国外中古建物の不動産所得に係る損益通算等の改正

《質問》

 私は国内に勤務する給与所得者(給与所得の金額 5,000万円・源泉所得税 1,700万円)ですが、カナダに中古の賃貸用不動産を所有し、不動産所得で生じた赤字の額を給与所得と損益通算し還付申告をしています。令和2年度の税制改正で損益通算等に変更があったと聞きました。具体的には、どのような内容かご教示願います。

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被相続人が所有していた株式に係る配当を受領した際の課税関係

《質問》

 先日亡くなった父は、上場株式を所有していました。しかし、相続人間で遺産分割協議が整わないために株式名義書き換えの手続きを済ますことができず、父親宛にに配当通知が届きました。この場合、配当所得については、どのように申告等をしたらよいのでしょうか。相続人が申告する場合には、上場株式に係る配当として申告不要の選択や他の上場株式の譲渡損との損益通算等はできるのでしょうか。

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税制適格ストックオプションの適用を受けることができる対象者

《質問》

 当社のストックオプションの付与決議は、「付与する際には当社の使用人や取締役であった者が、その後転籍や定年退職、または任期満了となった場合でも、取締役会が認めた者については権利行使ができる」と定めています。このような場合、税制適格ストックオプションに該当することになるのでしょうか(税制適格の他の条件は満たしています。)。

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生計を一にする親族間内での所得者の判定

 2回にわたり解説しました「父親の建物に子が損害保険をかけた際の取扱い、保険金を受け取った場合の課税関係について」では、子が事業主であることを前提にしてきました。今回は生計を一にする複数の親族間で事業を行っている場合、いずれが事業主となるのかについて説明をします。

《さくら税研からのアドバイス》

 所得税は、収益を実質的に享受する者に対し課税すると規定されています(所法12)。また、事業から生ずる収益を享受する者は、経営をしている「事業主」であると取り扱われています(所基通12-2)。
 「事業主」が誰になるのかについては、営業許可、関係官庁への届出の状況、事業資金の調達、事業活動を通じての収入・支出の管理、従業員に対する指揮命令等がどのようになっているのかを総合的に判断する必要があります。
 生計を一にする複数の親族間(例えば父・子)で事業を営んでいて事業主が明らかにならない場合には、「経営方針の決定につき支配的影響力を有すると認められる者」を事業主と推認するとしています。さらに明らかにならない場合には、次のようなケースを除き、最終的には生計主宰者を事業主と推定する旨取り扱われています(所基通12-5)。ただし、当該通達は、あくまで事業主が明らかとならない場合、「推定」するとの取扱いですので、前述の実質的な判断が優先されることは言うまでもありません。
⑴ 生計主宰者(父)が他の店舗を経営していたり、会社等に勤務しているような場合、他の親族(子)の名義で事業が行われていれば、名義者を事業主とします。つまり、形式的な基準で判断するわけです。
⑵ 生計主宰者(父)とともに他の親族(子)が、医師や弁護士、税理士、俳優等自由職業者として事業に従事している場合には、収入.支出がそれぞれに区分され、事業を行っている状態が父に従属していると認められない限り、子が収支に応じ事業主となります。
⑶ 生計主宰者(父)が遠隔地で勤務し、事業に従事している他の親族(子)と別々に生活をしている場合には、子を事業主とします。

《参考法令》

【所得税法】
(実質所得者課税の原則)
第十二条 資産又は事業から生ずる収益の法律上帰属するとみられる者が単なる名義人であつて、その収益を享受せず、その者以外の者がその収益を享受する場合には、その収益は、これを享受する者に帰属するものとして、この法律の規定を適用する。

(事業から生ずる収益を享受する者の判定)
12-2 事業から生ずる収益を享受する者がだれであるかは、その事業を経営していると認められる者(以下12-5までにおいて「事業主」という。)がだれであるかにより判定するものとする。

(親族間における事業主の判定)
12-5 生計を一にしている親族間における事業(農業を除く。以下この項において同じ。)の事業主がだれであるかの判定をする場合には、その事業の経営方針の決定につき支配的影響力を有すると認められる者が当該事業の事業主に該当するものと推定する。この場合において、当該支配的影響力を有すると認められる者がだれであるかが明らかでないときには、次に掲げる場合に該当する場合はそれぞれ次に掲げる者が事業主に該当するものと推定し、その他の場合は生計を主宰している者が事業主に該当するものと推定する。
(1) 生計を主宰している者が一の店舗における事業を経営し、他の親族が他の店舗における事業に従事している場合又は生計を主宰している者が会社、官公庁等に勤務し、他の親族が事業に従事している場合において、当該他の親族が当該事業の用に供されている資産の所有者又は賃借権者であり、かつ、当該従事する事業の取引名義者(その事業が免許可事業である場合には、取引名義者であるとともに免許可の名義者)である場合  当該他の親族が従事している事業の事業主は、当該他の親族
(2) 生計を主宰している者以外の親族が医師、歯科医師、薬剤師、弁護士、税理士、公認会計士、あん摩マッサージ指圧師等の施術者、映画演劇の俳優その他の自由職業者として、生計を主宰している者とともに事業に従事している場合において、当該親族に係る収支と生計を主宰している者に係る収支とが区分されており、かつ、当該親族の当該従事している状態が、生計を主宰している者に従属して従事していると認められない場合  当該事業のうち当該親族の収支に係る部分の事業主は、当該親族
(3) (1)又は(2)に該当する場合のほか、生計を主宰している者が遠隔地において勤務し、その者の親族が国もとにおいて事業に従事している場合のように、生計を主宰している者と事業に従事している者とが日常の起居を共にしていない場合  当該親族が従事している事業の事業主は、当該親族

父親の建物に子が損害保険をかけた際の取扱い、保険金を受け取った場合の課税関係⑵

《質問》

【第1回】
 父が所有している建物を借り、生計を一にする子が事業を営んでいます。子は建物に対し火災保険(損害保険)契約を締結し保険料を支払っています。この場合の所得税の取扱いはどのようになりますか。
【第2回】
 また、火災が発生し、保険金1000万円を父が受け取りました。課税関係はどのようになりますか。

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父親の建物に子が損害保険をかけた際の取扱い、保険金を受け取った場合の課税関係⑴

 今回のテーマと同じ内容で従前解説させていただきました。その際、参考法例が十分でなかったことを深くお詫び申し上げるとともに、2回に分け改めて解説させていただきます。また、従前投稿させていただいた際、「実質所得者課税等の関係について言及するように」とご指摘のあった点を踏まえ、第3回として、「生計を一にする親族間の所得者の判定」として解説させていただきます。

《質問》
 

【第1回】
 父が所有している建物を借り、生計を一にする子が事業を営んでいます。子は建物に対し火災保険(損害保険)契約を締結し保険料を支払っています。この場合の取扱いはどのようになりますか。
【第2回】次回解説
 また、火災が発生し、保険金1000万円を父が受け取りました。課税関係はどのようになりますか。

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税理士から損害賠償金を受領した場合の課税関係

《質問》

 個人で不動産貸付業を営んでいるAさんは、これまで消費税の申告を簡易課税にて行ってきました。この度、貸事務所用に不動産を取得したので消費税の還付金を受けようと思い、事前にその旨の説明を顧問税理士にしておいたにもかかわらず、消費税の簡易課税の不適用届出書の提出を失念したため、本則課税での申告ができず、還付金を受け取ることができませんでした。
 税理士に対し、損害賠償請求を申し立てた結果、本則課税で申告をした場合の還付消費税と実際に申告した納付額との差額について損害賠償金を受領することで合意に至りました。この場合、受け取った損害賠償金は課税されるのでしょうか。
 また、税理士の不手際による所得税のについての誤りがあり、損害賠償金を受取った場合は課税は如何でしょうか。

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公立学校へ物品を寄付した際の寄付金控除

《質問》

 個人のAさんは市立小学校へ物品の寄付を行うことにしました。
寄附金控除の対象となりますか。
 その際の証明書類はどのようなものですか。

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適格ストックオプションで取得した株式を管理口座から外した際の課税関係

《質問》

 個人Aは、勤務先から付与された税制適格ストックオプションを行使し、株式1万株を所有しています。この度、貸株取引(レンディング)を行うため、株式を管理していた証券会社から別の証券会社へ移しました。この場合、課税関係はどのようになりますか。
 さらに、その株式を譲渡した場合の課税はどのようになりますか。
 また、税制非適格ストックオプションの場合はどのような課税関係になるのでしょうか。

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事業所得者の確定申告書提出義務について

《質問》

 私は、個人で事業を営んでいます。本年は業態が悪く、利益はあまり望めません。青色申告で毎年確定申告をしてきましたが、次のような場合、申告しなくてはならないでしょうか。もし、連続して申告しなかった場合、青色申告の取消となってしまうのでしょうか。

《前提》

 事業所得金額の金額は、250万円です。
 他に所得はありません。
ケース①
 所得控除の合計 270万円  申告納税額 0円
ケース②
 所得控除の合計 200万円  住宅ローン控除額10万円 申告納税額 0円

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