《質問》
現在コンビニエンスストアーを経営していますが、周辺にホテルがあり外人観光客が多くなってきたことから消費税の免税店を開始し、売上の拡大を目指しています。免税店開始のためどのようにしたらいいのか、また注意事項等についてご教示ください。
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《質問》
現在コンビニエンスストアーを経営していますが、周辺にホテルがあり外人観光客が多くなってきたことから消費税の免税店を開始し、売上の拡大を目指しています。免税店開始のためどのようにしたらいいのか、また注意事項等についてご教示ください。
《質問》
この度、中古のマンション(鉄筋コンクリート造り)を取得し、賃貸することにしました。売買契約書ではマンション総体の金額が表示されているだけで、申告にあたり土地・建物・附属設備それぞれの金額に区分できる資料(消費税等)は全く表示されていません。どのように区分したらいいのかご教示ください。
《質問》
父Aが貸ビルを建設しています。子Bは父Aからその一室を借り、個人で事業を行うことを考えています。借りるに当たり、無償とするのか、世間相場で賃貸とするのか検討中です。課税関係がどうなるのかご教示ください。なお、AとBとは生計を一にしています。
《質問》
所得税の申告について分割が決まるまでは法定相続分で確定申告をすることは承知しておりますが、実務上の名残か、いまだに代表の相続人一人で所得税の確定申告をした場合でも、消費税の納税義務判定は課税売上高を法定相続分で按分したもので消費税の納税義務判定をしてもよろしいでしょうか?
所得税は代表で申告していて、消費税は法定相続分で按分して判定していると不動産所得の申告上、所得税と消費税の金額が異なってくるかと思います。
違和感として税務当局は問題視することはあるのでしょうか?
《質問》
この度、当グループで新規に設立された法人A社は「特定新規設立法人」(消法12条の3)に該当しますが、同社の納税義務が免除されない課税期間においても簡易課税制度の適用は認められますか。
《質問》
(1)個人甲は、平成28年10月、A社(資本金500万円、9月決算)を100%出資して新規に設立しました。
甲は7年前に、100%出資してB社を設立していますが、同社の課税売上高は、設立以来、毎期5億円を超えています。
この場合、A社は「特定新規設立法人」に該当し、同社の設立当初の2年間(基準期間がない課税期間)は、消費税の納税義務は免除されないのでしょうか。
(2)A社の設立1期末までに、甲が同社株式の50%を友人乙(第三者)に譲渡した場合には、A社の設立第2期の期首においては、甲、乙それぞれが、同社株式を50%ずつ保有していることになるので、A社は「特定新規設立法人」に該当せず、同期の納税義務は免除されるのでしょうか。
仮に、免除されるとした場合、「特定新規設立法人」に該当しないことが明らかになった後、速やかに、例えば「特定新規設立法人に該当しなくなった旨の届出書」のような届出が必要となりますか。
《回答》
(1)特定新規設立法人に該当するか否かの判定は、A社の第1期、第2期の期首(新設開始日)ごとに行いますから、第1期の期首の判定により、同時に第2期も「特定新規設立法人」と判定されるわけではありません。
(2)A社は、第2期では「特定新規設立法人」に該当しませんので、「特定期間による判定」(消法9条の2)においても納税義務が免除される場合には消費税の納税義務は免除されます。
なお、ご質問の「特定新規設立法人に該当しなくなった旨」の届出について、格別の規定はなく、様式も定められていません。
《解説》
(1)特定新規設立法人に該当するか否かについては、基準期間がない事業年度開始の日(「新設開始日」)において、それぞれ納税義務を判定することとされています(消法12条の3①)。
したがって、A社の第1期又は第2期の期首において特定要件(他の者によりA社が支配されること)に該当していなければ、特定新規設立法人にはなりませんから、消費税の納税義務は免除されます。
ご質問の場合、A社の第1期の期首(「新設開始日」)において、同社は、甲の支配下にあり、かつ、甲の特殊関係法人B社の基準期間相当期間における課税売上高が5億円超であるとすれば、A社は特定新規設立法人に該当することになります。ただし、この時点では、A社が第1期において、特定新規設立法人に該当すると判定されたに過ぎず、同社の第2期においても、特定新規設立法人に該当するか否かは、第2期の期首(「新設開始日」)における判定を待たねばなりません。
(2)第2期においては、A社の「特定期間における課税売上高」(消法9条の2②)と上記(1)で述べた特定要件に該当する旨の判定の基礎となった他の者(A社の第1期の期首においては甲)又はその者と特殊な関係にある法人(A社の第1期の期首においてはB社)の基準期間相当期間における課税売上高により、納税義務の有無を判定することになります。
ご質問の場合、A社の第1期末までに、甲はA社株式の50%を友人乙(第三者)に譲渡しているとのことですから、同社の第2期の期首において、A社を支配する「他の者」は存在せず、したがって「特定要件」を満たしませんので、第2期においては、A社は特定新規設立法人に該当しないことになります。ただし、第2期は、基準期間がないという点では、第1期と同じですが、特定期間があるという点で第1期とは異なっていますから、第2期における納税義務の有無の判定においては、上記のとおり、別途「特定期間における課税売上高」による判定が必要となることにご留意ください。
《さくら税研からのアドバイス》
(1)基準期間がない事業年度の開始の日は、一般に、設立1期目の期首、及び設立2期目の期首である ⇒ 新設開始日は、第1期目の期首だけではない。
よって、基準期間がない事業年度(設立1期目、2期目)について、それぞれ納税義務を判定する必要があります。
※「消費税法改正のお知らせ」平成25年3月国税庁参照
(2)設立2期目の納税義務の判定には、「特定新規設立法人」に該当するかどうかの判定と併せて「特定期間における課税売上高」についても考慮する必要があります。
《参考法令》
【消費税法】
(前年又は前事業年度等における課税売上高による納税義務の免除の特例)
第九条の二 個人事業者のその年又は法人のその事業年度の基準期間における課税売上高が千万円以下である場合において、当該個人事業者又は法人(前条第四項の規定による届出書の提出により消費税を納める義務が免除されないものを除く。)のうち、当該個人事業者のその年又は法人のその事業年度に係る特定期間における課税売上高が千万円を超えるときは、当該個人事業者のその年又は法人のその事業年度における課税資産の譲渡等については、同条第一項本文の規定は、適用しない。
2 前項に規定する特定期間における課税売上高とは、当該特定期間中に国内において行つた課税資産の譲渡等の対価の額の合計額から、第一号に掲げる金額から第二号に掲げる金額を控除した金額の合計額を控除した残額をいう。
一 特定期間中に行つた第三十八条第一項に規定する売上げに係る対価の返還等の金額
二 特定期間中に行つた第三十八条第一項に規定する売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額に六十三分の八十を乗じて算出した金額
3 第一項の規定を適用する場合においては、前項の規定にかかわらず、第一項の個人事業者又は法人が同項の特定期間中に支払つた所得税法第二百三十一条第一項(給与等、退職手当等又は公的年金等の支払明細書)に規定する支払明細書に記載すべき同項の給与等の金額に相当するものとして財務省令で定めるものの合計額をもつて、第一項の特定期間における課税売上高とすることができる。
4 前三項に規定する特定期間とは、次の各号に掲げる事業者の区分に応じ当該各号に定める期間をいう。
一 個人事業者 その年の前年一月一日から六月三十日までの期間
二 その事業年度の前事業年度(七月以下であるものその他の政令で定めるもの(次号において「短期事業年度」という。)を除く。)がある法人 当該前事業年度開始の日以後六月の期間
三 その事業年度の前事業年度が短期事業年度である法人 その事業年度の前々事業年度(その事業年度の基準期間に含まれるものその他の政令で定めるものを除く。)開始の日以後六月の期間(当該前々事業年度が六月以下の場合には、当該前々事業年度開始の日からその終了の日までの期間)
5 前項第二号又は第三号に規定する六月の期間の末日がその月の末日でない場合における当該期間の特例その他前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(特定新規設立法人の納税義務の免除の特例)
第一二条の三 その事業年度の基準期間がない法人(前条第一項に規定する新設法人及び社会福祉法第二十二条(定義)に規定する社会福祉法人その他の専ら別表第一に掲げる資産の譲渡等を行うことを目的として設立された法人で政令で定めるものを除く。以下この条において「新規設立法人」という。)のうち、その基準期間がない事業年度開始の日(以下この項及び次項において「新設開始日」という。)において特定要件(他の者により新規設立法人の発行済株式又は出資(その新規設立法人が有する自己の株式又は出資を除く。)の総数又は総額の百分の五十を超える数又は金額の株式又は出資が直接又は間接に保有される場合その他の他の者により新規設立法人が支配される場合として政令で定める場合であることをいう。以下この条において同じ。)に該当し、かつ、新規設立法人が特定要件に該当する旨の判定の基礎となつた他の者及び当該他の者と政令で定める特殊な関係にある法人のうちいずれかの者の当該新規設立法人の当該新設開始日の属する事業年度の基準期間に相当する期間における課税売上高として政令で定めるところにより計算した金額(国又は地方公共団体が一般会計に係る業務として行う事業における課税資産の譲渡等の対価の額を除く。)が五億円を超えるもの(以下この項及び第三項において「特定新規設立法人」という。)については、当該特定新規設立法人の基準期間がない事業年度に含まれる各課税期間(第九条第四項の規定による届出書の提出により、又は第九条の二第一項、第十一条第三項若しくは第四項、第十二条第一項若しくは第二項若しくは前条第二項の規定により消費税を納める義務が免除されないこととなる課税期間を除く。)における課税資産の譲渡等については、第九条第一項本文の規定は、適用しない。
2 新規設立法人がその新設開始日において特定要件に該当し、かつ、前項に規定する他の者と同項に規定する政令で定める特殊な関係にある法人であつたもので、当該新規設立法人の設立の日前一年以内又は当該新設開始日前一年以内に解散したもののうち、その解散した日において当該特殊な関係にある法人に該当していたもの(当該新設開始日においてなお当該特殊な関係にある法人であるものを除く。以下この項において「解散法人」という。)がある場合には、当該解散法人は当該特殊な関係にある法人とみなして、当該新規設立法人につき、前項の規定を適用する。
3 前条第二項及び第三項の規定は、特定新規設立法人がその基準期間がない事業年度に含まれる各課税期間(第三十七条第一項の規定の適用を受ける課税期間を除く。)中に調整対象固定資産の仕入れ等を行つた場合について準用する。この場合において、前条第二項中「前項の新設法人」とあるのは「次条第一項の特定新規設立法人」と、「当該新設法人」とあるのは「当該特定新規設立法人」と、「若しくは前項」とあるのは「、この項若しくは次条第一項」と読み替えるものとする。
4 第一項に規定する他の者は、特定要件に該当する新規設立法人から同項に規定する金額が五億円を超えるかどうかの判定に関し必要な事項について情報の提供を求められた場合には、これに応じなければならない。
5 前三項に定めるもののほか、第一項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
《質問》
顧問先A社(11月決算)は、かねてより簡易課税により消費税の申告をしておりましたが、当決算期末である平成28年11月中に本社建物が完成し、消費税の還付が見込めるにもかかわらず、9月下旬の「定期訪問で、社長さんから消費税は、どのくらい還付されるのかとのお尋ねを受けるまで、『消費税簡易課税制度選択不適用届出書』の提出を失念しておりました。」と言いながら、A社担当のU君が血相を変え、飛んで帰ってきました。既に10月に入り、A社決算を目前に控えて、所員一同、途方にくれているところですが、何か打つ手はありますでしょうか。
なお、上記建物に係る請負金額は3億円、当該請負契約の締結日は平成27年9月20日です。
《質問》
不動産業を営む法人です。完全給与制を採用していますが、従業員に対する社会保険料の負担が重いため、基本給部分を給与とし、歩合給部分を報酬とすることを検討しています。
○業種 不動産業(仲介主体)
○営業社員の歩合は、四半期ごとの売上成績により、職給並びに歩合率が自動的に決定します。
○現状 基本給 営業社員 入社時 25万円
その後歩合給同様、四半期ごとの成績により変動有り
営業経費は法人負担 (ガソリン代、パーキング代、広告代、打合せ時お茶代等)
Q1 歩合給部分を報酬(事業所得)とすることに問題はないのでしょうか。
Q2 基本給を現状の25万円程度とした場合でも、歩合給を報酬とすることに問題はないでしょうか。基本給の金額によって違いがあるのですか。
Q3 営業社員の中に完全給与制の者と、報酬型の者が混在しても問題はないのでしょうか(その場合、基本給及び歩合給割合に差を設けます。)。
Q4 報酬部分は、消費税の課税仕入において、否認の可能性はありますか。
Q5 次のことを条件とすることと考えていますが、他に気をつけるべき点がありましたら、ご教示お願いします。
・ 営業経費は全て外交員負担とする
・ 報酬部分については、「委任契約(業務委任契約)」を交わす
(確定申告を契約条件に含める)
・ 報酬部分については、外交員報酬として支払時、源泉徴収する
・ 歩合給計算基準は、現状通り
(状況により、決算後改定の場合あり)
《質問》
地主が二人共同で、サービス付き高齢者住宅を建て、それを介護事業者に貸し付けた場合。
消費税法基本通達6-13-7により、転貸を前提とした場合の住宅の貸付に該当し、非課税売り上げになると思うのですが、そこでの食事の提供は課税売上ですから、家主さんは貸付の賃料のうち一部は課税売上になりますか?
(転貸する場合の取扱い) 6-13-7 住宅用の建物を賃貸する場合において、賃借人が自ら使用しない場合であっても、当該賃貸借に係る契約において、賃借人が住宅として転貸することが契約書その他において明らかな場合には、当該住宅用の建物の貸付けは、住宅の貸付けに含まれるのであるから留意する。 (注) この場合において、賃借人が行う住宅の転貸も住宅の貸付けに該当する
《ケースⅠ・下表参照》
父(被相続人) 課税事業者
所有不動産
①駐車場 (課税)②貸ビル(課税)
長男(相続人) 免税事業者
所有不動産
③貸作業場(課税)
平成27年2月1日に父が死亡し、長男が父の①駐車場を相続しました。
②貸ビルは、亡くなる前年(平成26年)に法人へ④売却しました。
1. 平成27年について
平成27年長男の消費税納税義務の判定は、基準期間が平成25年となり、父の課税売上高は相続した①駐車場に係る分だけの金額で判定してよろしいですか?
2. 平成28年について
平成28年の判定については、平成26年の父の①駐車場に係る部分と長男の③貸作業場の課税売上高を合算して判定することになりますか?