新たに設立された法人に係る消費税の納税義務(個人株主の場合)

《質問》

 新たに設立された法人に係る消費税の納税義務については、消費税法上、「新設法人」と「新規設立法人」という用語が使い分けられており、それぞれに見合う規定がおかれていますが、次のような、新たに設立された㈱Aの設立当初2年間に係る消費税の納税義務の有無判定は、そのいずれによって、どのように行うことになるかご教示ください。

《前提》

① ㈱Aは、2017年4月3日に、資本金800万円で、個人株主甲と乙の両名が出資して設立された。
② 甲は、㈱Aの発行済株式総数の51%を有しており、残りの49%を、甲とは親族関係にない知人乙(㈱Aの他に、連年、売上5億円超の㈱Bを完全支配している。)が有している。
③ 甲は、㈱Aとは別に、丙(甲の実弟で、甲とは別生計である。)との共同出資で、7年前に㈱C(資本金896万円、1月決算、連年、売上5億円超。)を設立しているが、それぞれの持株割合は、設立以来甲が54. 7%、丙が45.3%であり、㈱Aの設立を経て現在(本件質問時)まで変動はない。
④ ㈱Aの特定期間における課税売上高は1,000万円以下である。

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父親の所有する建物に対し、子が損害保険契約を締結している場合の課税関係

《質問》

 父親が所有する建物を、生計を一にする長男が借り事業を営んでいます。長男はこの建物に対し火災保険契約を締結し保険料を負担していますが、支払保険料はどのように処理したらよいのでしょうか。また、万が一火災に遭い父親が保険金を受け取ったり、満期で返戻金を受け取った場合等課税関係はどのようになるのかご教示願います。

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貸地の一部を返還された場合の借地権の取扱いについて

《前提》

地主は法人、借地人は個人(個人事業用)。
借地人個人は普通借地権所有。
借地人個人は30坪の借地権を有し、ここに2棟の建物を建て事業を行っていた。
5年前に借地契約の更新に当たり、更新期間20年ということで400万円の更新料を授受した。
借地人個人は、5年経過した今になって1棟(敷地10坪分)を取壊した上で10坪分の借地権を返してきた。
同時に5年前授受した更新料のうち100万円の返還を求めてきたため、支払うことにした。
100万円の算定根拠
  400万円 × 10坪/30坪 × 15年/20年 = 100万円

《質問》

 返還した100万円は、経費として落とすことは可能ですか。それとも無償返還された借地の買取価格として土地勘定になりますか。

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海外からの公的年金も受け取っている年金受給者の確定申告

《質問》

 私は、65歳となり今後公的年金等を受給することになりますが、公的年金に係る雑所得はどのように計算するのでしょうか。また、公的年金の確定申告不要制度があると聞いています。次のような年金を(年額)受給する予定ですが確定申告は不要と考えてよろしいでしょうか。
①厚生年金 300万円(源泉徴収あり)
②ドイツからの公的年金 10万円
③私的年金 10万円(必要経費控除後)

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小規模宅地の特例(貸付事業用)の適用について

《概要》

被相続人(母親)が平成29年3月に死亡。
相続人は2人(長男・次男)です。
母親の自筆遺言書があり、裁判所の検認は済みました。
相続財産に土地が複数あり、2人に相続させる内容です。
相続人間で揉めていて、裁判になる予想です。
次男より、相続申告の依頼を受けております。
相続人全員の選択同意書は揃えられません(長男から委任状はもらえません。)。

《質問》

1. この場合に、遺言書通りに分けて、次男の相続する土地のみ小規模宅地の特例(貸付事業用)を適用して申告すると、税務上問題はありますか。

2. 小規模宅地の特例は期限後申告又は、更正の請求でも認められますか。

3. 長男が遺贈で取得した土地も貸付事業用宅地ですが2人合わせて200㎡以下の場合でも選択同意書は必要ですか(これ以外に特例対象宅地はありません。)。

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個人が法人に土地の無償貸与をした時の借地権認定課税について

《事実関係》

個人Aが法人Bに土地を貸し、法人Bは借地に工場を立てて事業を営んでいます。
個人Aと法人Bの間で賃貸借契約書を交わしておりますが、賃料は無料、ただし公租公課は賃借人が負担するという内容で実質的には使用貸借契約と思われます。
賃貸契約書は、昭和57年11月1日に作成されています。
法人Bの貸借対照表に借地権は計上されていません。
無償返還届出書は未提出です。
この地域の借地権割合は50%です。

《当方の見解と質問》

① 個人Aと法人Bで結んだ契約は使用貸借契約と考えます。無償返還届出書の提出がなく、法人Bは権利金相当額を個人Bに支払っていないため、受贈益を得たことになります。このような場合の財産評価は、個人Aの土地は50%減額し、法人Bは借地権を計上することとされています。
 しかし、受贈益の処理を法人Bが行っておらず、受贈益の認定課税もされていないため、個人Aの土地は100%で評価し、法人Bに借地権は計上しないと考えますがよいでしょうか。

② 本来は借地権の認定課税がされるべきですがなされていないため、現在は認定課税について時効が成立していると考えて、個人Aの土地は50%減額し、法人Bは借地権を計上することは可能でしょうか。

③ 現在は事実上使用貸借契約ですが、今後賃料の授受を行って、無償返還届出書の提出を考えています。このような場合、個人Aの土地は20%減額し、法人に借地権20%を計上して評価することは可能でしょうか。また、現段階で無償返還届出書を提出することについて、どのような税務上のリスクが考えられるのでしょうか。

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退職所得の選択課税

《質問》

 私は外国人で日本の会社に10年ほど勤務した後、国外での支店勤務となり2年が経過しました。この度退職し、母国で会社を立ち上げようと考えています。退職に当たり、日本の本社からの退職金が600万円支給されることになっています。会社からの退職金は、非居住者となるため、20.42%の所得税が源泉徴収されるとききました。源泉徴収された所得税は、差し引かれたままとなってしまうのでしょうか。

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親の事業を引き継ぐ時の棚卸資産および減価償却資産の取扱いについて

《前提》

 父親が個人事業主(農業、消費税課税事業者)で所得税確定申告をしています。これからは、生計を一にしている息子が事業を引き継ぐ予定です。

《質問》

① 父親が個人事業の廃業届を提出すると消費税法4条5項1号のみなし譲渡の規定は適用されるのでしょうか。条文では「家事のために」とありますので、そのままこの規定を適用するのはどうかと思いますが、実務上、税務署がその規定を運用しているとすれば従うしかないと考えます。

② 事業主の父親が廃業届を提出しないとすると、生計を一にしている息子さんは、本来は父親が使っている減価償却資産の減価償却ができるのに、廃業届を出していないことで減価償却できないということでよろしいでしょうか。

③ 個人事業を法人成りによって法人に引き継ぐのに当たって、個人事業用の資産を法人に無償譲渡又は無償で貸与した時の所得税・消費税の取扱いはどうなるのでしょうか。

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消費税免税店を開始する場合の注意事項について

《質問》

 現在コンビニエンスストアーを経営していますが、周辺にホテルがあり外人観光客が多くなってきたことから消費税の免税店を開始し、売上の拡大を目指しています。免税店開始のためどのようにしたらいいのか、また注意事項等についてご教示ください。

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中古マンションを取得した際の土地・建物・附属設備の区分について

《質問》

 この度、中古のマンション(鉄筋コンクリート造り)を取得し、賃貸することにしました。売買契約書ではマンション総体の金額が表示されているだけで、申告にあたり土地・建物・附属設備それぞれの金額に区分できる資料(消費税等)は全く表示されていません。どのように区分したらいいのかご教示ください。

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