限る。)、建物又は構築物 |