無償返還の届出について

概要

 建物は、以前は相続人(被相続人の長男)と被相続人が40:60で共有しておりましたが、平成23年に法人に売却をしております。
 *その法人は、相続人(被相続人の長男)が代表者を務め、被相続人は株式は保有しておりませんが、役員です。法人は現時点で400万円ほどの債務超過です。
 その際に、被相続人との間で土地の「使用貸借契約」を締結しておりますが、「無償返還届」は提出していないようです。

《質問》

◆ 今回の相続における、被相続人の土地の評価は6,000万円(100%個人)という評価で問題ないでしょうか。

◆ 今からでも無償返還の届出を出すメリットはありますでしょうか。
  提出すべきでしょうか。
  出した場合の、今回の相続税の課税関係はどのようになりますでしょうか。

◆ 今後この土地と建物を第三者に売却した場合、法人は建物の譲渡益、個人は土地の譲渡益が課税されると思いますが、借地権については課税される可能性は法人にはありますでしょうか。

◆ その他今回の相続において、これから取りうる最善の方法をご教示いただけますでしょうか。
 なお、今回の相続は現時点で財産の額は2億6千万、相続人3名、税額はおよそ4,000万円になっております。

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圧縮記帳の計上時期について

《質問》

□ 業種    スマートフォン等部品の製造
□ 会社概要  資本金2,000万円の非上場の同族会社
□ 12月期決算
□ 解析ソフトを2,000万円で購入し、期内に事業供用しました。
□ 当該ソフト購入にあたり事業再構築補助金を申請し、期内に交付決定通知書
  が届きました。
□ 通知書に交付決定額の記載がありますが入金は翌期となるため、未収計上
  しました。

〈上記の場合〉
 圧縮記帳の要件の一つに「交付を受ける」ことがあります。
 本件、事業再構築補助金は期内に交付「決定」はありますが、入金はありません。
 今期決算におきまして、圧縮記帳の適用はできないものでしょうか?

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個人所有株式の発行法人への交換譲渡

《質問》

 ㈱T(以下「T社という」)の旧専務取締役B(現在社員ではない)は、将来的に自己の保有するT社株式とT社の土地建物を交換したいと考えており、T社もそれに合意しています。

T社株主
 A(取締役会長) 6,000株
 B(——-)          5,000株 Aの弟
 C(代表取締役)     500株 Aの姉
 D(取締役)          1,000株 Aの子
 E(取締役)          1,000株 Aの子

 この場合、BとT社はその株式の交換につき、どのような課税関係が生じるか・・・なのですが。

(Bの課税関係)
 Bは自己の有価証券をその発行法人T社に売却し、T社はその株式を自己株式として取得することになるので、その対価の額(土地建物の時価)のうち資本等の額に対応する部分は譲渡所得、資本等の額以外の金額に対応する部分は配当所得(みなし配当)となる。
(T社の課税関係)
 自己株式の取得は資本取引となるので、原則的には株式の買手である法人側T社では課税は生じない。
 ただ株式の時価と土地建物の時価が相違するはずなので、

株式の時価>土地建物の時価のケース
(Bの取扱い)
 土地建物の時価が株式の時価の2分の1未満の価額だと、株式の時価で譲渡したものとみなされ、譲渡所得・配当所得の計算を行う。
(T社の取扱い)
 資本等取引は、株式の時価でT社の譲渡株式に対応する資本金等の額及び利益積立金額を減少させ、株式と土地建物の時価との差額はBから贈与(受贈益)を受けたものとして、法人税等が課税される。

  現預金     /土地建物簿価
          /固定資産売却益

  資本金等の額・利益積立金額/現預金
               /受贈益

 また、T社は同族会社であるため、Bからの低額譲渡によりT社の株式の価値が増加した場合には、その増加した部分については、Bから他の株主へ贈与したものとして贈与税が課税される可能性がある。

株式の時価<土地建物の時価のケ-ス
(Bの取扱い)
 時価の差額は、T社からBへの贈与となり、法人から個人への贈与なので、一時所得としてBに所得税等が課税される。
(T社の取扱い)
 資本等取引は株式の時価でT社の譲渡株式に対応する資本金等の額及び利益積立金額を減少させ、株式と土地建物の時価との差額はBに対する寄付金となる。

  現預金     /土地建物簿価
          /固定資産売却益

  資本金等の額・利益積立金額 /現預金
  寄附金          /

と考えますがいかがでしょうか?
 実行するとなるとかなりの税金が発生することになると思います。
 他に何か節税できるいい方法とかあれば、アドバイス宜しくお願い致します。

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中小企業者等の雇用者給与等支給額が増加した場合に係る措置について

~ 桜友 国税実務問答(第442回)法人税 より ~

【質 問】
 当社は、3月決算の青色申告法人です。令和3年度税制改正において、給与等の引上げ及び設備投資を行った場合等の法人税額の特別控除制度のうち中小企業者等が給与等の引上げを行った場合に係る措置が改組され、中小企業者等の雇用者給与等支給額が増加した場合に係る措置(以下「本件特例」といいます。)が整備されたと聞きました。
 当社の国内雇用者への給与等の支給額等の状況は以下のとおりですが、令和4年3月期において、本件特例の適用を受けることができるでしょうか。
 また、適用を受けることができる場合に、法人税額から控除できる金額はいくらになりますか。
 なお、当社は、本件特例の適用対象となる中小企業者等に該当し、当期の調整前法人税額は1,500千円です。

《当社の事業年度》
令和4年3月期(以下「当期」といいます。):自令和3年4月1日至令和4年3月31日
令和3年3月期(以下「前期」といいます。):自令和2年4月1日至令和3年3月31日

《国内雇用者への給与等の支給額等の状況》        (単位:千円)
国内雇用者

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宗教法人が建物と土地を売却したときの税金について

《質問》

 宗教法人が保有している建物と土地を譲渡する予定があります。
 譲渡する相手はまだ未定です。またその不動産で収益事業又は非営利活動をどちらで活動していたかも不明です。取引内容は下記の通りです。
  取得日 : H23年8月
  簿価 :8千万円(建物3千万円土地5千万円)
  売却 :1億1千万円(建物5千万円土地6千万円)
  売却日 : R3年8月(予定)
 宗教法人が建物と土地を売却したときの税金についてご相談があります。
 法人税基本通達15-1-12を確認すると、公益法人等が相当期間にわたり固定資産として保有していた土地であり、かつ、その建築又は変更から分譲に至る一連の行為が専ら土地の譲渡を容易にするために行われたものであると認められる場合は不動産販売業に該当しないものとするとあります。
① 今回のケースは、この基本通達に当てはまるかどうか懸念していますので詳しいアドバイスをお願いします。
② 仮に当てはまるのであれば税金は発生しないという認識で間違いないでしょうか?
③ 基本通達を読む限り、土地の譲渡だけなので、建物は該当しないのでしょうか?

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取締役が行った競業避止義務違反の行為に対する税務上の扱いについて

《質問》

 税務調査の過程において、取締役がその会社の業務を内緒で行い、収入を得ていた場合の課税について、教えてください。

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合同会社における役員退職金の取扱いについて

《質問》

 合同会社の社長が、現在6期目ですが、奥さんと代表者を替わろうとしています。
 奥さん、お母さん、本人が業務執行社員で本人が代表社員です。
 退職金の支給要件ですが、本人の持分を全額奥さんに渡して社員の地位も外れないと駄目でしょうか。
 本人の持分はそのままで、業務執行社員を外して、単なる社員となり、お給料半分以下でも退職金支給の要件満たしますでしょうか。

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役員社宅取得に係る消費税額控除について

《質問》

 役員から使用料を徴収せずに無償で貸し付ける社宅の取得費は、消費税の仕入税額控除の対象となるのでしょうか?
 役員に無償で社宅を貸与する場合には、賃借料相当額が給与として課税されます。
 従って、契約上無償で貸付を行い、法人は別表で賃借料相当額を加算し、役員には現物給与として賃借料相当額を所得税の課税対象としています。
 この場合には、無償で貸し付ける社宅となり、消費税の仕入税額控除の対象となるのでしょうか。それともこの無償で貸し付ける契約は無効なのでしょうか?

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無対価合併が適格合併に該当するかどうか

《概要》

・合併前  甲氏  乙氏(甲氏の配偶者)  甲氏
      ↓30% ↓70%         ↓100%
         A社            B社

・合併後  甲氏  乙氏(甲氏の配偶者)
      ↓30% ↓70%
         A社

《各種情報》

 B社を被合併法人とする吸収合併を行った(A社が存続する)。
 A社は、株主に対して合併による新株発行は行わない(資本金の増加なし・金銭等の交付もなし)。
 A社・B社とも設立以来、株主の異動はなく、A社は自動車パーツの卸売業・B社は自動車パーツの小売業を行っている。
 乙氏は甲氏の配偶者であることから、A社・B社に法人相互の完全支配関係がある。

《質問》

 本件合併は、適格合併に該当するでしょうか。適格合併に該当しない場合、下記の参考資料の理由から非適格合併(適格合併でない)となるとの認識でよろしいでしょうか。

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非上場株式の買取価額について

《前提》

A社(6月決算)の
(1)株主構成(株、議決権も同じ)
 K氏        40株
 K氏の母    10
 N氏     20
 N氏の子   40
 N氏の子   40
 自己株式   50
 合計     200株
 (注)K氏とN氏は他人です。
自己株式は昨年K氏の兄、死亡時に買い取ったものです。

(2)株式の評価(相続税基本通達)(5月末現在)
 第3表
 ① 類似業種比準価格          10,000千円
 ② 1株あたりの純資産額       15,000千円
 ③ 1株あたりの純資産額の80%相当額   12,000千円
(注)A社の規模は大会社に該当

(3)A社は銀行から融資を受けて、K氏とK氏の母の株式を買い取ろうとしています。

(4)昨年、K氏の兄から買い取った価額は、小会社の評価により1株850万円でした。

《質問》

(1)今回の買い取り価額はいくらが妥当ですか。
また、その根拠を教えて下さい。
(2)所基通23~35共-9(4)により、売買実例のあるものとして、1株850万円で売買は可能ですか。
(3)契約日は、2月が先方の希望のようですが、銀行の融資は、本年6月の決算で計上しておかないと、おかしいでしょうか。

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